上越市三和区でコウノトリのひな誕生 吉川区に続き今年2例目 市内で繁殖広がる
新潟県上越市教育委員会は2025年5月30日、同市三和区に営巣した国の特別天然記念物コウノトリのつがいの卵が孵化(ふか)したと発表した。同市内では今年、別のつがいが吉川区で2年連続の孵化に成功しており、2例目の繁殖となる。
《画像:ひなが誕生した三和区に営巣したコウノトリのつがい(2025年5月28日撮影、橋爪法一さん提供)》
つがいは3月14日に電柱に営巣しているのが確認され、4月25日に産卵、同月30日に本格抱卵に入っていた。市教委文化行政課によると、5月26日から撮影した動画や観察記録を29日に兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)の専門家に送り、孵化したと判断された。
《画像:抱卵する親鳥(2025年5月27日撮影)》
ひなは巣に隠れていて見えないが、親鳥が餌を吐き戻して与える行動が確認されたという。ひなは順調に育てば、8月上旬に巣立つ見通しだ。
《画像:餌を吐き戻すようなしぐさを見せる親鳥(2025年5月29日撮影、橋爪法一さん提供)》
コウノトリの観察をしている吉川区の市議会議員、橋爪法一さん(75)によると、つがいは京都府京丹後市生まれの6歳の雄と鳥取県八頭町生まれの3歳の雌。橋爪さんは「無事にひながかえってよかった。(市内で繁殖が広がり)いよいよコウノトリの郷になった」と話した。
市教委は観察や撮影は巣から150m以上(車の中からは100m以上)離れて行うことや、無断で私有地や農地に入ったり、車を駐車したりしないよう呼び掛けている。