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こども禅大学 発達障害の可能性広げる 保護者と児童対象「学びの場」

タウンニュース

大竹夫妻(右)の話に耳を傾ける参加者ら(=11月10日、満昌寺)

発達障害のある子どもと保護者を対象にした学びの場「こども禅大学」が、横須賀・三浦市内3カ所の寺院を会場に始まっている。企画しているのは一般社団法人こども禅大学の大竹稽代表(三浦市南下浦町金田在住)=人物風土記で紹介。発達障害をポジティブに捉え、保護者同士の悩みや不安を共有する場として運営していく。

主に小学校低学年から中学生、その保護者が対象。雑談交流会や発達障害児を子に持つ当事者の講演などを通して、障害が持つ特性との付き合い方や才能の伸ばし方、考え方を周知していく。大竹さんが大学時代に追究した「禅」をテーマに「自由な学びの場」を発信している。

2022年の文科省の調査によると、発達障害の可能性がある児童生徒の数は小学生は約10・4%で、10年前より増加傾向にある。大竹さんは個性に応じた教育支援の拡充が必要とされている現状や自身の娘も自閉スペクトラム症(ASD)と診断されたことで当事者意識が芽生え、今春から県内各所の寺院で実施してきた。9月からはクラウドファンディングで募った資金などを元に一般社団法人化。現在は試験期間で来年4月頃正式開校する予定という。

拠点となっている満昌寺(横須賀市大矢部)と貞昌寺(同市馬堀町)では毎月第2日曜日、福泉寺(南下浦町)では毎月第4木曜日に2時間ほど実施。そのほか戸塚区などの寺院でも定期的に学びの場を開いている。

11月10日には満昌寺を会場に市内外から5人の保護者らが参加。大竹代表の妻の侑子さんの娘との関わり方や考え方を共有する時間も設けられた。娘が発達障害と診断されてから「周囲の人に言うべきか」など葛藤やショックがあったというが、「大切なのは他人と比較するのではなく、可能性を拡げてあげるのが親の役目」という考えに至った経験を共有した。

その後の交流会では、子どもが通う学校の情報交換なども行われた。

場所を提供している満昌寺第31世住職の永井宗寛さんは「寺子屋のように、大人も子どもも気軽に遊んだり学んだり。そういう場として寺を提供していけたら」と話し、今後も前向きに協力していく考えだ。

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