小池邸を訪ねる
2024年8月18日放送の「静岡市歴史めぐりまち噺し」。今日は、小池邸を訪れます。
語り:春風亭昇太
江戸時代、領主と村人たちとをつなぐ重要な役割を果たしていたのが、「名主」でした。
東日本の多くの地域では「名主」と呼ばれていましたが、西日本には「庄屋」と呼んでいた地域が多かったようです。
由比宿と興津宿の間にある寺尾村で、長年、この名主を務めたのが小池家でした。
現在の清水区由比、百年前の美しさを残す石垣の上に明治時代に建てられた小池家の母屋が今も残ります。
低い軒の瓦葺き、正面のくぐり戸のついた戸や、格子、なまこ壁など、当時のこの地域の民家の面影をこの建物に見ることができます。
国の登録有形文化財となっている小池邸。玄関を入ると、叩き土間の先に、
田の字の間取りになった四つの六畳間が続き、大黒柱に支えられた伝統的な民家の造りを見ることができます。
名主には年貢の取り立てや、戸籍管理など、村を取りまとめる仕事が任され、そのために「読み書き」や「そろばん」ができなければなりませんでした。
名主はその職務の代わりに、年貢を免除されたり、年貢として集めた米を給料としてもらったりしていたようです。
また、村人が着ることを許されなかった絹の着物を着ることも許されていました。
現在、公開されている小池邸には甲州武田家に仕えた頃の高札や検地帳、古文書など、貴重な資料が展示されています。
静岡市歴史めぐりまち噺し、今日のお噺しはこれにて。 <!-- tag:東海道/area:静岡市清水区 -->