ニチレイロジグループ、持続可能な低温物流実現のための取り組み
1月6日放送の「L is B presents 現場DX研究所」（文化放送 毎週月曜日20：00～20：30）は、株式会社ニチレイロジグループ本社業務統括部部長の勝亦充氏をゲストに迎え、持続可能な低温物流実現のための取り組みについて詳しくお話いただいた。
松井佐祐里アナ（パーソナリティ）「まずは企業プロフィールを紹介致します。株式会社ニチレイロジグループ本社は、ニチレイより分社化し、2005年に設立しました。食品物流、特に低温物流を担い、国内1位・世界５位の冷凍設備能力を誇り、日本と世界の食を支えています。ニチレイの祖業の一つである低温物流事業者として、日本初の大型冷蔵倉庫などを通じて、高度成長期の豊かな食生活を支えた保管事業、冷凍食品・アイスクリームなどの共同配送サービス、通過型物流センター事業、一企業の枠を越えて物流全体の最適に挑み続けてきた3PL事業などを行っています。近年では、海外事業への積極的な投資などにより、食品分野における低温度帯を中心としたグローバルな物流サービスの提供に力を注いでいます」
L is B代表・横井太輔氏（パーソナリティ）「勝亦さんが今、取り組んでるお仕事を教えてください」
株式会社ニチレイロジグループ本社業務統括部部長・勝亦充氏「私の所属している業務統括部が大きく三つのチームにわかれている関係で役割としては三つあります。一つ目が、ニチレイロジグループ全体の業務革新の推進や情報システムの活用や高度化、いわゆるDXやITをリードしていくことです。二つ目は全国の物流センターにおける作業の安全や作業品質をしっかりと確保していくための施策を進めていくこと、三つ目が物流センターの設備や環境周りの施策をして持続可能性を高めていくことをやっております」
松井「力を入れている取り組みは何ですか？」
勝亦「輸配送システム“SULS（サルス）”をはじめとした持続可能な低温物流実現のための取り組みです」
横井「“SULS（サルス）”について、詳しく教えてください」
勝亦「SULSは切り離しが可能なトラックトレーラーを自社で所有しており、配送システムを進化させた独自の取り組みです。一般的に冷凍冷蔵倉庫での荷物の積み下ろしは、トラックドライバーさんが1ケースずつ手作業でその作業を行うことが多く、運転以外の作業に負担と時間がかかってました。これに対してSULSでは、トレーラーの箱を事前に準備して、積み下ろし作業を当社の拠点で事前に行っておきます。その結果、ドライバーは運転業務に集中することができ、トータルの運行可能時間が2024年問題で短縮したとしても、これまでの取り扱い量をキープすることができます。これを生産性の向上に資する仕組みというふうに考えています。現在は路線エリアの拡大であったり、トレーラー本数の拡充ということを行っています。もう少し、補足すると従来はトレーラーとそれを牽引するヘッドの部分（トラクター）は運送会社さんがそれぞれ持っていますので一対一の関係でした。しかし、トレーラー部分を弊社の方で所有し、他の運送会社さんのトラクターでも牽引できるということで柔軟な運用ができるようにしています」
横井「よく積み下ろしの時間が長くなることで、ドライバーの労働時間が長くなることが問題になってますけど、そこをSULSが解決するということですね」
勝亦「解決の手段がいくつかあるうちの一つがSULSであると考えております」
横井「利用者の声はいかがですか？」
勝亦「製造業や小売り業のお客様から、“輸送量の増大に繋がった”と言う声や“大都市圏への安定的な商品供給のルートがしっかりと確保できた”という声、トレーラーを使うことによって、40tトラックに比べると台数削減できますので、“環境への負荷削減に繋がる”という声をいただいております」
松井「かなり良い効果が生まれているということですね」
勝亦「まだまだ機能を拡充している段階ではあるのですが、現時点で、運べなくなるリスクが解消するというお客様の安心感、これが一番の効果だなと感じております」
