手話サークルあじさいの会 今年で創立40周年 「魅力ある言葉」学び伝える
港北区手話サークルあじさいの会(高橋章会長)は今年、創立40周年を迎えた。ろう者、難聴者、聴者が所属しており、手話の勉強会などを行うサークル。40周年記念行事として、今秋に手話の講演会を予定している。
始まりは1984年1月。当時は区内に昼間の手話サークルはあったが夜間がなく、講習会を受けたメンバーが夜間手話サークルを立ち上げた。梅雨の時季にサークル名を決めたことから「港北区手話サークルあじさいの会」に。創立40周年の節目を迎え、高橋会長は「歴史の重みを感じる」と振り返る。
現在のメンバーは41人。「意見を伝え合い、歩み寄りとチャレンジ精神を忘れないこと」が特徴だ。周囲に聴覚障害者がいることがきっかけの人もいれば、テレビニュースの手話通訳、聴覚障害者を主人公にしたドラマや映画、また、手話でSNSを発信する人も増えたことが影響して、学び始める人も多いという。
メインの活動は勉強会や食事会、娯楽を楽しむ交流会。港北区福祉保健活動拠点多目的研修室や綱島地区センターで毎週金曜日に活動し、勉強会ではろう者のメンバーや外部講師が手話を教えている。これまでには自動車学校や専門学校などに講師として手話学習の支援をしたこともある。また、メンバーの中には、手話通訳士試験に合格した人も在籍している。
初級クラスに教えているろう者のメンバー、近藤寿一郎さんは、ろう文化を織り交ぜて手話を伝える。合同クラスを受け持つ外部講師の塩谷武志さんは、季節や時期に合わせた内容で興味を引き付ける。意識していることは「みんなが楽しく勉強できるように」と口にする2人。
高橋会長は手話の魅力を、「手話は手指だけでなく表情や体全体を使う。大胆な動きや繊細な動きで、簡単にまねできない」と語る。
思いをつなぐ
高橋会長は、仕事が忙しく幽霊部員の時期があったが「当時の会員たちがつないでくれたから今を迎えている」と感慨深く話し、次の50年に向けて、「誰か一人に背負わせず、周囲を巻き込んで継続していく。その思いをつないで迎えたい」と意気込みを見せる。
記念講演会
40周年記念行事として、11月8日に手話の講演会を企画している。ろう者の両親の元で育った「コーダ」の田中清さんを講師に招く。詳細が決まり次第、同サークルのHP(左記二次元コード)で公開される。高橋会長は、「これまで関わってくれた人たちにも、ぜひ来てほしい」と期待を込める。