大人のプライドで耐えた「つわりの吐き気」通勤電車の必需品は強力ミントの粒ガム
40代ママライターの、あさです。29歳のとき、男児を出産しました。つわりが始まったのは新婚旅行中のことでした。新婚旅行はイタリア。初の海外旅行でした。ワインが美味しくて、添乗員さんと意気投合して、1日目、2日目と楽しく飲んでいました。
新婚旅行3日目、急にワインが飲めなくなりました
ところが3日目の夕食時、急にワインの香りが鼻につき、一口も飲むことができませんでした。口に少し含んでみましたが、全くのどを通らないのです。食事も、メインの肉はもちろん、ソースがかかっているものが全く食べられません。
仕方がないので、グラスに入っていたスティック野菜の人参をかじっていました。夫が、「俺もだるいし、ワインはいいや。風邪ひいたかも」と言っていたので、私も身体が熱っぽいし、だるいし、風邪をひいたと思っていました。振り返ると、これがつわりの初期症状だったのだと思います。
食事は野菜スティックと「ズッパ、ペルファボーレ」
イタリアには7泊しましたが、3日目以降、目の前のごちそうやワインは一切口にできませんでした。体が受けつけるのは野菜スティックだけ。悲しかったです。昼食はフリーだったので「ズッパ」と呼ばれる野菜スープを食べていました。野菜を細かく切ってブイヨンで煮込んだズッパは、塩と胡椒のシンプルな味付けで、どこの店でも美味しく食べられました。新鮮な果物のジェラートも、感動的な美味しさでした。
“食”を楽しみにしていたので、2日目までに、本場のマルゲリータやシンプルな焼きエビ、ワインとチーズを堪能できたことは不幸中の幸いでした。日が経つにつれ“だるさ”が増し、日中頑張って観光するので、移動のバスや空き時間は、寝てばかりいました。
妊娠判明。大人のプライドで決して吐けない通勤電車
帰国後も微熱が続き、食べられないので病院へ行き、妊娠が判明しました。イタリアでは、ワインや薬を飲んだり、重い荷物を運んだり、集合時間に間に合うようダッシュしたり、飛行機に乗ったりと、妊娠初期には避けたほうがよいことを、全てやってしまった気になり、不安でした。
母子手帳をもらった妊娠6週目には、吐き気が止まりませんでした。夫1人分のご飯を作り、私は水も吐く日々。通勤電車には、制服を着た小学生男子たちが乗っていました。吐いたら最後、彼らに「ゲロ女」と呼ばれて電車に乗れなくなると思い、大人のプライドで耐えました。
吐き気を押さえるため、強力ミントの粒ガムを一度に3粒噛みました。車内の大惨事は、なんとか避けられました。
「切迫流産で絶対安静!」つわりが楽になりました
妊娠週数が過ぎるにつれて、満員の通勤電車内では、常に“えずき”が止まらなくなりました。ガムでも吐き気が抑えられず、降車してトイレに行こうとするも間に合わず、ホームから線路に胃液を吐くことが度々ありました。
妊婦健診で、つわりで水も吐いてしまうことを医師に相談すると、入院しての点滴を勧められました。赤ちゃんの成長に影響はないとのことだったので、様子をみることにしました。
妊娠13週目に突然職場でおなかが張り、チクチクと痛み出しました。病院へ行くと、「切迫流産です。トイレ以外は絶対安静です」と言われ大変驚きました。3週間の休暇をもらい、実家に帰りました。満員の通勤電車からの解放で、心身ともに、本当に楽になりました。
妊娠16週を過ぎると、つわりは治まりました。食欲がでてきて、水分やおかゆ、おみそ汁の上澄みなどを取れるようになりました。私のように水も吐いてしまうつわりの人は、状態によっては点滴が必要になることもあるそうです。
身体に異変を感じたり、不安なことがあるときは、担当医に相談するとよいと思います。つわりで何も食べられなくても、赤ちゃんは育って、元気に生まれました。
[あさ*プロフィール]
あさです。夫と息子の3人家族です。0歳で息子を保育園に預け、正社員で働きながら、ワンオペ育児をしてきました。月日の経つのは早いもので、息子は今年高校受験です。皆さまに役立つ記事が書けるよう頑張ります。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。