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「ジェンダーレス名前」は増えているの? ミキハウス「名づけ調査」から分かるママ・パパの名づけ事情

ミキハウス

「ジェンダーレス名前」は増えているの? ミキハウス「名づけ調査」から分かるママ・パパの名づけ事情

令和になり6年。社会は刻々と変化し続け、多様性やジェンダーフリーについて耳にすること、そして考えなければならない機会が増えました。私たちを取り巻く環境が大きく変わるとともに、生まれてくる赤ちゃんにつけられる名前にも変遷が見られます。

ミキハウスでは2017年から毎年、全国のママ・パパに名づけについての意識調査を実施。今回は特に、“ジェンダーフリー”に対する考え方に着目し、考え方などをお伺いしました。

乳幼児の保育現場に長く携わってきた北花田こども園(大阪府堺市)・森本優子園長のお話を交えながら、2024年「ミキハウス名づけ調査」の結果をご紹介します。
(同こども園には、0歳から6歳まで約100人の園児が通っています。)

調査概要・ 調査期間 / 2024年9月26日~2024年10月6日・ 調査対象者 / ミキハウスクラブ会員さま・ 調査エリア / 全国・ 調査方法 / 会員向けインターネット調査・ 有効回答数 / 1179人

目次ママ・パパが赤ちゃんの名づけに意識することは?多様性を考慮した名づけ赤ちゃんの名前は、ママ・パパの愛情がいっぱい

ママ・パパが赤ちゃんの名づけに意識することは?

わが子への最初のプレゼントとも言われる名前。一生をともにする名前にどんな思いを込めようか、どんな響きにしようか、わが子の幸せな人生を願うからこそ、おおいに悩みますよね。
名前を考えるときに、ママ・パパがこだわるのはどんなことなのでしょうか。意識したことや気をつけたことについてお聞きしたところ、このような結果が得られました。

【名前を決める際に意識したことや、気をつけたことを教えてください。(複数回答)】

姓名判断/字画が1位

一番多くのママ・パパが選んだのは、「姓名判断/字画」で、55.9%の方が選択しています。
実は、例年6割近くのママ・パパが「姓名判断/字画」を重視していると答えており、時代が移り変わっても、字画を基にした姓名判断が根強く支持されていることが分かります。「名前がわが子の人生をより良くする一助になれば」というママ・パパの想いの表れですね。

2位は、音の響き

34.6%のママ・パパが選んだのは、「音の響きのよさ」です。
これからの人生においてたくさん呼ばれるわが子の名前に、「音の響きのよさ」を追求するのは、もしかすると自然なことかもしれません。2021年のミキハウス調査でも明らかになったように、音の響きにこだわったり、音がイメージさせる印象を重視したりするママ・パパが増えてきているようです。

読みやすさや見た目にも気を配る

「姓名判断/字画」や「音の響きのよさ」のほかに、3割以上のママ・パパが選んだ項目は、「読みやすい漢字(33.5%)」、「文字で書いたときの見た目(33.2%)」、「キラキラネームを避ける(32.4%)」などが続きました。「将来像への願いをこめる」という項目も3割を超えています。

長年保育の現場で、園児の名前の変遷を体感している森本園長は、「ここ最近、とても読むのが難しい名前や変わった名前は減ってきたように感じています」と話します。
ママ・パパのわが子の名前のこだわりポイントは姓名判断や音の響きなどさまざまですが、「読みやすさなどを考慮しつつも、ママ・パパが一生懸命にわが子の名前を考えられていることが伝わってきます。個性的で思い入れのある名前が増えていますよ」と森本園長。

多様性を考慮した名づけ

「違いや個性を認め合い、ともに生きていこう」という多様性の時代を迎えた現代。この考え方は、赤ちゃんの名づけにも反映されています。

ジェンダーレスな名づけが大幅アップ

今回の調査では、「ジェンダーレスな名前」を意識したと答えた方が、2017年の2.6%から、15.2%に大幅アップ。
お話を伺った森本園長をはじめ園の先生方も、「名簿をパッと見たときに、男の子か女の子か分からない名前は増えました」と話します。中性的な響きを持つ名前が増えただけでなく、性別を超えた名づけもそれほど珍しくない時代になっているようです。

ジェンダーレスな名前が増えるのと反比例し、「男の子らしい名前」や「女の子らしい名前」を意識したとの回答は減少傾向に。7年前には23.2%の方が選択していましたが、2024年には14.9%に減少。「ジェンダーレスな名前」と、ほぼ同じ割合になっています。

ジェンダーレスな名前への反応

ジェンダーレスな名前が増えている背景について、もう少し探ってみました。

今回の調査において、「ジェンダーフリーの考え方が現代の名づけに影響しているか」という問いに対し、「とても思う」、「やや思う」を合わせた回答は、67.9%と7割近くに上っています。
その理由はどのようなものでしょうか。

