10年間で日本の水害被害額7兆2939億円 静岡県は全国8番目 最多は意外な県
■10年間の水害被害 静岡県は2971億円 福島県が7277億円で最多
ソニー損害保険が2022年まで10年間の水害被害を都道府県別にまとめた。全国で最も被害額が大きかったのは福島県で、静岡県は8番目となった。大雨による被害は増加傾向にあり、大手保険会社は今年度を目途に火災保険の値上げに踏み切るとみられる。
近年の日本では、大雨による被害が増えている。2020年に熊本を中心とした九州に記録的な雨をもたらした7月豪雨や、静岡県も被害を受けた2022年の台風14号、15号は記憶に新しい。
ソニー損害保険は国土交通省が公表しているデータをもとに、2013年から2022年までの都道府県別の水害被害額を集計した。国内全体の被害額は7兆2939億円で、そのうちの約半分を2018年と2019年の2年間で占めている。
全国で被害額が最多だったのは福島県で7277億円だった。2番目に多い広島県の4563億円を大きく上回っている。静岡県は2971億円で8番目となった。
【水害被害が多い都道府県】
①福島県 7277億円
②広島県 4563億円
③岡山県 4409億円
④熊本県 3964億円
⑤福岡県 3930億円
⑥栃木県 3304億円
⑦宮城県 3260億円
⑧静岡県 2971億円
⑨長野県 2860億円
⑩岩手県 2846億円
■水害被害は増加傾向 今年10月に火災保険値上げへ
福島県の被害額が膨らんだ要因は、2019年10月に日本に上陸した「令和元年東日本台風(台風19号)」。この台風で福島県は6798億円の被害が出た。福島県以外にも、関東甲信越地方や東北地方の多くの地点で観測史上最多の雨量を更新するなど記録的な大雨となった。全国142か所で堤防が決壊し、死者は462人に上ったという。
大雨による水害が増加傾向にあることから、大手保険会社は今年10月から住宅向けの火災保険を値上げする方向で調整している。値上げ幅は全国平均1割ほどになるとみられる。火災保険の値上げは2019年以降4回目となり、ここ5年間で約4割上昇することになる。
昨年の改定では契約者間の公平性を図る目的で、料金の等級が水災リスクに応じて5段階に分けられた。損害保険料率算出機構のウェブサイトでは、市区町村別の分類を検索できる。静岡県内の市区町は5段階で3番目の等級3が最も多く、静岡市葵区や藤枝市などは5段階で2番目に保険料が安い等級2、森町や吉田町などは最も高い等級5となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)