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5人に1人は退職の引き継ぎせず、後任は残業増加で「燃え尽き」に パーソル総研調査

月刊総務オンライン

5人に1人は退職の引き継ぎせず、後任は残業増加で「燃え尽き」に パーソル総研調査

パーソル総合研究所(東京都港区)は11月27日、「オフボーディング(欠員発生時の組織的取組)に関する定量調査」の結果を公表、5人に1人が退職や中長期休みの前に引き継ぎを行っていないことがわかった。

また、欠員が発生すると後任と上司の残業時間が長くなり、「バーンアウト(燃え尽き)」傾向が高くなる傾向があることが判明した。

「引き継ぎは説明だけ」、フィードバックまで実施する前任は半数以下に

退職や中長期休みの取得の際に、業務の引き継ぎを行わなかった前任は22.4%、業務の引き継ぎを行ってから退職や中長期休みを取っている前任は77.6%だった。

また、退職や中長期休みで欠員発生のあったチームでは、後任と上司に共通して、残業時間が長く、バーンアウトする傾向が高くなったほか、後任の退職意向も高くなった。

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前任による業務の引き継ぎ方法は、「業務内容の説明を行った」(75.2%)、「わからないことを聞いて、解説した」(66.4%)、「マニュアルや業務内容の資料を渡した」(64.1%)などの説明が中心で、「一緒に業務を行った」(65.3%)なども高い傾向にあった。

一方で、「実際に行ってもらった業務について、改善すべきところを伝えた」(49.0%)、「実際に行ってもらった業務について、良かったところを伝えた」(46.5%)といった業務に対するフィードバックの実施は半数に届かなかった。

欠員発生時の上司の指示、「育成志向」でメンバーの積極性、責任感が向上

欠員が発生した場合の対応について、業務の割り振りについて指示をしていない上司は22.4%で、5人に1人は指示を出していないことがわかった。

業務の割り振り指示を行った際に、上司が「重視したこと」を「成長期待」「均等割」「横滑り」「優秀者優先」「閑職者優先」「育児・介護の配慮」と6タイプに分類したところ、似たような人が引き継ぐように指示をする「横滑り」が48.3%で最も多かった。

次いで部下の業務量が均等になるように割り振る「均等割」(41.5%)、仕事ができる部下に業務を多めに割り振る「優秀者優先」(22.7%)、仕事量の少ない部下に業務を多めに割り振る「閑職者優先」(19.6%)、成長を期待する部下に割り振る「成長期待」(18.4%)の順となった。事情のある部下の業務を少なめにする「育児・介護の考慮」は15.0%だった。

欠員発生時の業務の割り振り指示の6タイプを、「育成志向」「平等志向」「傾斜配分志向」の3つの志向にまとめて特徴を見たところ、成長を期待する部下に業務を多めに割り振る「育成志向」は問題が発生しにくく、チームメンバーの積極性や責任感が向上しやすいものの、上司による「業務の巻き取り」がやや発生しやすかった。

上司の割り振り志向ごとの特徴

部下の業務量が均等になるように割り振る「平等志向」は、問題や上司による業務の巻き取りが発生しにくいが、部下の積極性や責任感が向上しにくい傾向があった。

空気を読むことが求められる職場、引き継ぎ時間の確保が難しく

また、業務を引き継ぐ時間を確保しにくいチームには、空気を読むことが求められ、暗黙のルールが重視される「ハイコンテクスト文化」、「トップダウン志向」、「日常的に休みが取りにくい」という特徴があった。

調査は2月16日から20日にかけて全国の20歳から59歳で、勤務先従業員規模10人以上の男女を対象に、半年以内に退職、3か月以上の中長期休みを取得した前任、半年以内に同僚が退職、3か月以上の中長期休みを取得し、業務を引き継いだ後任、半年以内に部下が退職、3か月以上の中長期休みを取得した上司の計1350人を対象に実施した。

同社は「企業は、労働力不足が深刻化するなか、退職の連鎖を招かないためにも、欠員発生時の対応を強化すべきだろう」とコメントしている。

パーソル総研の発表の詳細は同社の公式ホームページで確認できる。

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