【富山おでかけ】いよいよ旬!富山の2大漁港をめぐる【ぶりかにバス】10/1から運行!富山駅から乗り換えなしで日本海の味覚を堪能
寒くなるにつれ、おいしさを増すのが日本海の冬の幸。
約500種の魚介が棲むと言われる富山湾では、1年を通じてさまざまな魚が水揚げされます。漁場と港が近い富山湾は、朝どれの新鮮な魚がその日のうちに飲食店やスーパーの魚売り場に並ぶため「天然のいけす」とも言われますが、その代表格となるのがブリとカニ。富山で水揚げされる脂がのった大きな寒ブリとやわらかなベニズワイガニは、高級食材としてブランド化されています。
そんな富山湾のブリとカニを堪能したいという人に便利なのが、季節限定で富山駅と港をつなぐ路線バス。
その名も、「富山ぶりかにバス」。
寒ブリで有名な氷見漁港とカニ漁が盛んで昼にもセリが行われる新湊漁港。富山が誇る2大漁港とその周辺を、富山駅から乗り換えなしでつなぎます。
バス停は富山駅を含めて8か所あり、今シーズンからは新湊と氷見の間にある景勝地「雨晴海岸」の絶景を楽しめるバス停も新設されました。水揚げされたばかりの新鮮なブリやカニをベイエリアの観光と一緒に楽しめるグルメバス。楽しみ方をまとめて紹介します。
富山ぶりかにバス
運行概要
富山ぶりかにバス
期 間:2024年10月1日(火)~2025年3月31日(月)の特定日
運行日:金~月曜、祝日および10月1日・2日
路 線:富山~氷見間、富山~新湊間、氷見~新湊間(各1日1往復)
運 賃:富山駅前~ひみ番屋街・氷見漁港前 1500円(片道)など
問合せ:076-442-8122(富山地鉄乗車券センター9:00~18:00)
※予約は乗車日の1か月前から可能
※10月1日・2日は富山~新湊 1往復のみ
バス停・周辺スポットのみどころ
新湊大橋・海王丸パーク
富山駅を出発したぶりかにバスは、日本海側最大級の斜張橋「新湊大橋」を通り、海王丸パークに向かいます。
「海の貴婦人」と呼ばれた帆船・海王丸が係留されている美しい公園で、子供が楽しめる大型のアスレチック遊具やカフェ、富山湾を一望できる展望広場なども整備されています。広い青空に映える新湊大橋や立山連峰を見わたせる昼の散策もいいですが、夜にはライトアップされロマンチックなムードに。幸せのパワースポット“恋人の聖地”にも選定されていて、デートスポットにもオススメです。
新湊きっときと市場
ランチを食べるなら、次のバス停「新湊きっときと市場」がオススメ。
「きっときと」とは、富山の方言で「新鮮」という意味。すぐそばの新湊漁港で水揚げされたカニはもちろん、“富山湾の宝石”と呼ばれるシロエビを使ったグルメなど。お土産もそろいます。
川の駅新湊
多くの船が停泊し、港町で暮らす人々の息づかいが聞こえてきそうな雰囲気が漂う射水市の内川沿いにある「川の駅 新湊」。
内川の風情を楽しめるカフェや射水市の特産物を販売する「うまいもんショップ」があるほか、江戸時代からの伝統を受け継ぐ曳山の展示も楽しめます。
運河と一体になった景観が美しく、“日本のベニス”の異名を持つ風情あるエリアで、近年は古民家や借景を活かした個性的な店や宿泊施設も多数オープンしています。ゆったりと情緒を感じながらの散策や内川クルーズもオススメです。
クロスベイ新湊
クロスベイ新湊は、2020年8月に誕生した複合施設。飲食店や特産物販売店、ホールやシェアキッチン、学習コーナー、子ども用ボルダリングなどががあり、気軽に立ち寄って楽しめます。
ここを訪れたらぜひ体験したいのが、ベイエリアの観光地巡りの手段として活躍している「べいぐるん」。電気で走る3輪自動車で、時速19km以下のゆっくりとしたスピードで走ります。内川や海王丸パークを散策するのにも便利。港町の景色を音や風をともに感じてみてください。
岩崎(雨晴海岸)
その昔、京を追われて奥州平泉へ落ち延びる源義経一行が、弁慶の持ち上げた岩の陰で雨が晴れるのを待った…そんな言い伝えが地名の由来となったのが、富山県高岡市の雨晴(あまはらし)。
