猫が『脱走』してしまったら…初動ですべき3つのこと 猫はそんなに遠くにはいかないって本当?
1.まずは自宅周辺を探しましょう
いくら大切に飼われていても、好奇心などから猫は衝動的に脱走します。ドアの隙間や半開きになった網戸、あるいは、ベランダなど、脱走する経路やタイミングはさまざまです。
愛猫が脱走してしまうと、もう二度と会えないかもしれない、という不安に駆られ、途方に暮れるはずです。ただ、取り乱してばかりいても、問題は解決しません。大事なのは、飼い主さん自身がまずは冷静になることです。
飼い主さんに覚えて欲しいのは、犬と違って、猫は行動範囲が狭く、逃げ出しても自宅周辺に留まっていることが多い、ということです。
もともと完全室内猫の場合では、せいぜい半径100m程度で、外猫経験のある子でも半径約500m圏内に限られています。
野生時代からの習性で、猫は安全に身を隠せる狭い場所を好みます。最初に、車の下や軒下、隣家との塀の間、周辺の側溝、植え込み、さらに、念のため、高い木の上もチェックしてみてください。ポイントは、猫の立場になって探すことです。
同時に、自宅の敷地内に愛猫のお気に入りのフードや普段使っている猫砂、猫ベッドなどを置いてみるのも、ひとつの手です。匂いを手掛かりに戻ってくる可能性があります。
脱走中の愛猫は、普段よりも神経質になっていて、わずかな刺激にも過剰反応しがちです。たとえ無事に発見できても、飼い主さんが派手に動いたり、大声で叫んだりすると、驚いて逃げてしまいます。
発見時ほど冷静になって、穏やかな調子で呼びかけ、愛猫の様子を慎重に見極めるようにしましょう。
2.警察や動物愛護センター、動物病院などへの問い合わせ
自宅周辺で見つからなかったとしても、道行く人が偶然にも愛猫を見つけ、関係各所に預けたり、連絡しているケースもあります。
問い合わせ先として押さえておきたいのは、最寄りの交番、警察署をはじめ、保健所、動物愛護センター、動物病院などです。たとえば、交番に届け出を済ませておくと、のちのち保護の知らせや何らかの情報が返ってくることもあります。
また、かかりつけの動物病院の力を借りるのも良いでしょう。中には、迷い猫のチラシを作ったり、他の飼い主さんたちに愛猫の迷子を周知してくれたり、いろいろと助けてくれるところもあります。実際に協力してくれるかどうか、確認してみてください。
万が一に備えて、日頃の脱走対策を講じるのはもちろん、マイクロチップの装着も検討しておきたい選択肢です。
動物愛護法改正により、2022年6月1日以降、ブリーダーおよびペットショップから迎え入れる猫(犬)については、マイクロチップ装着が義務化されています。それ以外の方は、努力義務です。
マイクロチップのメリットは、猫(犬)の身元が明確なことです。脱走や地震などの災害時に愛猫がいなくなっても、誰かに保護された場合、飼い主さんと再会できる可能性が高くなります。
3.チラシ&SNSの活用、ペット探偵に依頼
近所内のチラシ配布やポスター貼りつけ、さらにSNSなどのサイト上での情報収集もまた、重要な対策のひとつです。その際には、愛猫の特徴がわかりやすい全身画像、脱走日時や詳しい現場状況の記載が、早期発見の鍵を握ります。
迷い猫専門の掲示板など、SNSを利用する場合は、不要なトラブルを避けるためにも、個人情報の流出だけには十分に留意してください。
さまざな方法を試してみても、やはり、見つからなかった場合は、ペット探偵に捜索をお願いする方法もあります。
猫の習性に詳しく、赤外線カメラやファイバースコープ、猫専用捕獲機など、スペシャリストならではのツールを駆使して、日中は何かと忙しい飼い主さんの代わりに探してくれます。
ペット探偵ごとに料金体系は変わりますが、費用相場は一般的に1日あたり約2~5万円です。
普段からドアの開け閉めに気をつけ、玄関内には脱走防止用の柵を設けるなど、脱走させない日常的な対策が不可欠です。
まとめ
愛猫の脱走は、飼い主さんに精神的なダメージを与えます。仕事も手につかず、食欲もなくなってしまうくらいです。今回の記事では、脱走時の初動対策として、「自宅まわりを探す」、「警察や動物愛護センター、動物病院などへ届け出」さらに「チラシやSNS、ペット探偵の活用」、3つを紹介しました。
大切な愛猫のいない状況は、飼い主さんにとって非常につらいはずです。まずは、なるべく落ち着いて、できることから取り組んでいきましょう。