Yahoo! JAPAN

『007』ジェームズ・ボンドは「イギリス人男性のまま」とAmazonが指示、英報道 ─ ピアース・ブロスナンも「敬意をもって扱ってほしい」

THE

たとえAmazonの指揮下に入っても、シリーズの主人公がイギリス人男性であることは変わらない? 英がAmazon関係者の気になる情報を伝えた。

『007』シリーズのクリエイティブ・コントロールをAmazon MGM Studiosが獲得するとのは2月20日(米国時間)のこと。Amazon/MGMはシリーズのプロデューサーであるマイケル・G・ウィルソン&バーバラ・ブロッコリと合弁会社を設立し、ともに知的財産権を管理する計画。ウィルソン&ブロッコリは企画の前線を退き、今後はAmazon/MGMが創造面の判断を下すことになる。

発表直後から、映画界や『007』ファンの間では悲観的な反応が相次いだ。ウィルソン&ブロッコリが長年守ってきた『007』とジェームズ・ボンドのブランドが崩壊するのではないか、ボンドの設定が大幅に変更されるかもしれない、無計画なスピンオフが濫造されることになるのかも──。

もっともDaily Mailは、Amazon内部で「ジェームズ・ボンドのジェンダーや国籍を変更することはしない」とのメモが回っていると報じた。いわく、Amazonはボンドの精神を生かすことを重視しており、ボンドはイギリス人あるいはイギリス連邦出身の男性でなければならないと考えているとのこと。ジェフ・ベゾスCEOは『007』の大ファンで、このシリーズには“変えてはいけないこと”があると認識した上で今後に期待しているという。

なお、内部のメモで強調されたのは「イギリス人あるいはイギリス連邦出身の男性であるべき」ということのみ。有色人種が演じることの是非など、「議論すべきことはある」とも記されていたとされる。

A Photo by Jay Godwin https://www.flickr.com/photos/lbjlibrarynow/32630273973/in/album-72157678045354853/

ピアース・ブロスナン|Photo by Jay Godwin https://www.flickr.com/photos/lbjlibrarynow/32630273973/in/album-72157678045354853/

Amazonの権利獲得を受けて、「(Amazonが)尊厳と想像力、敬意をもって作品とキャラクターを扱ってくれることを願います」と語ったのは、5代目ジェームズ・ボンド俳優のピアース・ブロスナンだ。英にて、「(買収は)悲しみもあるけれど、いつか起きることだと思っていた」として、ウィルソン&ブロッコリは「正しい決断をした」と発言。「手放すのはとても勇気がいることだけれど、彼女たちにはまだ発言権があります」と語った。

「何が起きるかは誰にもわかりません。歴史は受け継がれるもので、私もボンドの歴史と遺産を引き継ぎ、バーバラ&マイケルと映画を作れたことを光栄に思っています。私たちが変化をもたらし、シリーズを蘇らせた。6年間眠っていたなか、『007 ゴールデンアイ』(1995)が成功を収め、(『007』は)どんどん勢いを増していったのです。すべては変化し、崩壊するものです。彼ら(Amazon)の健闘を祈っています。」

既報によると、Amazon/MGMとウィルソン&ブロッコリによる合弁会社は年内に契約完了予定。新ジェームズ・ボンド俳優の決定と新作映画の始動は早くとも2026年以降になるとみられる。

Source: ,

【関連記事】

おすすめの記事