タクティカートオーケストラ『第2回定期演奏会』が開催 指揮は坂入健司郎、初共演のピアニスト・阪田知樹も参加
2024年11月20日(水)ミューザ川崎シンフォニーホールにて、タクティカートオーケストラ『第2回定期演奏会』が開催される。
作曲家や奏者にフューチャーした企画を展開してきた新進気鋭の若手プロオーケストラであり、昨年リリースした『ラフマニノフ:交響的舞曲』がレコード芸術最終巻で特選盤に選ばれるなど、その確かな実力で今勢いに乗るタクティカートオーケストラ。結成4年目となる今年は新体制を発表し、4月には横浜みなとみらいホール 大ホールにて第1回定期公演奏会を開催。そして今回、待望の第2回定期演奏会が行われる。
指揮を振るのは、タクティカートオーケストラと共にラフマニノフやブルックナーの名演を繰り広げ、本公演が3度目の共演となる指揮者・坂入健司郎。4月に客演指揮者として就任後初となる演奏会だが、本公演では大編成の楽曲・ベルリオーズの幻想交響曲を奏でる。
幻想交響曲の代名詞とも言えるのが、"鐘"である。曲中で1つ当たり100キログラム以上の大きな鐘を鳴らす(叩く)のが特徴で、「C」と「G」の2つの鐘が、大編成のオーケストラを飛び越えて鳴る様子は、この曲のクライマックスでの醍醐味の一つ。本公演では坂入のこだわりを交えた響きで会場を包み込む予定だ。
そして公演のソリストに、今回初共演となるピアニスト・阪田知樹を迎える。阪田は、2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ハンガリー・ブダペスト)第1位・6つの特別賞、コンクール史上、アジア人男性ピアニスト初優勝の快挙を成し遂げるほか、エリザベート王妃国際音楽コンクールピアノ部門にて第4位、第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて弱冠19歳で最年少入賞など、数々の有名コンクールでの入賞実績も持つ阪田。 "多彩な音色をもつ、知性派ヴィルトゥーゾ" "清澄なタッチ、優美な語り口の完全無欠な演奏" などと称され、国内外でも認められているピアニスト。
そんな阪田が演奏するのは、ショパン作曲・ピアノ協奏曲第2番。ショパンが初恋相手への思いを乗せたこの作品は、「幻想交響曲」と同じ年に書かれたこの曲だが、阪田は本公演にて初披露。ショパン国際コンクールが次回開催を2025年に控える今年、ロマンティシズムが心を揺さぶる本楽曲を阪田がどのように描くか、必聴だ。
合わせて注目なのが、リストのメフィスト・ワルツ第1番。凄まじい速度と高度な演奏技巧が要求され、ピアノ曲の中でも難曲として知られている曲だが、本公演では、演奏されることが数少ないオーケストラ版で演奏される。ピアノ・ソロが有名だが、実は本オーケストラ版はそれに先立って書かれたもの。ピアノ、そして管弦楽の天才が描いた、「ファウスト」伝説の恋と狂乱の物語。ピアノ・ソロ版より圧倒的な壮大感が作り出す、悪魔的な世界にも期待大だ。
同時代のパリに生きた3名。若き才能がぶつかり合い、ロマン派が花開いたその瞬間の音楽たち。大作・ラフマニノフ、ブルックナーと名演を重ねてきたコンビが、その情熱迸る傑作たちに挑む。