【倉敷市】【1/18(土)開催】落水洋介講演会「やってみたい!をカタチにするきっかけに」~ 100万人に1人の難病PLSの落水さんと本当の「幸せとは何か」を考えよう!
「子どもが小さいから」「障がいがあるから」「ちょっと忙しいから」……
外出を諦めてしまったり、日々がなんとなく過ぎてしまったりしていませんか。
そのような人にこそ聞きに来てほしい講演会が、2025年1月18日(土)に真備町にあるマービーふれあいセンターで開催されます。
その名も「聞いて、感じて、動いてほしい 繋がりの輪が生まれ 未来が変わっていく やってみたい!をカタチにするきっかけに」。
今回の演者である落水洋介(おちみず ようすけ)さんとの出会いから、自身も変われたという講演会主催者の長尾優子(ながお ゆうこ)さんにお話を聞いてきました。
落水洋介さんについて
落水洋介さんは、1982年に福岡県北九州市で生まれました。
幼少期からサッカーをしており、小学生時代は元日本代表FW大久保嘉人選手とともに北九州市選抜チームでプレーを経験。
化粧品メーカーで営業・商品開発を経験しましたが、2013年に原発性側索硬化症(以下、「PLS」と記載)という100万人に1人の難病を発症しました。PLSは指定難病の一つで、少しずつ身体・手足・口が動かなくなっていき、やがて寝たきりになる病気です。
落水さんは、2021年に株式会社PLSを設立し、『誰もが生きやすくなる居場所づくり』を目指して全国で年に100回以上講演するなど精力的に活動しています。
今年(2024年)5月にも倉敷公民館で落水さんの講演会が開催されました。
落水洋介講演会「やってみたい!をカタチにするきっかけに」とは
2025年1月18日(土)倉敷市真備町にあるマービーふれあいセンター 竹ホールを会場に、落水さんの講演会が開催されます。演題は、「聞いて、感じて、動いてほしい 繋がりの輪が生まれ 未来が変わっていく やってみたい!をカタチにするきっかけに」。
実施概要は以下のとおりです。
講演では、前半に落水さんのスライドや資料のないマイク一本で語る講演、後半はゲスト五人と落水さんによる「人生」についての対談が予定されています。
講演会の発起人、長尾優子さんへインタビュー
落水洋介講演会の発起人は、落水さんと同じ車椅子ユーザーの長尾優子(ながお ゆうこ)さん。長尾さんに、落水さん講演会開催に至った経緯や講演会に向けた思いを聞きました。
──落水洋介講演会を企画したきっかけを教えてください。
長尾(敬称略)──
5月に倉敷公民館で落水さんが講演されたときに、私もイチ観客として講演を聞きました。スライド資料などなくマイク一本で語られる落水さんの語りに思わず引き込まれたんです。
そのときに落水さんが語っていた「前向きは技術!」「自分の心を満たす選択をしよう」といった言葉一つ一つがスーッと心に染みてきて。それじゃあ二年前に脊髄腫瘍(せきずいしゅよう)という大病を患った私は今何をしたいんだろうと考えた結果、『まなてぃの輪』という任意団体を立ち上げたんです。
『まなてぃの輪』は、ある企画に当選し、車椅子ユーザーとなり初めて親子でプールに入るという貴重な体験をしたことがきっかけで、活動をはじめました。今は、誰しもプールを楽しめる機会を提供したい、また誰でもが参加できるイベントや講演会をしたいという気持ちで活動しています。
この講演会は、『まなてぃの輪』として初めての対外イベントです。まずは、私の心を動かし、行動にまでつなげてくれた落水さんのことや落水さんの言葉を多くの人に届けたいと思い、今回の講演会を企画しました。
──長尾さんと落水さんには共通点があると聞きました。
長尾──
そうなんです。私と落水さんは同じ、病気をきっかけに車椅子生活になった中途障がい者です。それだけでなく、なんと生年月日まで一緒なんですよ。それから、お互いお酒が好きなところも同じです(笑)
──会場をマービーふれあいセンターの竹ホールにした理由を教えてください。
長尾──
今回の講演会は、マービーふれあいセンターで募集されていたあいであ(市民企画)公募事業の採択事業として開催します。
マービーふれあいセンターの竹ホールは、976名が収容できる大きなホールです。そのため、車椅子やベビーカーのまま会場に入れますし、周りの音や大勢の人が苦手なかたのために個室も完備されています。
落水さんも私も車椅子ユーザーなので、同じような仲間が来場することを想定して竹ホールを利用することにしました。
