4月から育児・介護休業法が改正 半数以上の企業が対応開始する中、課題は勤怠・給与管理
jinjer(ジンジャー、東京都新宿区)は3月3日、企業の経営層・人事担当者・時短勤務など柔軟な働き方を実践している従業員を対象に実施した、育児・介護休業法改正に伴う業務負荷に関する調査の結果を公表した。
調査によると、半数を超える企業がすでに法改正への対応を開始しているが、勤怠・給与管理の業務負担が課題となっていることが明らかになった。
育児・介護休業法改正により、勤怠管理・給与計算の負担増が想定される
少子高齢化が進み、企業においては育児・介護と仕事の両立支援が不可欠となっている。2025年4月からは「育児・介護休業法」の改正が段階的に施行される予定で、企業はさらなる対応が求められることが予想される。
今回の改正では主に、
・育児休業の取得促進と柔軟化(育児休業の分割取得の容易化、短時間勤務・テレワークの導入促進など)
・介護離職防止のための制度拡充(介護休業の取得要件の緩和など)
・企業に求められる新たな対応義務(ハラスメント防止策の拡充など)
の3点がポイントとなると、同社は解説する。
法改正に伴い、企業は育児・介護に対応するための就業規則の見直しや制度整備が必要となるほか、勤怠管理・給与計算の負担増が懸念される。そこで、同社は今回、企業の改正対応状況や業務負荷の実態とともに、クラウド型システムの活用による負担軽減の可能性について調査した。
勤怠管理の調整や給与計算の複雑化への対応などが目下の課題
調査では、55.6%の企業が2024年改正の育児・介護休業法に関して、「すでに対応済み」と回答した。
2024年の法改正に伴い、どのような業務で負担が増えたかを聞いたところ、最多は「勤怠管理の調整(出退勤時間・労働時間の管理)」(51.2%)。そのほか、「給与計算の複雑化(変動する勤務時間・手当の調整)」(42.9%)、「社内制度の整備・就業規則の作成」(42.4%)、「勤怠管理や給与計算のシステム対応」(41.8%)などの意見も多く挙がった。
また、2025年4月施行への対応にあたり、負担が最も大きくなると思う業務では、「勤怠管理の調整(出退勤時間・労働時間の管理)」(24.1%)という回答が最も多く、次いで「給与計算の複雑化(変動する勤務時間・手当の調整)」(19.4%)、「社内制度の整備・就業規則の作成」(17.6%)、「勤怠管理や給与計算のシステム対応」(15.3%)の順となった。
実際に法対応を進める中で、懸念や課題と感じた点については、「給与計算が複雑になる」(41.2%)という意見が最も多かった。以下、「勤怠管理が煩雑になる」(37.5%)、「就業規則や社内制度の整備に時間がかかる」「具体的な対応方法がわからない、ノウハウがない」(同率30.1%)が続いた。
調査を実施したジンジャーは、企業として制度の整備だけでなく、スムーズな運用を支えるテクノロジーの活用やマネジメント層の理解促進、従業員への周知と教育などを一体的に進めることが重要とコメントしている。
調査は2月13日・14日の2日間実施し、306人から回答を得た。調査の詳細はジンジャーの公式リリースで確認できる。