播磨灘の【初夏のボート釣り】ターゲット紹介 マダイ・タコ・シロギス・ヒラメに青物と多彩
釣り人には好みの狙いものがさまざまですが、ここでは、関西ローカルの明石沖・高砂沖から家島諸島の北部播磨灘にかけてのボート釣りにおける、私の狙いものをご紹介します。旬もいろいろですし、最盛期や釣り船の狙いとは異なる場合もありますが、あくまで私が食べたい魚たちです。「釣りたい」が主ですが、「食べたい」という食いしん坊の要素が入り混じった、ひとり気ままな初夏のボート釣りです。
初夏の播磨灘の釣り
4月から水温はどんどん上昇していき、5月末には18℃に達し、6月下旬には20℃を超えてきます。初夏を通り越してすっかり夏の様相になりますが、日々狙える魚が増えていくこの季節は、釣り人にとって心待ちの時期です。
5月の初旬はまだ春の海の雰囲気を見せていても、下旬になると夏の魚たちが少しずつ姿を見せ始めます。
水温の上昇につられて、釣り人の活動も賑やかになります。乗合船ではマダコ、波止では小物釣りと、それぞれに楽しい釣りができます。
そんな中で両方の面白さを持ち合わせているのがボート釣りです。ひと潮ごとに「次は何を釣ろうか」とニンマリしながら考える、楽しい季節なのです。
初夏の狙いもの
ここからは播磨灘の初夏に狙えるターゲットについて解説します。
マダイ
定番といえば、やはりマダイです。美しい魚体とおいしさを兼ね備えていて、釣れれば満足感もひとしおです。そろそろタイラバも効果を発揮し始めますが、無難に広くタナを探れるサビキ釣りもおすすめです。
後述のハマチが回ってきているので、潮が動いている時間帯には青物を狙い、その前後ではマダイを狙うという流れができれば、幸せいっぱい、おいしい寿司ネタが手に入ります。狙い場は明石沖か家島諸島周辺です。
シロギス
シロギスも徐々に活性が上がってきて、数釣りのシーズンに入ってきます。ブルルンルンルーンという気持ちの良いアタリも間近で、小物釣りの奥深い面白さに、昨年の私はかなりハマってしまいました。
あの爽快なアタリをしっかりとハリがかりさせて、1時間に10匹のペースで釣れたら、ボート釣りの楽しさが一気に広がります。砂浜の突堤からの投げ釣りでも狙える時期になりますので、沖に出ず、サーフの延長線のようなチョイ沖で、のんびりとプカプカ浮かんで釣ります。
マダコ
明石周辺の乗合船の多くは、マダコ狙いにシフトしています。個体数が激減してから5年目の今年はどうなるでしょうか。今年の冬に記録された水温7℃の影響が、マダコの成育に影響しているとも言われています。
まだ5月よりも6月、さらには夏に向けて活性が上がってきますので、焦る必要はありません。「5ハイ釣れれば上出来」くらいの気持ちで釣らないと、期待が大きすぎて愕然としてしまうかもしれません。
晩ごはんのおいしい肴になってくれればいいな、というぐらいの欲張らないスタンスで臨んでいます。
ハマチ
4月下旬には、明石沖にハマチが回遊してきて、ジギングの乗合船が早々に釣果を上げ始めました。ジグでもフローティングミノーでも、ライトタックルが適した時期です。
ライトタックルで1匹ずつ丁寧に釣っていくスタイルは非常に面白く、潮の良い時間帯にはそこそこの数が釣れるでしょうし、時には突然ブリがヒットして、ライトタックルでは手こずるほどの引きを楽しめることもあります。特に、大潮の速い上げ潮が朝一番に当たる日は、まさに狙い目となります。
フラットフィッシュ
シロギスと同じく、シャローなサーフエリアのチョイ沖は、フラットフィッシュと呼ばれるヒラメやマゴチのポイントになります。水深3~5mのエリアで、ソフトルアーやミノーをキャストして狙います。石ゴカイで釣ればシロギスのポイントですが、彼ら(ヒラメやマゴチ)もシロギスが好物です。
そこに潮に乗って小さなベイトが回遊してきたときが、まさに時合いです。ただし、この潮の加減がなかなか難しく、読むのに苦労する上、読みを外せばボウズということもあります。しかし、数少ないチャンスをものにできたときの喜びは、ひとしおです。
ルアーでの釣りも楽しいですが、活餌を使ったノマセ釣りも有効です。朝の時間帯にアジやシロギスを確保するのがもったいないという場合は、ウグイ(ギンペイ)を5匹ほど購入すれば、丈夫で喰われっぷりも良く、面白い釣りができます。
シロギス同様、サーフからキャスティングしている方もいらっしゃいますし、ミニボートでも十分に狙えるエリアです。無理に沖へ出るのではなく、サーフの延長のようなチョイ沖の砂地を丁寧に探るのがコツです。
初夏に釣れるかもしれない狙いもの
6月になると、マアジが回遊してくる可能性があります。明石沖の水深70~80m付近のタナで、底層をエサを求めて泳ぐ群れがいれば、サビキ仕掛けに独特の「グングン」というアタリを出してくれます。
胴調子のやわらかい竿が満月のように曲がる感触は、病みつきになるおもしろさです。加えて、脂の乗ったマアジのおいしさは格別で、まさに絶品の寿司ネタになります。
7月になるとマルアジも回ってきますが、まずはこのマアジの群れに出会えるかどうかが、初夏の釣りを充実させるカギになります。
サワラ
カタクチイワシの群れが回遊してくると、それを追いかけてサワラも姿を見せてきます。この時期のサワラは卵を持った大型個体が多く、非常に魅力的なターゲットです。
ジギングやブレードジグで狙うことになりますが、群れに当たれば、あまり難しいことを考えずとも喰ってきますので、運の要素も大きい釣りです。
今後の展望
今年は青物が意外と早く姿を見せてくれたこともあり、初夏の釣りに面白さが増していると感じます。最近覚え始めたフラットフィッシュの釣りと合わせて、夏に向けてますますワクワクする季節です。
ひと潮ごとに狙いものが増えていくこの時期は、心移りの激しい季節でもありますが、釣行日の潮の大きさや時間帯によって「何を狙うか」を考えるのも、また楽しい時間になります。
とはいえ、あまり風呂敷を広げすぎるのもよくありませんので、燃料代も気にしつつ、近場と遠場のポイントをうまく組み合わせて、食いしん坊な自分を満足させられたら、それだけで大成功です。
<丸山明/TSURINEWSライター>