中山小3年3組 ラーメンで「地域を笑顔に」 七志が協力 児童の夢実現
中山小学校3年3組の児童が総合的な学習の時間を使って考案したラーメンが、とんこつラーメン店「七志中山店」(中山)で2月28日(金)まで販売されている。その名も「栄養まんてん夢のニコニコラーメン」。込められているのは、「地域の人を笑顔にしたい」、そんな素直な思いだ。
同クラスが、今年度の総合学習として選んだのは「食」について学ぶこと。大きなテーマとして「地域の人を笑顔にしたい」との思いがあり、その実現のために美味しい「食」について考えることにした。
きっかけはコンテスト
そんな時、クラスの1人の児童が、七志が実施している「夢のラーメンお絵描きコンテスト」のチラシを持ってきたという。同コンテストは、七志が七夕企画として小学生以下の子どもを対象に、「こんなラーメンがあったらいいな」と思う『夢のらーめん』の絵を募集するもの。子どもたちが食材に興味を持ち、そして「食は人を幸せにする」というイメージを持ってもらうことで、食育につなげていくことを目的にしている。
チラシを見た児童たちは、理想のラーメンづくりに挑戦することを決意。クラス全員で同コンテストに応募するため、ラーメンについて調査を開始した。各自が自分のアイデアをイラストにして、コンテストに参加。入選はかなわなかったが、「クラス全員の理想が詰まった一杯のラーメンを作りたい」、そんな思いに火が付いた。
熱い思いを受けた担任の白須沙也香教諭が、七志中山店にオリジナル商品の開発に関する協力を直談判。同店を運営する株式会社ナナシフードサービスの平英樹代表取締役は「私たちが協力することで子どもたちの学びになるなら」と即座にOKしてくれたという。
話し合いで決定
そこからはさらにラーメンについて探求を進めた。まずは何味が人気なのか、学校内と、七志中山店でもアンケートを実施。校内の約500人、地域の約300人から回答を得た結果、1位に選ばれたのは醤油味、2位は豚骨味だった。
ただ、協力してもらう七志は豚骨味をメインとする店。児童の中でも1位の醤油派と2位の豚骨派で意見が分かれ、数時間にわたって話し合いが行われたという。
「七志さんに負担をかけない」、「温まる」、「コラーゲンが豊富」など豚骨派の意見を受け、児童全員が納得。豚骨味のラーメンを作ることが決定した。
こだわりトッピング
その後はクラスを4グループに分け、トッピング選びに着手した。「地域の人を笑顔にしたい」というテーマに沿って、地元の食材を使いたいとの声も上がり、区役所に相談。旬の野菜などについてレクチャーを受けたという。また卵については、近隣の前田養鶏場(北八朔町)を児童らが直接訪問し、協力を要請した。それらの話し合いを踏まえ、最終的には前田養鶏場のゆで卵、冬キャベツ、小松菜に加え、七志自慢のチャーシュー、同店人気トッピングのキクラゲ、さらにネギの6種類にすることを決定した。メニュー名は「中山小3年3組こだわりの栄養まんてん夢のニコニコラーメン」。イラストと詳細を受け取った平代表取締役はあまりの完成度に驚き、そのまま商品化することを即決したという。
笑顔の試食会
1月14日には完成したラーメンの事前試食会が七志中山店で行われ、クラスの児童26人が参加。自分たちが考案したラーメンを目の前にした児童らは「美味しそう」と大興奮。実際に口に運ぶと「めちゃくちゃ美味しい」「いくらでも食べられる」「朝昼晩、全部これでいい」と感激した様子で感想を言い合っていた。児童の一人、松本ちはるさんは「このラーメンを食べたら、絶対にみんな笑顔になってくれるはず。今度は家族で食べに来たい」と味に自信をのぞかせていた。
過去最高の出数
17日に販売された、子どもたちの夢が詰まったラーメン。ナナシフードサービスによれば売り上げは絶好調で、19日までの3日間で147食が売れたそうだ。平代表取締役は「当店が出してきた限定麺の中でも、今回が過去一番の出数率。1日平均49食は驚異的です。児童の熱意とアイデアにはプロも顔負けですね」と脱帽していた。