【薬屋のひとりごと】アニメ第32話『皇太后』について解説&考察【ネタバレ注意】
アニメ「薬屋のひとりごと」第32話『皇太后』では、物語の核心に迫る重要な謎が浮上しました。本記事では、その謎を振り返りながら考察していきます。
この記事には、アニメ第2期第32話までの内容やネタバレが含まれています。問題のない方のみご覧ください。
アニメ第32話『皇太后』のあらすじ
『皇太后』のエピソードでは、後宮に広まったある噂をきっかけに、猫猫が新たな謎に挑むことになります。
主な登場人物
ストーリーに登場する主な人物をまとめました。
名前
概要
猫猫(マオマオ)
薬師。皇太后から先帝の呪いの調査を依頼される。
皇太后・安氏(アンシ)
現皇帝と皇弟の母。先帝の呪いの真実を知りたい。
先帝
先の時代の皇帝。愚帝として知られている。
子翠(シスイ)
虫が大好きな下女。猫猫が疑われる噂を作った張本人。
玉葉妃(ギョクヨウヒ)
猫猫の仕える妃。皇太后との関係は良好。
壬氏(ジンシ)
宦官として振る舞うが、実は皇弟。
杏(シン)
後宮内で堕胎剤を作っていた、梨花妃(リファヒ)の元侍女頭。
猫猫、皇太后の依頼を受ける
後宮で「笑いながら虫を捕まえる変な女官がいる」という噂が広まり、疑われる猫猫。誤解を解くため、噂の発端となった虫好きの下女・子翠を探しに北の雑木林へ向かいます。
そこで子翠を見つけ話を聞いていると、皇太后が自ら設立した診療所へ向かうのが見えました。皇太后が気になる猫猫でしたが、翡翠宮へ戻ることに。
夕刻、皇太后が玉葉妃の住まう翡翠宮を訪ねてきます。そこで、皇太后は猫猫に話を持ちかけます。それは――「私は、先の帝に呪いをかけたのかしら?」という衝撃的な問い。先帝の呪いの真実を調べるよう命じます。
「薬屋のひとりごと」の重要な謎
今回の話では、皇太后が語る呪いの謎をはじめ、皇弟の出自や堕胎剤に関する猫猫の考察など、物語の核心に迫る重要な展開が描かれました。
これらの出来事は複雑に絡み合っており、少し分かりにくい部分もあります。そこで、一つずつ分かりやすく解説していきます。
皇太后が語る「呪い」の謎
皇太后は、「私は、先の帝に呪いをかけたのかしら?」と猫猫に問いかけます。この言葉の真意を考察します。
先帝の遺体の不可解な現象
先帝の遺体は、霊廟(れいびょう)に一年間安置されていたにもかかわらず、まったく腐敗していませんでした。まるで時間が止まったかのように、亡くなった当時のままの姿を保っていたのです。
特別な処置が施されたわけでもなく、氷漬けにされた形跡もありませんでした。それにもかかわらず、遺体が腐らないのは異常としか言いようがありません。
腐敗しない先帝の遺体を目の当たりにした皇太后は、「先帝がいなくなればいい」という自身の思いが呪いとなったのではないかと不安を抱きます。
先帝の死をめぐる謎
本当に呪いなのか、それとも別の要因があるのかを確かめるため、猫猫に調査を依頼しました。先帝の死因には、毒殺や病死、または別の可能性も考えられます。
先帝が過ごした建物は、まもなく取り壊される予定です。それまでに手がかりを見つけなければ、真相は永遠に闇に葬られてしまうかもしれません。もしそうなれば、皇太后の心は晴れないでしょう。
果たして、猫猫は先帝の死の謎を解き明かすことができるのでしょうか?
呪いの謎を解くカギは「先帝の部屋」
猫猫は皇太后の侍女に案内され、先帝が亡くなった部屋の前までやって来ます。腐敗しなかった遺体の謎の手がかりを得るため、慎重に周囲の状況を探り始めます。
先帝が亡くなった部屋の様子
先帝が亡くなった部屋は、彼が母である女帝とともに暮らした場所。その室内は、手入れされている他の場所とは明らかに様子が違っていました。
床は奇妙に汚れ
壁も少し 黄ばんでいる出典: 薬屋のひとりごと 11巻(ガンガン版)「第56話 先帝(前編)」
扉を開けた瞬間、鼻をつく独特の匂い。壁は黄ばみ、床には赤や黄色の染みと筆のようなものが転がっていました。まるで、帝が住むにはふさわしくない、異様な雰囲気が漂っています。
この部屋は、先帝が亡くなった当時のまま保存され、誰の手も加えられていません。猫猫は、この部屋の違和感が謎を解く手がかりになるのではないかと考えます。
最後の猫猫のお願い
物語の終盤、猫猫は皇太后の侍女に「一つお願いがあります」と告げます。先帝が亡くなった部屋を見て、何かに気づいたようです。
猫猫はこれまで、多くの謎を薬や毒に関する知識で解き明かしてきました。先帝が亡くなった部屋の違和感と猫猫の知識が結びついたとき、一つの答えが浮かび上がります。
果たして、先帝の死は本当に呪いだったのか。猫猫の推理が、闇に包まれた真実を暴き出そうとしています。
皇太后の皇弟・壬氏への思い
皇弟の正体は壬氏。これは前回の第31話『選択の廟』で明かされた事実です。そして、皇太后は壬氏の母にあたります。しかし、この母子関係は、複雑な事情を抱えていました。
皇弟は不義の子?
