愛猫の気持ちがわかるかも?飼い主が知っておきたい4つのポイント
突然かみついたり、狭いところに入りたがったり、愛猫の行動で疑問を感じることってありますよね。ネコならではの行動の理由について知れば、もっと愛猫と仲良くなれるはず。
今回は、上野動物園の動物解説員を経て、主に動物に関する書籍を執筆、私生活でもネコと40年暮らした加藤由子さんの著書『ネコの気持ちがわかる50のポイント』から解説します。
気持ちはいつも子ネコのまま!?
野生時代のネコは、大きな動物に襲われないよう木のウロや岩場の隙間など狭いところに入り込んで寝ていたそうです。
今でもその習性が残っていて、本棚の隙間や紙袋のような場所があれば「入ってみないと気が済まない」とばかりに入って昼寝をします。
この習性に加えてネコには、『昨日やって安全だったことを今日もやる』という習性があります
出典(ネコの気持ちがわかる50のポイント)
だから子ネコ時代、昼寝場所に選んだ小さな箱に、大きくなっても繰り返し入り続けるのです。
大人のネコが小さなスペースで無理やり寝ていることってありますよね。それは、気持ちは子ネコのまま、自分が成長していることに気がついていないのかもしれません。
持ち帰った獲物はお土産じゃない
ネコには生まれつき狩猟本能がそなわっています。飼いネコも獲物を見ると、狩猟本能のスイッチが入り、狩りをします。
ただし、狩りに成功したとしても、家で十分なエサをもらっているネコには、次の『食べよう』というスイッチが入りません。すると次に『安全なところに隠しておこう』というスイッチが入ります
出典(ネコの気持ちがわかる50のポイント)
それで家に持って帰ってくるのですが、その気持ちが満たされるとポトンと放置。それが飼い主への“置き土産”のように見えますが、決してそういうわけではありません。
飼い主が取り上げると「それは自分の獲物だ」ということを思い出し、必死で抵抗するのです。
しっぽの動きで感情がわかる
ネコが感じているであろう感情を推測できる方法があります。それはシッポの動きを見ること。
シッポの動かし方には、実にさまざまなバリエーションがあります。
どんな感情のときに、どんな動かし方をするのかを具体的にいうのはむずかしくて、できません。いえるのは強くなにかを感じているときには強く、なんとなくなにかを感じているときには弱く振るということです
出典(ネコの気持ちがわかる50のポイント)
数えきれないほどバリエーションがあるシッポの動かし方。 愛猫を見ていると、シッポが表す微妙な“ネコ語”を読み解けるようになるかも?
突然かみつくのはなぜ?
突然、ネコが手に飛びついてきてかみつく。軽く注意してもますます興奮してかみつく。これは室内飼いの、1頭だけで飼われているネコによく見られる現象なのだそう。
子ネコたちは、兄弟ネコの背後から突然、飛びついてかみつきます。それが『遊ぼうよ』のサインなのです。かみつかれた子ネコが『なにすんだよっ』と反撃するのが、『OK、遊ぼう』のサインです
出典(ネコの気持ちがわかる50のポイント)
つまり、飼い主の手にかみつくのは仲間意識のあらわれ。注意するとそれはネコにとって「OK」のサインとなり、うれしくてますます興奮してしまうというわけなのです。
この時、強く叱ってしまうと飼い主を仲間だと思わなくなってしまいますので気をつけてくださいね。
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ときどき不思議な行動を見せてくれるネコたち。ネコの気持ちを理解して、仲間や家族として一緒に過ごせる時間を大切にしたいですね。
著者:加藤由子
日本女子大学卒業。専門は動物行動学。移動動物園、多摩動物公園、上野動物園の動物解説員を経て、主に動物に関する書籍を執筆。著書は『雨の日のネコはとことん眠い』(PHP研究所)、『猫とさいごの日まで幸せに暮らす本』(大泉書店)、『イラスト解説 猫のしぐさ解読手帖』(誠文堂新光社)など多数。
(ハピママ*/庄司 真紀)