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愛猫の『口腔環境』をいい状態にキープする3つの対策 健康なお口はどんな状態?

ねこちゃんホンポ

猫の『健康的なお口』とは?

猫のご長寿さんが増える今、猫の口腔ケアにも注目が集まっています。

動物病院に行くと『お口の状態はOKですね!』と言われることや、『ちょっと歯が汚れていますね』などと指摘されることがあるでしょう。

そもそも、猫の『健康的なお口』とはどのようなものなのでしょうか。

歯茎が綺麗なピンク色

健康状態が良好な猫の歯茎は、綺麗なピンク色でハリとツヤがあります。(一部の猫種では黒みがかっていることもある)

白っぽく変色している場合は、貧血や栄養失調などの疾患が隠れていることがあります。

赤黒い場合、歯肉炎を起こしている危険性があります。色調や形状の変化に注目が必要です。

真っ白い歯

猫の標準的な歯は真っ白です。表面が茶色く変色している歯には歯石が付着していたり、摩耗していたり、割れている場合もあります。

歯石の主な原因は、ペースト状のおやつやウエットフードによる歯垢の蓄積です。

根元から膿のようなものが出ている場合は、歯周病になっている恐れがあります。

赤みやただれがない

お口の中で何らかの炎症が生じると、不自然な赤みやただれが見られることがあります。口内炎に発展する危険性があるため要注意です。

猫の口内炎は『難治性口内炎』といい、基本的には一生涯に渡って付き合わなければなりません。そうならないためにも、日頃からお口の中を観察するように心がけましょう。

不自然な口臭がない

猫の呼気にもにおいがあります。通常は、何となく餌のにおいがする程度です。

それ以外のにおいがする、もしくは強烈な悪臭を放っている場合は『口臭がある』と思ってください。

口臭の主な原因は歯と歯茎のトラブル、口腔内の腫瘍、腎臓系の疾患など多岐にわたります。最近においが変わったと気づいた時点で診察を受けましょう。

口腔粘膜や舌が赤くない

ウイルス性疾患により、口腔粘膜や舌に潰瘍やびらんができる場合があります。健康な場合、不自然なただれや、出来物の類もありません。

猫エイズなどのウイルス性疾患も視野に入れて検査をしてもらいましょう。

『ニャー』と鳴いている隙に舌周辺もよく観察してください。"白っぽい盛り上がり"がある場合は診察を受けましょう。舌炎や腫瘍などの疑いがあります。

舌全体の色が良い

舌そのものが白くなっていないかチェックすることが大切です。

呼吸器系の疾患や心疾患がある猫は、チアノーゼが起きていると舌全体が白っぽく変色します。通常時は、適度な潤いのあるピンク色です。

『口腔環境』をキープするための3つの対策

お口のいい状態と気をつけたいポイントがわかったところで、『口腔環境』をキープするための対策を3つ紹介いたします。

1.水分補給をする

体全体の健康をキープすることは、お口の環境を良い状態に保つことにもつながります。

体が脱水状態になると、口腔粘膜の状態も悪化することがあります。

✔静かな場所に数箇所水飲み場を作る
✔こまめに入れ替えて新鮮さをキープする
✔循環式の給水器を活用する

これらの方法を駆使して水を飲んでもらい、口腔内のトラブルはもちろんのこと、脱水も予防していきましょう。

2.猫にも歯磨き習慣を

猫は虫歯にこそなりませんが、先ほども紹介したように歯の汚れは着実に蓄積されていきます。特に、ウエットタイプのご飯やおやつを好む猫は要注意です。

最悪の場合は抜歯をせざるを得ないケースもあるので、猫にも歯磨き習慣を取り入れましょう。子猫の頃からトレーニングをすると受け入れやすくなります。次のようなステップで行ってみてください。

✔お口に触れる→歯茎を出す訓練を繰り返す
✔歯茎に触れる訓練を繰り返す
✔歯ブラシを当ててはやめるを繰り返す
✔実際に歯を磨く

一連の動作は必ず清潔な手で行いましょう。歯ブラシは猫用もしくは乳児用を用いてください。指サック型やシートタイプでもOKです。

3.歯磨き効果のある『おやつ』や『おもちゃ』を取り入れる

「既に成猫になっていて歯磨きトレーニングが進まない」という場合は『歯磨きおやつ』や『歯磨きおもちゃ』『サプリメント』なども選択肢に入れてみてください。

おやつは噛んで食べるものもありますし、ペースト状のものもあります。おもちゃはヘチマが原料になったものが主流で、噛んで遊ぶことで歯の汚れが落ちるという仕組みになっています。

サプリメントは、様々な成分のものが挙げられます。サプリメントによって口腔内環境をよりよく維持することが目的であることが多いです。

粉末タイプが主流で、いつものご飯にふりかけて使います。なお天然由来の成分とはいえ、療法食を食べている場合は獣医さんに相談してから取り入れるようにしてください。

まとめ

猫にとって『口腔環境』がいい状態とは「歯と歯茎が綺麗であること」「口臭がなく変色も見られないこと」「口内炎やただれがないこと」などの条件が揃っていることが挙げられます。

これらの状態をキープするためには、歯磨き習慣を取り入れたり、積極的に水分補給をさせることが重要です。歯を磨くことがどうしても難しい場合は、おやつやおもちゃなどを上手に活用しましょう

お口のニオイや歯の状態、色味に違和感を覚えたら診察を受けましょう。お口のトラブルも早期発見・早期治療が大切です。愛猫の口腔環境を整え、健康長寿を目指しましょう!


(獣医師監修:葛野莉奈)

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