先帝の評判は散々なものでした。その中でも、後宮で最も有名な噂は「少女のみを寵愛していたこと」です。
後宮には多くの大人の女性がいましたが、先帝が愛したのは、ごく一部の幼い少女のみでした。
そんな中、皇弟を授かった皇太后は30歳前後でした。先帝が皇太后に手を出す可能性が極めて低いと考えるのが自然でしょう。宮廷内で皇弟は「先帝の子ではなく、不義の子なのではないか」と噂されています。
この疑念は、皇弟の立場を微妙なものにしています。血統の正当性は、王朝の権威を支える重要な要素です。もし皇弟の出自に疑いがあるとすれば、それは政治的にも重大な意味を持つことになります。
皇太后は壬氏の祖母かもしれない
アニメ第11話『二つを一つに』では、阿多妃の息子が壬氏であり、本物の皇弟と取り違えられた可能性が描写されていました。
もしこの仮説が事実なら、壬氏は皇太后の孫にあたることになります。もし皇太后がこの真実を知っていたとすれば、なぜ沈黙を守り続けているのでしょうか。壬氏を守るためなのか、それとも別の思惑があるのか。
皇太后が握る“真実”が明らかになったとき、宮廷の均衡は大きく揺らぐかもしれません。物語の核心に迫る展開から、ますます目が離せません。
杏の堕胎剤事件の違和感
アニメ第32話『皇太后』で、猫猫は北の雑木林でおしろい花を目にします。その瞬間、彼女の脳裏をよぎったのは、梨花妃の元侍女頭・杏が関与した堕胎剤にまつわる事件の違和感でした。
おしろい花が示した違和感
おしろい花は堕胎作用を持つ植物として知られています。この花を目にした瞬間、猫猫は杏が使用した堕胎剤の材料に疑問を抱きました。
後宮には薬草が豊富に生えており、おしろい花をはじめ、鬼灯(ほおずき)や牡丹(ぼたん)、鳳仙花(ホウセンカ)、芍薬(シャクヤク) など堕胎剤を作るための材料は簡単に手に入るはずです。
それにもかかわらず、杏はわざわざキャラバンを通じて材料を仕入れていたのです。
なぜ堕胎剤を作れたのか
猫猫は、この事件の裏には、杏に堕胎剤の材料や作り方を教えた人物がいると考えました。
杏は決して薬の専門家ではありません。それにもかかわらず、交易品を利用した複雑な堕胎剤の調合方法を知っていたのは明らかに不自然です。
つまり、誰かが杏にその知識を与え、堕胎剤を作るよう仕向けた可能性があるのです。
堕胎剤事件は始まりに過ぎない
杏は、口を割ったのだろうか。
堕胎剤の作り方を教えた人物について。出典: 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 11巻(サンデー版)「第44話 皇太后」
この人物の目的が、梨花妃の子を流産させることだけだったのかは、疑問が残ります。後宮の権力争いを考えると、さらに大きな策略が隠されている可能性もあるでしょう。
さらに重要なのは、この人物がまだ後宮に潜んでいるということです。事件の真相は明らかになっておらず、全貌もまだ見えてきません。これからどのような展開を迎えるのか、ますます注目が集まります。
まとめ
第32話『皇太后』では、猫猫が皇太后の依頼を受け、一年経っても腐敗しない先帝の遺体という不可解な謎に挑みます。それは呪いなのか、それとも薬や毒の影響なのか。
さらに、皇弟・壬氏の出生を巡る疑惑や、堕胎剤を作っていた杏の背後にいる人物の存在も浮かび上がります。後宮に渦巻く陰謀は、ますます深まっていくばかりです。
そして、アニメの最後に猫猫が口にした「お願い」とは何だったのか。先帝の死の真相が明かされるのか、それともさらなる謎が待ち受けているのか。物語のゆくえに注目が集まります。
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