中央LC 将来社会で役立つ経験を 児童養護施設の子ら招待
児童養護施設の子どもたちが社会保険の知識やテーブルマナーなどを学ぶセミナーが2月23日、八日町の八王子エルシィで開かれた。社会に出た時に役立つ知識を身に着けてもらおうと奉仕団体の東京八王子中央ライオンズクラブ(谷合ひろよ会長、以降=中央LC)が企画し、裏高尾町の児童養護施設エス・オー・エスこどもの村で暮らす中学生と高校生から6人が参加した。
こどもの村は、さまざまな事情で家族と暮らせなくなってしまった2歳から18歳までの子どもたちを預かり養育している。これまでLCからクリスマスにケーキが贈られるなどの交流はあったが、セミナーの実施は初めて。中央LCでは今年度、クラブ内に青少年育成委員会(飯村芳樹委員長)を新設して地域の子どもたちへの支援活動に力を入れており、セミナーはその一環で企画された。研修内容は施設側からの要望を聞き取り、職員が子どもらに伝えきれていない内容(ネットリテラシー、社会保険と身元保証、テーブルマナー)を盛り込んだ。
人生の糧に
講師は中央LCで、それぞれのテーマに造詣の深い会員が務めた。企業コンサルタントが本業の飯村委員長は「自分の身を守るためにもルールを決めるなど、上手にネットと付き合って」とネット利用の注意点を語り、保険のしくみや保証人の注意点について説明した社会保険労務士の赤澤将さんは「今の延長線上に未来がある。今を頑張って」とエールを送った。エルシィの嶋田徳彦さんはコース料理のテーブルマナーを解説。「マナーの基本は、同席した人への気づかい。その上でこの空間と食事を楽しんで」と肩の力を抜くように呼びかけた。参加した子どもたちは慣れない作法にとまどいながらも終始、笑顔で料理に舌鼓を打った。また今春に施設を卒園し就職する高校生へ、中央LCから通勤用の自転車が贈られた。高校生は「これから大切に使いたいと思います」と頭を下げた。
セミナー後、こどもの村の職員は「進学や就職などで社会と向き合う時、今日の経験がきっと役に立つ」と感謝を述べ、谷合会長は「こうした経験の積み重ねが自信につながり、子どもたちの人生の糧の一つになれば」と思いを語った。