築150年の土蔵がカフェに。まったり空間で味わうパティシエのかき氷【旬菓処・菓 KONOMI】
古民家や蔵など、古い建物の重厚感や落ち着きに独特のよさを感じる人も多いでしょう。積み重なった時間や伝統的な技術など、新しい建物にはない味や趣きがあって、不思議と時の流れもゆったりと感じられます。
そんな古い建物のよさを残しつつ、飲食にふさわしい清潔感や洗練性でリノベーションされたレストランやカフェで味わう食事やスイーツは格別のものがあります。
今回紹介する「旬菓処・菓(しゅんかどころ・このみ)」も、そんな落ち着ける店のひとつです。
築150年の土蔵が小さなカフェに
富山市南郊の土蔵をリノベーションした落ち着く空間
店があるのは富山市西荒屋。富山空港から北に約1km、住宅展示場や畑が広がるのどかな場所です。
築150年という土蔵をリノベーションした店内は、周りの喧騒を寄せ付けないような厳かさと静謐さ。
落ち着いた空間には、2人掛けのテーブル席が2つ、窓際の4人掛けテーブルが1つだけで、ひっそりとコンパクトな空間です。
手作りケーキやタルトのデザートカフェ
店主は、ホテルやパティスリーで腕を磨いたというパティシエです。しばらく店舗を持たずに、作ったタルト生地やクリーム、あめ細工などをカフェや喫茶店に卸していましたが、「空いた時間を活用できないか」と考えるようになったそう。
「テーブル席があればお客さんにお菓子を食べてもらえるかな」と、古い土蔵を改築して始めたのが旬菓処・菓です。
というわけで、普段は店主手作りのケーキやタルトを販売しています。
おしゃべりを楽しみながらでも、ひとりでのんびりとでも。ゆったりした時間とおいしいデザートを楽しむことができるカフェです。
夏は かき氷の専門店に!
そんな旬菓処・菓ですが、夏はかき氷の専門店になるんです。
かき氷の提供を始めたのは、コロナ禍。当時は夏祭りが軒並み中止になるなか、「子供たちに楽しみを…」と思って始めたそうですが、パティシエが作るスイーツのようなかき氷はあっという間に人気となり、今では夏の店内席は予約制となるほどです。
使うのは不純物がほぼ含まれていないという「純氷」。
金沢で100年以上の歴史がある老舗の氷店がじっくり時間をかけてつくる、透明度の高い氷です。雑味がなく、溶けにくいのが特徴なんだとか。
まるでレアチーズケーキ…かき氷の概念を変える新感覚の氷スイーツ
ブルーベリーとはちみつレモンとクリームチーズ 1500円
生のフルーツや手間暇かけたソースをトッピングしたゴージャス系かき氷が人気になって久しいですが、旬菓処・菓のかき氷もパティシエが手掛けるだけあってしっかりスイーツとしての食べごたえと贅沢さを兼ね備えています。
削り加減は、フワフワでありながら、形を保てるようにほどよくシャリッと感が残るように。そこにクリームチーズのソースをたっぷりとかけ、生クリーム、自家製ブルーベリーソース、大粒のブルーベリーとはちみつ漬けのレモンをトッピング。
ブルーベリーは呉羽産の無農薬のものを使用。びっくりするくらい大粒なのに、実がギュッとしまっていて、とっても甘いのが特徴です。
クリームチーズのソースは濃厚。かと思いきや、後味はさっぱりとしています。
器の底にはレモンはちみつシロップも入っていて、さわやかな風味を楽しむことができます。
チーズの濃厚なコクとブルーベリーやレモンのフレッシュな甘酸っぱさは、まるでレアチーズケーキのような濃密で奥行きのある味わい…なのに口当たりはふわりと軽く、あっという間にペロッと食べられます。
「かき氷に1000円以上出すのはちょっと…」なんて思う人もいるかもしれませんが、ケーキやパフェのようなスイーツを思い浮かべてみてください。
味はもちろんのこと、氷の絶妙な食感、そしてソースやトッピングで「こんなにも立派なスイーツになるんだ!」という驚きの体験をきっと味わえます。
夏季は店内席は予約制――テイクアウトもOK
かき氷は6月から9月中旬ごろまでの期間限定。
夏季の間は、店内席が予約制となっているので、店のWEBサイトをご確認ください。
(仕入れ状況等によって提供できるものが変わるので、メニューの予約はできないそうです)
店の外のテラス席やテイクアウトは予約ナシでもOKです。
記事編集:nan-nan編集部
【旬菓処・菓(KONOMI)】
住所 富山県富山市西荒屋657
営業時間 8月(夏季営業)
木曜 13:00〜16:30
土・日曜 12:00〜16:30
※営業時間は季節によって異なるのでHPをご確認ください