【ジェンダーフリーの考え方は、名づけに影響を及ぼしていると思いますか? (回答数: 1179)】

名前に縛られず、自由に生きてほしい

「名前から女の子らしさや男の子らしさを感じさせないことで、子どもが自由に成長できると思う」(35歳/女性)、「名前はアイデンティティに大きく影響するので、名前に縛られることなく自由に生きられる名前をつけたかった」(29歳/女性)。さらに、「名前や見た目、肌の色、国籍など気にするものではないという概念が、世の中に広がりつつあります」(40歳/女性)と回答したママもいました。

「性自認の問題について考えた」というママ・パパも少なくありませんでした。
たとえば、「将来、もし女の子になりたいと言ったときに困らないように」(31歳/女性)、「性別に違和感が出たとしても、どちらでも良い名前ならずっと使ってもらえる。それは、親としてうれしいこと」(34歳/女性)、「親から子どもへの初めてのプレゼントである『名前』が、どんな形でも残ってほしい」(32歳/女性)などという回答がありました。「性自認と一致せず、名前を変えた知人がいます」(31歳/女性)という回答もありました。

別の角度からジェンダー問題を考えたという意見も。近年、大学入試や就職の際に、「女性を不利に扱っていた」というニュースがありましたが、このような社会の問題を踏まえ、「書類やレポートなど、名前で女性だと分かると不利になるかもしれません」(38歳/女性)と回答した人もいました。

名づけはより自由に

【ジェンダーレスな名前について、あなたの考えに近いものをお選びください。 (回答数: 1179)】

一方で、ジェンダーレスな名前に対し、やや批判的な意見も。
理由については、「名前だけでは性別が分からず、困ることもあるかも」(37歳/女性)、「赤ちゃんの顔だけ見ると性別が分からず、名前で〇〇くんか、〇〇ちゃんと呼ぶのか迷ったことがある」(39歳/女性)、「(自分が)子どものとき名前で男の子と間違われ、「〇〇くん」と呼ばれるのがいやだった」(35歳/女性)などと回答されています。

ただしジェンダーレスな名前について、「好意的」、「やや好意的」、「どちらでもない」のいずれかを選択した方は95%以上を占めています。
その理由を記入してもらったところ、「将来を見据えた親の想いだから」(33歳/女性)、「男女の枠がなく自由に生きられることは素敵」(45歳/女性)、「もっと生きやすい時代になる」(※多数意見の要約)、「親が想いを込めた名前なのだから、良いも悪いもない」(41歳/女性)などという「他人の考えや意思を尊重する」(37歳/女性)という考えに基づいた回答をたくさんいただきました。

ほかにも、これまでのミキハウスの調査で「キラキラネーム」への抵抗感が減ってきていることが明らかになっていますが、今年も「キラキラネームを避ける」と答えた方が、7年前の48.7%と比較すると、16.6ポイント下がり、32.4%という結果になりました。

「違いを認める」、「個性を大切にする」という多様性の時代は、ジェンダーレスな名前やキラキラネームへの受け止め方や定義を変えながら、名づけを“より自由に”しているのではないでしょうか。

赤ちゃんの名前は、ママ・パパの愛情がいっぱい

流行りのレトロネームの結果をチェック

少し古風な「レトロネーム」の人気を耳にすることが増えましたが、今回の調査では、「日本らしい名前」との回答は増えていません。むしろ2017年は17.2%の方が選択していましたが、2024年は10.5%までダウンしています。

「日本らしい名前」を選択した方の割合は減ったものの、実際にアンケートで回答していただいた名前の中には、「紬」や「楓」、「柊」など、日本の自然などを表す漢字が使われている名前がたくさんありました。「日本らしい名前」の定義は幅広いですが、日本の良さや自然、季節を表す和テイストの漢字を選ぶ方は少なからずいらっしゃるようです。

大切な名前を、たくさん呼んであげて

どんな漢字であれ、どんな読み方であれ、ママ・パパの愛情がいっぱいつまった名前。北花田こども園ではママ・パパにお願いして、卒園アルバムにお子さんの名前の由来を記載してもらっているとのこと。
森本園長は、「どのママもどのパパもすごく大切に名づけをされているのが伝わってきます。そんな大切なわが子の名前を、これからも大切にたくさん呼んであげてくださいね」と優しく語ってくれました。

多様性をキーワードに、めまぐるしく変わっていく令和の時代。今回の調査では、ジェンダーレスな名前に対するママ・パパのご意見を伺いました。その結果からは、わが子が将来どんな道を選ぼうとも、わが子への愛情が変わらないことはもちろん、より生きやすいように整えてあげたいというママ・パパの思いが垣間見えました。
ジェンダーレスな名前であれ、昔からある男の子らしい名前であれ、女の子らしい名前であれ、赤ちゃんの名前は、ママ・パパの愛情の証。わが子の幸せな未来を祈って名づけた気持ちをいつまでも忘れず、これからの子育てを楽しんでくださいね。

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