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梅雨時期に入り、千葉県旭市にある袋のため池が好期を迎えようとしている。既設釣り台・桟橋が撤去され放流も途絶えた同池だが、居着きの地ベラはまだまだ健在。短時間でツ抜けも可能だ。海辺からの東風によって夏場でも涼しく、駐車場やトイレも完備。手軽に楽しめる往年の名場所でうっとうしい梅雨時期を乗りきろう。

袋のため池の概況

房総半島屈指の穀倉地帯、干潟八万石と呼ばれる東総平野が広がる千葉県旭市。その中心地にあるのが袋のため池だ。

周囲6kmの広大なかんがい用ため池で、西池・東池と2面の池から形成されている。釣りが許可されているのは東池で、長年にわたり旭市観光協会及び日研・全放協から放流が繰り返されていた。しかしながら数年前、既設釣り台・桟橋の老朽化、池を守る東総釣友睦会の高齢化もあり、それらがすべて排除された。

当時は釣り場の存続が危ぶまれたが、魚への影響はなく、釣り台やスノコを持参すれば釣りは可能。現在も早朝から多くの釣り人が並んでいる。

釣り場のある旭市は太平洋に面しているため海風が入り、都心部に比べて涼しいのもグッド。夏日真夏日の声が聞こえてきても、パラソルさえあれば快適に竿が振れる。駐車場・水洗トイレも完備されているためお手軽度も高い。良型も潜んでいるので狙う価値は十分にあるだろう

ポイント

袋のため池のポイントを紹介しよう。

北岸・駐車場下

水深があり、駐車場の目の前にあるコンクリート桟橋が一番人気。年間を通して釣り人の姿があり多くの魚が居着いている。タチは満水で1本半～2本弱。9尺前後の短竿で楽しめるが、コンクリート桟橋は釣り座と水面が離れているため10～13尺竿が使いやすい。

北岸・鉄塔～旧おがみや桟橋

車が背後に駐車でき常に釣り人が入っているため釣り台も設置しやすい。タチは満水で1本強～1本半。若干だが魚は薄いため、竿は沖め狙いがいい。

北岸・公園前

水深が浅く以前は敬遠されたポイントだが、2基あるコンクリート桟橋は新たな人気ポイント。既設釣り台撤去後は多くの釣り人が並ぶようになった。タチは満水で約1本。竿は11～13尺。

東岸

暖期は東寄りの風になることが多く、以前から人気があったポイント。所々にあるボサ穴から狙う。タチは1本～2本弱。南北が浅く中央付近が深くなっている。手前に旧桟橋の杭が残っているため、竿は13尺以上が鉄則。

その他

全域に渡り護岸化されているため釣り台やスノコがあればどこでも入釣は可能だ。入るならば深場を控える南岸の東寄りで、タチは満水で1本半～2本弱。その他は浅く、満水でも1本弱。近年は狙う釣り人がいなくなり何とも言えないが、静かに楽しみたいならこちらでも構わないだろう。

釣り方とエサ

魚が浮きやすいので、水深があるポイントであれば宙釣りがお勧め。アベレージは尺前後なので太仕掛けは不要。道糸1～1.2号、ハリス0.5～0.6号で長さは40㌢まで。ハリはダンゴ鈎またはグラン鈎なら4～6号。ウキはジャミが多いのと風流れが出やすいため、通常よりも番手を上げよう。

エサは両ダンゴで決まらなければ、トロ掛け・ウドン・角麩のセット。エサは持たせるのが基本だが、日並みによっては開かせてジャミを浮かせ、エサの芯をタナのヘラに食わせるといい場合もある。ブレンド例ではカクシン2＋凄麩1＋ガッテン0.5＋水1。またはカクシン2＋ガッテン1＋凄麩0.5＋水1。ネバリのあるベースエサを作りバラケマッハ、凄麩、コウテンなどで調整しながら使うといいだろう。

底釣りならジャミに負けない持つタイプの両ダンゴがいい。ダンゴの底釣り夏1＋同冬1＋ペレ底1＋水1.5が使いやすい。エサ付けは大きめでズラシ幅を多めに取り、ジャミに遊ばれないようにするのがキモ。砂地で底がしっかりしているため、以前からドボンが強い池。年間を通してこの釣り方で釣果を上げる常連もいる。

＜週刊へらニュースAPC・中村直樹／TSURINEWS編＞

この記事は『週刊へらニュース』2024年6月21日号に掲載された記事を再編集したものになります。