犬が吠えるのを止めさせたい時の5つのコツとは 理由を知ることが大事?飼い主ができる対処法を解説
犬が吠えるのを止めさせるコツ
犬が吠えるのを止めさせるためには、犬の気質や状況、環境に合わせた対応が必要です。
ここでは、すぐに吠え止ませたいときのちょっとしたコツから、根本的な解決方法まで詳しく解説します。
1.吠えている理由を考える
基本的に、犬が吠えることには何らかの理由があると考えましょう。
犬が吠えていると「無駄吠え」と言われることがよくありますが、犬の吠えは意思疎通の方法や体力の発散など、様々な理由があって見られる行動です。
犬が吠えている理由や意味を考えずに止めさせようとしても、なかなかうまくいかないことが多いでしょう。
犬が吠える理由には、警戒や攻撃だけでなく、不安や恐怖、ストレスなどのネガティブな感情から喜びや遊びの誘いなどポジティブな感情まで様々なものが考えられます。
また、病気による痛みや不快感、認知症、精神疾患などが原因となっていることもあります。
吠えの理由を理解することで、犬が吠える状況になることを回避できたり、数回の吠えで止めさせたりできるようになるので、まずはなぜ吠えているかを考えることが大切です。
2.無視する、反応しない
犬が吠えるようになってきたら、“吠え癖”をつけないような対応を意識してください。
犬が吠えたとき、「こら!うるさい!」などと大きな声で注意したり、「静かにしようね」と抱き上げてなだめたりする行動は、犬の吠え癖を強化してしまう可能性があるので注意しましょう。
犬がほかの犬や人に対して警戒心を持って吠えているとき、飼い主さんも一緒になって騒ぐと「飼い主さんも応援してくれてる!もっと吠えて相手を遠ざけよう」と考える犬は少なくありません。
また、不安や退屈を感じているときに吠えている犬に対して、大げさな反応を示すと「吠えるとかまってもらえた!」と喜びを感じて、吠える行動が増えてしまうこともあります。
特に、要求のために吠えているときは、反応を示すとそれがごほうびになってしまうので注意しなければなりません。
犬が吠えているとき、基本的には無視をしたり、静かに淡々と対応したりすることをおすすめします。
3.大きな音で驚かせる
犬が吠えているときにできるだけ早く止めさせたい場合、大きな音や聞きなれない音を鳴らして犬の気を引くという方法が効果的です。
特にガチャガチャとした金属音や「パン!」という破裂音は、犬が驚きやすい音なので吠えていてもびっくりして吠え止むことが多いでしょう。
ただし、これはあくまで一時的な対処法にすぎません。
くり返し行っていれば犬も慣れてしまい、効果がなくなりますし、根本的な解決にはならないので、あくまで緊急時などにだけ使用する方法と考えてください。
4.運動やコミュニケーションの時間を増やす
普段よりも愛犬がよく吠えるようになったと感じたときや、吠えている理由に思い当たることがないときは、犬の体力がありあまっていたりストレスが溜まっていたりすることが考えられます。
犬は体力やストレス発散のために吠えることもあるので、運動量やスキンシップの時間を増やすことで改善されることもあります。
単純に運動させるだけでなく、散歩のコースを変えたり飼い主さんとのおもちゃ遊びをしたりして精神的な満足感を与えることも効果的です。
5.社会性を身につけさせる
不安や恐怖を感じたとき、警戒心を持っているときなどに吠える犬は非常に多くいます。
そのため、犬の吠えをできるだけ減らすためには、犬に社会性を身につけさせて自信を持たせることがとても大切です。
犬は見知らぬ人や慣れていないものに警戒心を抱きやすいため、様々なものや人に触れ合い、あらゆる環境・状況に慣らしておくと、どのようなときも落ち着いて過ごせるようになります。
また、特定のものに対して吠えることがわかっている場合も、そのものを見たり触れたりする機会を増やして慣らすと吠えにくくなります。
吠えることを根本的に止めさせる、減らすためには、「犬の社会化」が重要なカギを握ります。
まとめ
犬にとって吠えることは、コミュニケーション方法のひとつであり、決して「悪いこと」ではありません。
しかし、人間社会で暮らすからには、静かにしなければならないシーンも少なくありません。そのため、犬の吠えをコントロールすることも、飼い主の大切な役割です。
ここで紹介した吠え止ませるための方法を参考にして、犬の気持ちに寄り添いながら無理なくトレーニングを続けてください。
(獣医師監修:寺脇寛子)