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北九州でカウンターを極める~『よみどころ くるり』編~

キタキュースタイル

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北九州市に来たばかりで知り合いがいない、などの理由で、いわゆるソロ活を余儀なくされる機会も多々あるかと思いますが、初めてのお店に一人で入るのはなかなか勇気がいるものです。
そこで、一人で行っても馴染みやすい、一人なのに不思議とさみしくない!そんな、北九州市のカウンターのあるお店をご紹介していきたいと思います。
店主さんとおしゃべりしたり、他のお客さんと仲良くなったり、一人きりの時間を思う存分堪能したり。 “一人だからこそできる楽しみ方”をぜひ北九州市で極めてください。

【よみどころ くるり】

最初の一歩

小倉駅から徒歩7分ほど。様々なお店が立ち並び賑わっている魚町銀天街から一歩路地に入ったところに、『YOKOCHO 魚町333』という看板を発見!小道をおそるおそる進んでいくと、奥まった広場のような場所が現れ、数軒のお店が入居した屋台街のようになっていました。

現在は夕方からオープンするお店の入居が多いのですが、1軒、お昼のみならず朝も開いているお店があるんです。
それが、今回ご紹介する【よみどころ くるり】。さっそくおじゃましてみましょう!

読みながら呑む、呑みながら読む

店内には所狭しと本が並び、それらに囲まれるようにカウンター席が5席。“よみどころ”という店名がぴったりの、読書に没頭するためにつくられたような空間です。

しかし、もちろんただ本が読めるだけではありません。メニューを覗いてみると、日本酒、ウイスキー、焼酎、ワインにビール…。もちろん珈琲などのノンアルコールも。
そして【よみどころ くるり】で密かな人気となっているのが、”くるりの定食”。こちらはご飯とみそ汁に小鉢が数品ついており、満足度の高いメニューです。ご飯がなくなり次第終了とのことですので、定食目当ての方はご注意を。

ただ、定食からご飯とみそ汁を抜いたものは『おつまみセット』として営業時間を通していただけるので、お酒もおつまみもしっかり楽しみたい方はそちらもおすすめです。

取材時にいらっしゃった常連さんにお話を伺うと、「お酒のアテというと、味が濃ければいい、というものもあるけど、ここは“これ以上塩は減らせません”というギリギリのラインで料理を作ってくれて、それが本当に美味しい!」と大絶賛。「本とお酒の組み合わせというのは他のお店にもすでにあって、そこに美味しいアテがないと定着しないと思いますが、それがここにはあるんです!」と力説してくれました。常連になってしまうのも必然ですね。

お酒を飲みながらページをめくる、そんな粋な過ごし方が【よみどころ くるり】の醍醐味と言えます。

読む、だけじゃない本の楽しみ方

本棚を覗いてみると、絵本から哲学書までジャンルは幅広く、新書も古本も取り揃えています。気になったのが、『ポケットアンソロジー』のコーナー。何やら短編集がずらっと並んでいるのですが、それらの中から自分が好きな短編を選び、ブックジャケットに綴れば自分だけの短編集ができる!というとても素敵な商品です。

自分だけの本がつくれるという特別感に加え、差し替えも自由にできるため、今日はこの短編、とその時の気分で好きな短編を持ち歩けるという優れもの。
ポケットアンソロジーの取り扱いは九州ではほとんどないそうなので、気になった方はぜひ【よみどころ くるり】に足を運んでみてはいかがでしょうか。

大人の視点で読む絵本

もう一つ気になったのが、絵本の取り揃え。長年愛されている名作から最新の話題作まで、多くの作品が棚に並んでいます。店主の針金さん曰く、大人にこそ読んでほしいものを選んでいるそう。
子どもの時に読むのと、子育てが終わったり年を重ねたり、大人になって読むのとでは全然本の捉え方が違ってくる。大人になって絵本を読むことで、何かのきっかけになってくれたら、という思いがあり、絵本を多く取り揃えています。

もう一つ、「ここに来て、短い時間で読み終わるのにもちょうどいい」という理由もあるそう。確かに絵本なら、一杯飲む間に読み終わることもできそうです。
こどもに読み聞かせることはあっても、大人になって改めてじっくり絵本を読む機会はなかなかないと思うので、【よみどころ くるり】で絵本を読めば、新しい発見があるのではないでしょうか。

