心を整えリラックス効果が得られるガムのススメ【眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話】
多種多様な咀そ嚼しゃくの効果
よく噛んで食べると脳が活性化します。さらに、咀嚼のリズムや表情筋が緩むことで副交感神経の働きが高まり、自律神経が安定します。
つまり、ガムを噛めば、脳は活性化しつつも、心は穏やかで平常心を保てるのです。
メジャーリーグの選手たちがよくガムを噛んでいるのは、まさにこのため。私たちも、緊張する会議の前、イライラして怒りを抑えられないときなどにガムを噛むと、不思議と平常心を取り戻すことができ、心身のパフォーマンスがアップします。
事実、最近の実験や研究ではそれが明らかになっています。チューインガムを使った実験では、ガムを噛むことで脳の血流がよくなり、小脳や前頭葉の運動野ではなんと10~40%も血流が増加していることが認められました。
また自律神経においても、ガムを噛むと深い睡眠や瞑めい想そうの際に見られる脳のアルファ波が増加するという結果が判明。これは副交感神経の働きが高まり、心身が非常にリラックスしたためだと考えられます。
ちなみにガムを噛む効能は、脳を活性化して心を落ち着けること以外にもあります。例えば、加齢によって起こる歯槽膿漏予防。咀嚼によって歯槽骨髄の血流がよくなることから防げます。
さらに、よく噛むと咀嚼筋から脳に刺激が伝わり、内臓脂肪を分解する効果のある「ヒスタミン」が分泌。つまりはメタボ予防にもなるのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』 著:小林弘幸