古くから多くの人々がその美しさに心を奪われてきた景勝地で、はるか昔には『万葉集』を編んだ大伴家持が和歌に詠み、江戸時代には松尾芭蕉も『おくの細道』に句を残しました。
富山湾の白波に屹立する女岩とその背景に浮かび上がる立山連峰は、富山を代表する絶景スポット。天気のよい日にはプロ/アマを問わずカメラマンが訪れ、観光客でにぎわいます。
海岸の目の前には「道の駅 雨晴」があり、グルメや買い物を楽しむことができます。
2階にあるカフェコーナーは、テーブル席が大きな窓に面していて、その目線の先には日本海の水平線が広がります。砂浜から見上げるのとはまた違った角度で、女岩や立山連峰の絶景を楽しむことができます。
氷見漁港前
富山を代表する漁港のひとつ「氷見漁港」。寒ブリの水揚げで全国的に有名です。
漁港内には港関係者以外も利用することができる食堂があり、1年を通して鮮度抜群の魚を味わうことができるほか、周辺にも氷見の漁業の歴史を学ぶことができる施設や鮮魚店、個性的なスイーツ店などがあります。
道の駅「氷見漁港場外市場 ひみ番屋街」
氷見漁港の近くにある道の駅「氷見漁港場外市場 ひみ番屋街」は、その名の通り、「場外市場」の番屋街として親しまれています。
漁師が使う番屋(作業小屋)をイメージして作られた建物には、富山湾で朝獲れた新鮮な魚を扱う鮮魚店がずらりと並ぶほか、寿司や刺身定食などの海鮮グルメを味わえる飲食店、魚介を使った加工食品を扱う土産物店なども多く軒を連ねています。海鮮グルメはもちろん、名物の氷見うどんや「ナポリタンスタジアム2021~日本一のナポリタン決定戦~」でグランプリに輝いたナポらー麺なども楽しめます。
遊具がたくさんある公園や源泉掛け流しの天然温泉、無料の足湯もあり、家族や友達同士で1日楽しめる道の駅です。
富山でブリ&カニを食べるなら
ズワイガニ
日本海の冬の味覚「カニ」。
ひと口にカニと言っても種類は豊富で、日本で4大カニとされるのが「タラバガニ」、「毛ガニ」、「花咲ガニ」、そして、「ズワイガニ」。
なかでもズワイガニは、日本海側の各漁港で11月初旬から漁が解禁され、水揚げ港によって「越前ガニ」「松葉ガニ」「加能ガニ」、メスは「セイコガニ」「香箱ガニ」などと各地でブランド化されています。
富山湾では11月に漁が解禁になります。
ベニズワイガニ
ズワイガニに負けず劣らずおいしく、よりリーズナブルに味わえるのが、ベニズワイガニ。姿はズワイガニに似ていますが、全体的に紅色をしているのが特徴です。
ズワイガニが水深200~500mの海域に生息するのに対し、ベニズワイガニが生息するのは水深およそ500~2700mの深海。駿河湾・相模湾と並ぶ日本3大深湾の富山湾ではベニズワイガニ漁が盛んで、鮮度が高い富山のベニズワイガニは、甘み成分の「グリシン」と旨み成分の「グルタミン酸」がズワイガニよりも高いとされています。
身離れがよくて食べやすいことから、“富山湾の女王”と呼ばれ、秋から冬にかけて人気の味覚です。
ブリ
富山湾の王者と呼ばれるブリ。
約500種もの魚が分布する富山湾で水揚げされる魚介の中でも、冬に獲れる寒ブリは、まるまると太った身に脂がのっていて存在感も味わいも別格です。
特に、富山県内で最も多いブリの水揚げを誇る氷見漁港では、「ひみ寒ぶり」としてブランド化。6kgを超える大きさや形、安定した水揚げ量などを総合的に判断して、本格的なシーズンが訪れると「ひみ寒ぶり宣言」を行い、その品質基準に合致するものだけを証明書つきの「ひみ寒ぶり」として出荷します。
天然ブリのことをもっともよく知る漁師や仲買人らの折り紙つきの「ひみ寒ぶり」は味も品質も抜群で、全国各地の高級料亭やレストランなどでも重宝される高級食材です。
フクラギ、ガンド
出世魚として知られるブリ。
脂がのった大きな寒ブリがおいしいのは当然ですが、富山では成長前のフクラギ(イナダ)やガンド(メジロ、ワラサ)もよく食べられます。幼魚とは言っても、冬の富山湾で水揚げされるものは適度に脂がのっていて、甘みも十分。ブリよりもあっさりと食べられるため、地元ではフクラギのほうを好む人もいます。
富山ならではのおいしさを味わえるかもしれません。