DMAT新設の赤穂中央病院 災害拠点病院に指定
災害時の医療体制を強化しようと、赤穂中央病院(長尾俊彦院長)が兵庫県から災害拠点病院に指定された。
県によると、県内20か所目で、赤穂市内では赤穂市民病院に続いて2か所目。同病院は「災害拠点病院として必要な研修や訓練を実施し、責任を果たしていきたい」としている。
災害拠点病院は、災害発生時に地域医療の要として重傷者の初期治療を担い、地域の病院を支援する医療機関を都道府県が指定するもの。▽24時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者の受け入れ・搬出が可能な体制▽災害派遣医療チーム(DMAT)の保有▽被災後に診療機能を早期に回復させるため業務継続計画(BCP)を整備▽自家発電機燃料、食料、飲料水、医薬品を3日分程度備蓄―などの要件を満たす必要がある。昨年4月時点で全国776病院が指定されている。
赤穂中央病院は2016年の熊本地震から昨年の能登地震まで各被災地に災害時医療支援活動班(AMAT)を派遣。22年には運営母体の医療法人伯鳳会(古城資久理事長)が災害医療車を導入した。こうした実績と資源をより活かせる体制を整えようと、昨年6月にDMATを発足。災害拠点病院の指定要件をすべて満たし、今月6日にあった県医療審議会救急医療部会で承認された。
災害拠点病院に指定されたことでDMATのメンバーの士気もさらに上がっているといい、「災害は必ず起きるものという心構えで常に備えたい」と河本純一・外科部長(56)。中3のときに豪雨水害で被災した経験から医療職を目指したという佐用町出身の看護師、神谷(かみや)美保さん(29)は「与えられた任務をまっとうしたい」と意気込む。