手作り点心と中国茶でゆったりとした午後を。「點心菜 茶號」の飲茶セット|広島市中区
広島電鉄「胡町」電停で路面電車を降り、北側の路地へ入ると見えてくる幟町公園。
このそばに立つビルの1階にある「點心菜 茶號(てんしんさい ちゃごう)」は、2024年5月にオープンした手作り点心のお店です。
小籠包や焼売などの王道メニューから、ココナッツ団子や台湾のローカルスイーツ「湯圓(タンユェン)」などの甘味まで。
豊かな香りの中国茶と一緒に味わいたい、ランチやスイーツが提供されています。
お店を営むのは、清原和博さんと妻の泉さん。
清原さんは東京や京都の中国料理店で約6年修業し、県内の調理師専門学校でも約10年中国料理を教えたのち、お店をオープンしました。
「麻婆豆腐や担々麺などが人気の中華は、辛いというイメージがありますよね。でも、点心は“やさしい中華”。広島にはまだ点心のお店が少ないと感じるので、このおいしさを知ってもらいたいと思っています」と清原さんは話します。
店内には、3席のカウンター席と4卓のテーブルがあります。
6人でも座れる広さのテーブル席は一部を扉で仕切ることができ、個室のようなおこもり感が魅力。
ゆったりとした雰囲気で食事を楽しむことができますよ。
4種類の蒸し点心と選べるメイン「飲茶セット」
ランチタイムの看板メニューは「飲茶セット」(1650円)。
さっぱりとした2種類の前菜と、4種類の蒸し点心、大根餅、水餃子、蓮の葉ちまきに、ハーフサイズの選べるメインがセットになっています。
「あれもこれも味わいたい!」という気持ちを満たしてくれる、初めての来店時にもおすすめのメニューです。
せいろの中に並ぶ蒸し点心は、エビ蒸し餃子と小籠包、五目焼売、季節の焼売。
ほかほかと湯気を立てながらテーブルに運ばれてくる様子に、食欲がそそられます!
口の中でじゅわっと広がる小籠包の熱々スープや、五目焼売の肉の食感、エビ蒸し焼売の生地の透け具合……。
それぞれの個性を味わいながら、ゆっくりといただきましょう。
点心の豚肉には、旨味やコクが強い広島県産の「瀬戸内六穀豚」を使用しています。
清原さんは「広島県産の豚を使いたいと思っていろいろと食べ比べたのですが、これが一番おいしいなと。小籠包はミンチですが、五目焼売には肩ロースのブロックをお店で刻んで使っています。仕込みは大変で何時間もかかるのですが、既製品は使わずに生地をきちんと練って、肉の食感を残しながら一つひとつ手作りすることがうちのおいしさの秘訣です」と話します。
選べるメインは、海老ワンタン麺、週替わりの麺メニュー、中華粥の3種類。
ハーフサイズで提供されますが、通常サイズへの変更(+150円)も可能です。
取材時は海老ワンタン麺をチョイス。
さっぱりとしたおいしさは「普通サイズでも食べられたかも……!」と思うほど!
ほどよい塩味の鶏と豚のスープが、ワンタンの中に入れられたエビの甘味やぷりぷり食感を引き立てます。
大根餅やちまきもあるのでボリュームたっぷりに感じますが、食感や味わいの違いを楽しみながらあっという間に完食!
セットメニューを注文すると、ふわふわの生地で自家製チャーシューを包んだ「チャーシューまん」(190円)や、かわいらしい「ミニ豚まん」(200円)などを1個から追加することもできます。
ティータイムにも点心を!パワーアップした「茶號パフェ」
「點心菜 茶號」では、14時以降のティータイムにも点心を楽しむことができます。
中でも注目なのが、数量限定の「茶號パフェ」!
これまでは季節のフルーツが主役でしたが、2025年3月に内容を一新。
うさぎの形のココナッツ団子やクルミの飴がけ、杏仁豆腐などを取り入れ、「点心」をより味わえるパフェへとパワーアップしました。
抹茶パウダーと生クリームの下にそっとスプーンを差し込むと、最初に出てくるのは出来たての台湾カステラ。
軽い食感や卵のやさしい香りに、すいすいとスプーンが進みます。
その下に続くのは、ミニ白玉やライチ紅茶ゼリー。
甘い点心でよく使われるという白きくらげの、コリコリとした食感のアクセントも効いています。
そして、点心やスイーツと一緒にぜひ楽しみたいのが中国茶。
点心やランチ、ティータイムメニューと一緒に注文する場合は、単品よりもお得な料金で追加が可能です。
ラインアップは、中国でよく飲まれる有名な緑茶の一つ「龍井茶」(+600円)や、ジャスミンの豊かな香りが広がる「茉莉花茶」(+450円)など7種類。
どれにしようか迷ったときには、気軽におすすめを聞いてみてくださいね。
取材時は、清原さんのおすすめ「白牡丹」(+550円)を注文。
茶葉の水分を蒸発させて、乾燥させるのみというシンプルな方法で作られる白茶の一種で、体の熱を冷ます作用があると言われています。
口に含むと、ふわりと広がる桜餅のような香りと甘み。
お湯のおかわりが可能なので、二煎目、三煎目と味や香りの変化を楽しむことができます。
一人でも、友達とでも、ゆっくりと過ごしたいティータイムにぴったり。
ランダムに用意される手のひらサイズの茶器にも、ぜひ注目してみてください。
「これからはティータイムのメニューをもっと充実させていきたい」と話す清原さん。
2025年4月中旬からは、新メニューの「甜点心セット」が登場しています。
大きなせいろの中に、小さなせいろに入った台湾カステラ、杏仁豆腐、紹興酒が香るカヌレ、クッキー生地のエッグタルトをイン。
こちらもパフェと同様、14時以降限定、数量限定のメニューです。
最後にこれからの展望を尋ねると「やっぱり広島の人に点心とお茶のおいしさを知ってもらいたい。でも、まずはうちの手作り点心を食べてもらえるだけでうれしいです」と清原さん。
「点心」は中国料理の軽食や間食を指し、もともとお茶と一緒に楽しむ文化があるもの。
熱々の点心やさっぱりとしたスイーツは、香りのよい中国茶と一緒になると、ますますおいしさが引き立ちます。
清原さん(左)と妻の泉さん(右)。
いつもより少しゆっくりと過ごしたい、ランチタイムやティータイムに。
「點心菜 茶號」の手づくり点心やスイーツ、中国茶をぜひ味わってみてくださいね!
點心菜 茶號 基本情報
住所広島市中区幟町12-5営業時間11:00~17:00 (ラストオーダー16:30)
※点心のテイクアウト、オードブル予約可能
※2営業日前までの予約でディナー利用も可能(18:00〜21:30、コースのみ)定休日日曜日、不定休交通アクセス広島電鉄「胡町」電停から徒歩3分駐車場なし ※近くにコインパーキングありSNSInstagram:@tenshinsai_chagou
ライター/時盛 郁子
※紹介している内容は2025年3月取材時点のものです。公開後内容が変更している可能性があります。
※掲載している金額はすべて税込みです。