安田大サーカス・団長安田さん発案の防災自転車とは?
石井正則(七代目自転車名人)と疋田智(自転車博士)がいろんな角度から自転車の魅力を発信するTBSラジオ番組今週の「ポイント オブ サイクルトーク」はこちら!
先週に引き続き、安田大サーカスの団長安田さんをお迎えしました。
団長は30年前に発生した阪神・淡路大震災で被災され、昨年には防災士の資格を取得。現在は講演会などでご自身の被災経験を交えながら、防災についての発信を積極的に行っています。今回も「自転車と防災」というテーマでお話を伺いました。
自転車愛好家でもあり、防災士でもある団長が今、思い描いているのは「防災自転車」を作るというプラン。その一つのアイデアが、「AED(自動体外式除細動器)を自転車に搭載する」というものです。心停止の方を見かけた際、AED設置場所まで取りに行き、通常であれば現場に自分の足で戻ることになりますが、自転車と一体化させることで、その分時間を短縮できます。一刻を争う緊急時には、こうしたスピードが命を救う鍵になりますね。さらに団長は、「10年間保存可能な飲料水をセットしておけば、熱中症対策としても役立つのでは」と話してくださいました。
「自転車と防災」といえば、疋田さんもさまざまな視点から発信されています。そのひとつが、以前にもご紹介した「津波の際には自転車で逃げよう」という提案。車での避難は渋滞のリスクが高く、徒歩では間に合わない可能性もあります。そんなとき、自転車はスピードと柔軟性の面で有効。実際に行ったコンピューターシミュレーションでも有効性が証明され、疋田さんはこの研究で博士号を取得されました。「車による避難がすべて悪いわけではありません。寝たきりの方や身体に障害のある方は車で避難する必要があります。だからこそ、自転車で避難できる人は自転車で。車のスペースを空ける意識も大切です」と疋田さんは強調します。皆さんも、いざというときに備えて「自転車での避難」を一度イメージしてみてはいかがでしょうか?
そして、1年前に団長にお越しいただいた際、「競輪が好きすぎてトランペットを習い始めた」というお話も印象的でしたね。あれから1年。しっかりとステップアップされているようです!
(TBSラジオ『ミラクル・サイクル・ライフ』より抜粋)