知られざる松島 日本三景の隠れた絶景スポット【宮城県利府町】
平安時代から歌枕の地として知られ、江戸時代になり天橋立や宮島とともに「日本三景」に数えられるようになった松島。
大小260余りの島々が織りなす多島海の景観美は、松尾芭蕉や正岡子規、与謝野晶子ら多くの文人を魅了し、現在でも年間300万人近い観光客が訪れる東北地方有数の観光地となっている。
遊覧船で湾内の島々を巡り、伊達政宗の菩提(ぼだい)寺で国宝の瑞巌寺や国の重要文化財である五大堂を拝観、名産の牡蠣(かき)や寿司に舌鼓を打つのが定番だが、松島の魅力はそれだけではない。
松島に来たら是非とも足を伸ばしてほしい隠れた絶景スポットをいくつか紹介する。
「馬の背」波が作り上げた“天然の桟橋”
松島町の南に位置する利府町浜田地区。
JR仙石線の陸前浜田駅からカーブの多い山道を20分ほど登り詰め、さらに雑木林に覆われた急斜面を下って行くと突然視界が開け、波静かな入り江に細長い岬が竜のように伸びているのが見える。
凝灰岩などが長年にわたる波の侵食によって形作られた約250メートルの“天然の桟橋”で、丸みを帯びた形状から「馬の背」と名付けられた。
足元に気を付けながら遊歩道を先端まで進むと、右手に松島湾の島々、左手には塩釜市を遠く望める。
これまでは最寄り駅からやや距離があるため知名度は低かったが、近くに駐車場が整備されたことで訪れる観光客が増えつつある。
「馬の背」は最も狭い部分が2メートルに満たず、手すりもない。先端まで行く場合は十分に注意したい。