──障がい者手帳所持者や子連れの参加者への配慮が手厚いのですね。
長尾──
障がい者手帳の所持者とその同伴者一名を無料にしたのは、今回の講演会を外出のきっかけにしてほしいと思ったからです。
私自身が車椅子ユーザーになってみて、初めて足を運ぶ場に行くことへの不安を感じたり、外出にかかる経済的負担から外出を諦めてしまったりする障がい者がいると感じています。今回は車椅子ユーザーが大勢入れるようなフラットエリアや個室席も設けているので、障がいや特性のあるかたも参加しやすいと思います。参加費も障がい者手帳所持者は無料にすることで、経済的負担も少なくしたいと考えて参加料金を設定しました。
演者の落水さんが車椅子ユーザーなので、障がいのある当事者の参加者は多くなると予想しています。障がいのある当事者が直接顔を合わせる機会も少ないので、今回が交流の機会になったら良いですね。
また、私は車椅子ユーザーであるとともに子育てもしています。休日に行きたい講演会があると、子どもを連れて行くこともあります。私も講演会に子どもを連れて行った際に、途中でトイレに行きたがったり飽きてしまったりして子どもが途中退室したことがあります。途中退室すると、周りに迷惑をかけているのではないかと申し訳ない気持ちになるんですよね。
でも、親であっても興味のある講演会に参加できる機会の提供が必要だと思うんです。だから今回は、子育て世代にも来てもらいやすいように、ベビーカーのまま入れるフラットエリアや後方のドア付近の席を親子席として使えるようにしています。
それから、当日は会場に岡山のご当地ヒーロー「御伽戦記(おとぎせんき)モモセイバー」もやってきます。また、私が以前親子でプールに入る企画でお世話になったイオンファンタジーさんが、小学生以下のお子様にシールブックなどのプレゼント(講演会中に楽しめるもの)を提供してくれるので、こちらも来場のきっかけの一つになればうれしいです。
──今回の講演会を通して、参加者にどのようなことを感じてもらいたいですか。
長尾──
落水さんの話を聞いて私が前向きになれてやりたいことを形にできたように、参加者のみなさんにも同じような気持ちになってほしいです。
そういう意味では「すごい人の話を聞けて良かった」では終わってほしくないです。この講演会に参加してみて「自分が今一番やりたいことは何か」と考えて、何か一つ行動を起こしてくれたらいいなと思います。
障がいの有無や年齢に関係なく講演会の内容をより自分事として捉えてもらえるよう、講演会の後半には座談会を設けています。
この座談会は、11歳のお子さんをはじめとしたさまざまな年齢、性別の五名に登壇していただき、自身の夢や人生について語ってもらう予定です。いろいろな年代のかたに登壇してもらうことで、参加者がより講演会の話を自分事として捉えるきっかけになればと思います。
──最後に、読者へメッセージをお願いします。
長尾──
落水さんは北九州のかたですが、YouTubeやメディアにも出演していて面と向かわなくても彼の話を聞ける機会はあると思うんです。でも、生の落水さんに会いに来てもらって、そこで講演する彼の表情だったり、真剣な眼差しだったりを感じていただきたいです。
講演を聞いてすぐ行動に移すのは難しいと思いますが、ひとつでも心に残ったことがみなさんの明日とか将来がプラスになる働きかけができると思います。
だからこそ、ぜひ会場に足を運んで、実際に落水さんに会ってみてはいかがでしょうか。みなさんのご参加を心待ちにしています。
おわりに
私と長尾さんの出会いも、5月に倉敷公民館で開催された落水さんの講演会がきっかけです。
私には聴覚障がいが、長尾さんには肢体不自由がありそれぞれに身体障がい者手帳を所持していますが、障がいの種類が異なることもあり、日常生活では同じ身体障がい者手帳ユーザー同士顔を合わせることはあまりありません。
しかし、5月の講演会にはさまざまな障がい種の参加者がいて「倉敷にはこんなにも身体障がい者が集まるんだ」と驚きつつも交流したことを覚えています。
一方、参加者のほとんどは身体障がいのない健常者だったことも印象に残っています。障がいの有無にかかわらず、落水さんの話に感銘を受けて「自分のやりたいことはなにか」を真剣に考えた人も多かったことでしょう。
「やってみたい!をカタチにするきっかけに」は、2025年になってすぐに開催されるイベントです。2025年をどのような一年にしたいか考えるきっかけに、落水さんの講演会はいかがでしょうか。