猫がしつこく同じ行動を繰り返す『常同行動』とは?精神的に限界のサインかも
猫の『常同行動』とは?その意味と原因
猫が何度も同じ行動を繰り返す『常同行動』とは、精神的なストレスや不安が原因で起こる異常行動です。
「過剰な毛づくろい」「壁や床を舐め続ける」「しつこく鳴く」「長時間空中を見続ける」などがこれに該当し、本来の目的とは関係なく、必要以上に行う行動のことをいいます。
これらの行動は、猫が環境の変化や飼い主との関係の中で感じるストレスに対処するために現れることがあります。
新しいペットが家に来て不安を感じた場合や、猫や飼い主さんの生活リズムが大きく変わった場合に発症することがよく見られます。猫は繊細な生き物なので、些細な変化でも大きな影響を受けることがあるのです。
常同行動が示す猫の心の叫び
猫の常同行動は、言葉で話すことができない猫が「助けを求めるサイン」であることが多いです。
同じ場所を何度も歩き回るのは、縄張りへの不安を感じている可能性がありますし、過剰な毛づくろいをする場合、それは「何かに耐えられないほどストレスを感じている」状態を示していることがあります。
こうした行動は猫の様子を観察していないと見逃しがちですが、猫が快適に感じていないことを示している重要なヒントになっています。ストレスの原因が取り除かれなければ、心の問題が悪化し、健康に影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。
精神的限界の猫を助けるためにできること
常同行動が見られたら、まずはストレスの原因を探ることが大切です。「家族構成が変わった」「引っ越しをした」「過度なスキンシップ」などが一部の原因として考えられます。
また、猫が十分な遊び時間を持っているか確認しましょう。ストレス発散と猫が安全で自由に動ける環境を整えることが対策として効果的です。
具体的には、「生活パターンを決める」「隠れる場所やキャットタワーなどを用意する」「猫への接し方を見直す」などを行うことで徐々にストレスや不安が軽減されます。
もしも常同行動が激しくなった場合は、獣医師に相談することをおすすめします。精神的なケアを行うことは、猫の健康を守る上で欠かせません。
まとめ
猫の常同行動は、精神的なストレスや不安が原因で起こるサインです。同じ行動を繰り返す姿は、自分ではどうしようもできないことを飼い主に「助けて」と訴えている可能性があります。
その原因を探り、猫が安心できる環境を整えることが重要です。十分な遊び時間を設けたり、猫がストレスを発散できる空間を用意したりすることで、行動が改善する場合があります。
また、激しい常同行動が見られたら、早期改善のために獣医師に相談することも大切です。愛猫が心地よく生活できる環境をつくることで、心の負担を軽減し、猫との信頼関係を深められます。
猫からの小さなサインに気づき、ストレスや不安に合った適切な対応することで、安心して暮らせるようにしてあげたいですね。
(獣医師監修:加藤桂子)