タカハ劇団、昭和初期の医学界を舞台にした会話劇『他者の国』が開幕 舞台写真&高羽彩のコメントが公開
2025年2月20日(木)本多劇場にて、高羽彩主宰タカハ劇団の第20回公演『他者の国』が開幕し、舞台写真とコメントが公開された。
本作は、大正デモクラシーから第二次世界大戦へと向かう時代である1936年の日本を舞台に、医師たちを通して当時の知識階級の倫理観に鋭く切り込む会話劇。
主人公の精神科医を演じるのは平埜生成。そして小西成弥、野添義弘、土屋佑壱、西尾友樹、本折最強さとし、近藤強が一筋縄ではいかない個性豊かな医師を演じる。さらに、看護婦には田中真弓と平井珠生、野添演じる典裕の妻に柿丸美智恵、刑務官に丸山港都、秘書役として脚本・演出の高羽彩自らも出演している。
劇団史上最大規模である本多劇場にしつらえた高低差のある舞台美術を利用し、登場人物の揺れ動く感情や他者との関係性を巧みに表現。優生思想という一見難解に思えるテーマを、説得力のある台詞の応酬とハイクオリティな俳優の演技、そしてじわじわと真実が明らかになっていく物語展開によって、観客を魅了するエンターテインメントへ作品と昇華させている。
2021年『美談殺人』より取り組んでいる視覚・聴覚に対応する鑑賞サポートは今回も継続。2公演を対象に舞台手話通訳のほか、字幕タブレットの貸し出しや音声ガイド、事前舞台説明会などを実施。本公演は2月23日(日)まで上演。
なお、タカハ劇団は今年で旗揚げ20周年を迎える。8月には座・高円寺 夏の劇場11 日本劇作家協会プログラム参加作品である『帰還の虹』の上演も決定している。
高羽彩 コメント
タカハ劇団『他者の国』が開幕いたしました! ありがたいことに、全ステージ完売となっております。これはタカハ劇団としては本当に前例のないことで……全方面に平身低頭、感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。あとはみなさまの期待に応えられるよう、1ステージ1ステージ誠心誠意向き合ってくだけです。面白い作品になっています。どうぞ、期待をいっぱい胸に抱いて劇場にお越しください。
また今回、観劇を諦めざるをえなかった方が多くいらっしゃることを鑑みまして、舞台映像配信を行うことにしました! 劇場の熱気が冷めぬうちになるべく早く、撮って出しに近い状態で皆様にお届けできるよう準備しております。お待ちください! また、高羽彩監修のディレクターズカット版舞台映像をDVDとして販売いたします。こちらはお届けするのが少し先になりますが、ご観劇の記念にぜひお求めくださいませ。
生きづらい世の中ですよね……。劇場という場所で、みんなで生きづらさを共有することができれば、生きづらいことに変わりはなくとも、少しだけ寂しくなくなるかもしれません。そうなったらいいなと思いながら、劇場でお待ちしています。