犬にやってはいけない飼い方5つ 問題を抱えてしまう育て方、飼い主が知っておくべきこと
犬にやってはいけない飼い方5つ
愛犬を幸せにできるのはもちろん飼い主さんだけです。「たっぷりの愛情を与えているから大丈夫!」そう思う方もいるかもしれません。しかし、どんなに愛情深く接していても適切な飼い方をしていなければ、愛犬の幸福度は半減してしまいます。
飼い方によっては、愛犬が問題を抱えてしまう事態にもつながる可能性があります。犬のやってはいけないNGな飼い方と、飼い主さんとして知っておいてほしいポイントをあわせてご紹介します。
愛犬が幸せにそして快適に過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。
1.飼育環境を整えていない
犬の飼育には適切な環境を整える必要があります。たとえ不適切な環境であっても、多くの犬は我慢してしまうでしょう。その結果、ストレスが溜まったり、健康トラブルのリスクも高まったりする可能性があります。以下の点には十分注意しましょう。
✔滑りやすい床材にはマットなどを敷く
✔段差のある場所にはペットステップを設置する
✔愛犬が使うベッドなどは清潔な状態をキープする
✔クレートなど落ち着ける場所を用意する
✔夏場は25℃前後、冬場は20℃前後に室温を設定する
少なくとも、これらのポイントは必須といえます。愛犬がストレスなく過ごせるよう気を配ってあげましょう。
2.しつけをしない
犬のしつけを「かわいそう」と感じる方もいるかもしれません。しかし、人と一緒に生活していく中では必要なことであり、反対にしつけをしないことで飼い主さんも愛犬もストレスを感じることにもなりかねないほど大切なことです。
近隣からの苦情で多い「犬の吠え声」も、そのまま放置したり誤ったしつけでは改善することはありません。犬の吠えは本能からくることを理解し、犬種の特性や個体の性格などを鑑みて適切なしつけをする必要があります。
「マテ」「フセ」など基本的なコマンドはもちろん、何が良くて何が悪いのかをしっかりと教えることは、ひいては飼い主さん自身を守ることにも繋がります。お互い気持ちよく社会生活を営めるよう、しつけは絶対に必要です。
3.適切な運動をさせない
「散歩」というワードだけで大喜びするほど、散歩が大好きなワンコは多いもの。一説には「小型犬は散歩が不要」ともいわれていますが、それは違います。もちろん大型犬程の運動量は不要ですが、小型犬であっても散歩は必要です。
犬の知的好奇心を満たすこともできますし、外の風を感じ日光に当たることで心身ともに健やかになります。
毎日同じルートではなくときには違う道を冒険してみたり、アスファルト以外の地面を歩くだけでも新鮮な気持ちになれるのでおすすめですよ。体の大きさや年齢に関係なく、犬には毎日の散歩が必須です。
4.健康管理をしない
犬と暮らすうえで健康管理は非常に大切であり、飼い主さんが時間を割いてでもすべきことといえます。「健康管理」といってもその域は幅広く、以下のポイントを行う必要があります。
✔年1回の健康診断(シニア犬は半年に1回が理想)
✔狂犬病ワクチン接種
✔ノミやダニ、フィラリアの予防
✔シャンプーや爪切りなどのお手入れ
✔愛犬のライフステージに合った食事
健康診断は愛犬の体の状態を知るためにも必ず行いましょう。シニア犬は半年に1回が理想です。
シャンプー、爪切り、歯磨き、肛門腺絞り…犬のお手入れは多岐にわたります。これらを怠ってしまうと、健康トラブルを招きやすくなります。動物病院やトリミングサロンを利用するのも良いですね。
口から入る物はそのまま犬の健康に直結します。総合栄養食であるドッグフードの他、りんごやササミなど食材そのものがおやつとしてはおすすめです。パピーから成犬、シニアへと段階を踏んでいく愛犬に合った食事を用意してあげましょう。
5.過度に構い過ぎる
もちろん愛犬とのスキンシップは非常に大切です。群れで暮らしていた犬はコミュニケーションを大切にします。愛情が不足すると寂しさや不安、ストレスを抱えてしまうでしょう。とはいえ、過度に構い過ぎることも実はあまりよくありません。
わたしたちもグッスリ眠っているのを邪魔されたくはありませんよね、犬も同じです。ひとりでゆっくりしたいときもあるのです。もちろん、個体差はありますので愛犬の性格を見極め、気持ちを尊重してあげてください。
四六時中一緒にいると、飼い主さんへの依存が強くなる「分離不安」を発症する可能性もあります。適度な距離感を保って接することが、結果お互いが心地よく過ごせるのです。
まとめ
愛犬を幸せにするためにはたっぷりの愛情と適切な飼育が不可欠です。どちらか片方だけでは真に幸福とはいえないでしょう。
ご紹介した項目に「当てはまるかも…」とドキッとした方は、今からでも遅くはありません。愛犬と少しでも長く一緒に暮らせるよう、飼い方を見直してみてください。
(獣医師監修:寺脇寛子)