初恋の妻を撮り続ける写真家・ハマダノブヒロさん【市川市】
放課後の屋上へと続く踊り場で、父親から買ってもらったカメラでシャッターを切るハマダさん。そこが高校1年の時に保健委員で一緒になり、好意を持ってくれた彼女と校内で話ができる場所でした。
同級生から妻となり母となった君へ
高校3年間で撮った写真は約3万枚。
卒業後、ハマダさんはカメラの道へ。
3年間の遠距離恋愛を経て、一緒に暮らしていたある日のこと、一冊のアルバムを手渡します。
15歳の時から10年間撮り続けてきた彼女の写真集でした。
同時にプロポーズ。驚きつつもうなずく彼女の姿もパシャリ。
今年で撮り続けて14年。
第1子も誕生し、さらにたくさんのシャッター音が響きます。
日常写真を撮り続ける理由
「自分が妻を撮ってきたように、他の人たちの日々も撮っていきたい」。
日常写真プロジェクトと称し、何でもない日常の家族写真を撮ることを提案しています。
「写真のハードルを下げていきたい。家が散らかっているから、メークしていないからといった理由で撮らないのはもったいない。僕の写真をきっかけに、誰かが自分たちの家族写真を撮り続けていってくれれば」と話します。
「子どもが癇癪を起こして何かを割っても、写真を撮れば事件じゃなくてイベント。感情の分散ができるし、思い出すきっかけになる」
ハマダさんは写真を通して伝えます。
「人生を物語に」
ハマダノブヒロさんに聞きました
―高校時代のお二人のことを教えてください
最初は「何で撮るの」と不思議がっていましたが、徐々に「勝手に撮ってれば」という感じに。
僕としては、教室では話せないけれど、写真を撮っている時は「かわいいね」とか自然と言えるので続けていました。
―撮り続けてきて変わったこと、変わらないことは?
初めの頃、妻の表情がこわばっていたけど、今は笑顔。
いつでも撮っているので写真の敷居が低くなっている。
あとは心の成長、技術的なことも良くなっているのかな。
変わらないのは笑い方。たまたま同じ構図やポーズが撮れたりするのも面白い。
―ブログのタイトル「妻と金木犀」の由来は?
図書室で会っていた時、奥さんの誕生花が「金木犀」で、花言葉が「初恋」と教えてくれました。
花束にして贈るのは難しい「金木犀」と、1パーセントも成就しない「初恋」とをかけて、写真集のタイトルを「金木犀の花束を」に。そこからきています。
―ハマダさんの写真に興味ある方へ
日々の写真は後から見返した時に思い出すきっかけをくれます。
もっと撮ってほしいし、撮らせてもらえればうれしいなと思います。
ハマダさんのブログ「妻と金木犀」/https://www.photog-hama.com/
Instagram/@photog_hiro