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【第26回「人と建築」フォトコンテスト入賞入選作品展】 建築と人の営みを撮影。写真が伝える「物語」

アットエス

静岡新聞論説委員がお届けするアートやカルチャーに関するコラム。今回は静岡市葵区の市役所市民ギャラリーで3月9日まで開催中の「第26回「人と建築」フォトコンテスト入賞入選作品展」を題材に。

県建築士事務所協会(金丸智昭会長)主催のコンテストは26回目を迎えた。筆者は2020年度以降、審査委員を仰せつかっているが、審査がとても楽しい。

審査委員会は「識者」5人によって構成されるが、決して点数で上から順番に選ぶことはない。審査委員長の川口宗敏・静岡文化芸術大名誉教授をはじめとした皆さんと、最終的には合議で各賞を決める。

県内外の「建築と人の営み」がテーマだが、その関係性の多様性には目を見張る。建築とは何かを問い直す作品もある。ある時期から「橋梁」は建築だということになった。「鉄塔」も同様。さて、公園の遊具はどうだろう。今回の議論では「建築」からは除外された。

ただ、将来は分からない。人間に資するために造られた屋外の構造物かどうか。今ある線引きはそんなあたりか。

入賞作品は「さすが」のクオリティーである。一つ一つに物語が感じられる。金賞「冬支度」(浅井貴章さん)は岐阜県白川村の白川郷の秋を捉えた。秋の空、一部が色づく山の木々、ふき替え中の大きな屋根、地面に立つ人々…。いくつもの「階層」が感じられ、その一つ一つのバランスがいい。パッと見た瞬間に、どこか安心感が伝わる。

銀賞の「解体中」(鈴木芬さん)は、富士宮市の解体工事現場の前でサッカーに興じる若者たち。役目を終えて朽ちようとしている建築と、これから芽吹かんとする若い命の躍動のコントラストがまぶしい。

もう一つの銀賞「集落をひとっ飛び」(杉本昌弘さん)は焼津市の花沢の里で撮影。光と影がそれぞれに美しく、何よりぴょんと跳んだ子どもの下に落ちる影がいい。元気なキツネに見える不思議。 
(は)

<DATA>
■ 第26回「人と建築」フォトコンテスト入賞入選作品展
会場:静岡市役所市民ギャラリー
住所:静岡市葵区追手町5-1 
開館:午前10時~午後6時
観覧料:無料
会期:3月9日(日)まで

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