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小3の新学期、再び始まった登校渋り。原因は特別支援学級の環境?特性?母が相談したのは

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小3の新学期、再び始まった登校渋り。原因は特別支援学級の環境?特性?母が相談したのは

監修:室伏佑香

東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程

3年生に進級。特別支援学級の担任が変わり、クラスが落ち着かなくなってきて……

2年生の3学期に転校をした娘。転校前は、学校を4時間目で早退したり、苦手な給食をお弁当に変更するなどしながら、何とか学校に通っている状態でした。しかし転校した小学校では、特別支援学級の担任の先生も理解があり、最終的には学校で丸一日過ごせるようになり、拒否していた給食もみんなと一緒に食べることができるまでになっていました。そして3年生。娘はどんな先生が担任なのかとドキドキしながら登校して行きました。新しく担任になった先生は50代くらいの優しそうな先生でした。クラスメイトは3年生と5年生。前の年と同じ顔ぶれで、娘はうれしそうでした。私も少し心配していましたが、娘の様子にほっとしていました。

娘の学校生活ははじめこそスムーズでした。娘と担任の先生はなかなか相性も良かったのです。ただ、クラス内には担任が代わり少し荒れている子がいたようでした。特に娘の学年の子は、1、2年生の間は特別支援教育に詳しいベテラン教師が2年連続で担任を受け持っていたこともあり、より落ち着かない印象を受けました(娘の話と、私が送り迎えの際に見たクラスの様子からの印象です)。そんな中、新学年になり娘にもうひとつ変化がありました。2年生の時にはあまり交流のなかった通常学級の授業にしっかり参加するようになったことです。通常学級の担任の先生は柔和な雰囲気で、クラスメイトも優しい子が多かったので、娘は昼休みに通常学級のクラスに1人で遊びに行くようになりました。すると、この頃から娘は、特別支援学級のクラスメイトのXくんに執着されるようになっていったのです。

友だち関係でトラブル発生!先生に相談しようと思ったら……!?

Xくんは娘が昼休みに通常学級へ行くことを嫌がり、「ずっと鬼ごっこだけで遊ぼう」と言ってきたり、下校の時も娘がほかの子と帰る約束をしているからと断っても、横について離れませんでした。また下校時は、私が娘を迎えに来ていても構わず、自分の下校ルートで帰ろうと毎日言ってきました。学校のルールで決まったルートで帰らないといけないから……と伝えても、「なんで?」と理解してもらえませんでした。

そして授業中も大きな声で叫んだり(2年生の時はそんなことはなかった)、特別支援学級のクラスメイトでトランプをすると怒って泣いたりなどトラブルが続いていました。そんなことが続き、娘はだんだんXくんが苦手になっていきました。

私もこのような状況について、特別支援学級の担任の先生に相談したかったのですが、なんと先生がゴールデンウィーク明けに体調を崩してしまい長期休暇をとることに……。担任の先生がいないので、授業は自習の時間が増え、いろんな先生がかわるがわる授業を担当し……どんどんクラスが落ち着かなくなっていきました。娘は6月まではなんとか通っていましたが、7月には早退や遅刻をしながら通うようになりました。

行き渋りは環境のせい?それとも娘自身の特性ゆえ?かかりつけ医に相談すると

娘の状況について学校の先生に相談することができなかった私は、娘が通院している発達心理のかかりつけの先生に相談してみることにしました。今、娘は学校に行くことがつらい様子だけれど、それが学校の環境のせいなのか、それとも娘自身の特性に起因するものなのかが分からなかったからです。娘は、転校前の学校でも学校に通えなくなった時期がありましたが、それは担任の先生への不信感が引き金になったところがありました。娘は、嫌な記憶をひきずりがちで、また同じことが起こるのではないか?と、過度に不安になるところがあります。そのような特性がある限り、これから先も対人関係で苦しみ続けることになるかもしれない……という思いがあったのです。

病院で相談してみると、主治医の先生は「3年生になったし、久しぶりに発達検査をしてみましょうか」と提案してくれました。結果を見て必要なら投薬も検討しましょう、ということになりました。そうしてバタバタと慌ただしくしているうちに、担任の先生も復帰しないまま、3年生の1学期が終わったのでした。夏休みが明けると、娘にとっての鬼門「運動会」の練習が始まります。このままだと、また転校前と同じように、学校に行けなくなるのではないか……という不安が、私の胸の中に渦巻いていました。

執筆/マミヤ

(監修:室伏先生より)
進級による環境変化に加えて、担任の先生の長期休暇と、マミヤさんもしぇーちゃんも苦しい時間を過ごされましたね。担任の先生が、それぞれのお子さんの特性や、得意なこと、苦手なことを理解するまでには、やはり時間がかかることもあるでしょうし、特別支援学級には環境の変化を苦手とするお子さんも多いでしょうから、担任の先生の変更というのは、試練の一つになってしまいますよね(環境の変化を経験していくという意味においては大事なことではありますが……)。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんが、学校での出来事、嫌なことについて、ご家族に話して理解をしてもらうということが、簡単ではないこともしばしばあります。自分の気持ちを言葉で表現することが苦手であったり、細かな状況判断が苦手なこともあるためです。しぇーちゃんの気持ちの理解に繋がったのは、マミヤさんの観察力や、しぇーちゃんとマミヤさんの間のコミュニケーションの賜物だと思います。とても素晴らしいことです。しぇーちゃんが充実した学校生活を送れることを、私もお祈りしております。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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