一杯と一冊に出会える場所

そんな、本とお酒が楽しめる【よみどころ くるり】。どのような経緯で誕生したのでしょうか。

子どもの頃から本が好きでお酒も昔から好きだったという針金さんが、様々な仕事を経て自分のお店を持ったのは50代の頃。元々は福島県の出身だそうですが、東京の渋谷で『本の読める居酒屋』をオープンしたのが15年ほど前のこと。その後、北九州に来たのが8年前、そして2年ほど前から【よみどころ くるり】の名前でお店を始め、現在の場所には移転という形で去年12月の末にオープンしました。
昼から飲めて、美味しいごはんが食べられるような「とりあえず自分の居場所をつくる」という思いでお店を持ったという針金さん。
ちなみに、東京時代は『本が読める居酒屋』でしたが、【よみどころ くるり】は『酒が飲める本屋』、なんだそう。

最近は本屋さんに出向くよりもネットで買う人が多くなっていますが、自分の興味のある領域だけがおすすめされるため、自分の好きな領域を広げるきっかけが狭められてしまいます。
その点、本屋に行けば、横に何があるのか気になったり、買おうと思っていなかった本もジャケ買いしてしまったり、新しい出会いにあふれています。

“本屋”という形を取ることで、運命の本と出会えるために「少しでも役に立てれば」と語ってくれました。
【よみどころ くるり】では、本をひたすら読む人もいれば、本についてしゃべりたい人は、針金さんとおしゃべりしたり。本を愛する人たちの集いの場となっているようです。

白湯と朝ごはんと占いと

さて、そんな【よみどころ くるり】なのですが、【おさゆどころ くるり】という気になる表記を発見。おさゆどころ、とは?
ここで先ほどお話を聞かせてくださった常連さんが再登場。なんと、もともと常連さんだった彼女は、ひょんなことから朝の時間にお白湯と朝ごはんを出すお店を間借り営業しているんだそう!

「とにかくみんなにお白湯を飲ませたかった」という始めたきっかけがとてもユニークですが、魚町の街中ということもあり、夜の仕事を終えて来てくれる人もおり、喜ばれているのだとか。おむすびメインの朝ごはんも好評で、朝ごはん目当てで来てくれたお客さまが【よみどころ くるり】にも行ってくれることで還元できたり、「他にもお店があるんですね」と『YOKOCHO 魚町333』の他のお店を知ってもらうこともあるそうで、大事な繋ぎ役も担っているようです。

さらに、【よみどころ くるり】がお休みの日曜日と月曜日10:00~17:00までは【占いどころ】もオープン!!
本とお酒、お白湯と朝ごはん、そして占いまで…!バリエーションに富んでおり、いつ行ってもほっとできる、何かを発見できる、そんな場所になっています。

誰かの居場所になれたら

不思議な磁力でじわじわと引き寄せられて本好きな人が集まりつつあるようで、「本のラインナップが良いので友達を連れてきました」というお客さまがいたり、夜、本を読みに来て、気になって朝営業の時に買いに来た方もいらっしゃるそう。

「若い人はカップルで来ても女性同士、男性同士で来てもそれぞれ一人で本に没頭する人が多くて、見ていて嬉しいです」と針金さん。何人で来ても、おひとり様が楽しめるお店というのは貴重ですよね。「自分が一人でゆっくりとお酒を飲みながら本が読めるお店がほしかった」と開店のきっかけを語っていた針金さんですが、今やそれはどんな人にとっても、居心地の良い“それぞれにとっての居場所”になっているようです。

しっかりと本と向き合いたいとき、ほっとひと息つきたいとき、【よみどころ くるり】に寄ってみてはいかがでしょうか。
きっと、帰るときにはほんの少し肩の力が抜けて、次に読みたい一冊が見つかっているはずです。

詳細情報

北九州市魚町3丁目3-3 魚町333こみち内

営業時間/12:00~19:00(金土は~21:00)
定休日/日・月・火曜日 他不定休
※【おさゆどころ くるり】は火水木金曜日の朝7:30~10:30営業

※臨時休業などの情報はInstagramをご確認ください

さいごに もちろんみんなでわいわいするのも楽しいですが、ひとりの楽しみ方は無限大!特に北九州市は人懐っこい人が多いので、店主さんもお客さんも気軽に話しかけてくれてすぐに打ち解けられる、ソロ活にはもってこいの地域です。これからもひとりで行ってもさびしくない、親しみやすいお店を紹介していきますので、お楽しみに!

協力:門司港ゲストハウスポルト

ゲストハウスPORTO(ポルト)門司港 | 福岡門司港のゲストハウスhttps://moji-porto.comPORTO(ポルト)はイタリア語で「港」ー 門司港は昔も今も「港」として日本中・世界中からたくさんの人や文化が交わり多様でありながら独自の文化をもっている。人生が船旅であるように、宿を訪れた人たちが船旅の中での疲れが癒され、次の場所に向かって進む元気が湧いてくるような陽気な宿でありたい。皆さんの船出を見届けていきます。

ゲストハウスPORTO(ポルト)門司港 1 User 2 Pockets

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