熱帯の怪魚を求めてタイに遠征釣行【Pilot111】管理釣り場のルアー釣りでトーマンをキャッチ!
「微笑みの国」、そう呼ばれるタイ王国へ釣り旅行に行ってきた。今回向かったのは「Pilot111」という管理釣り場。ここは、バラマンディやトーマン(ジャイアントスネークヘッド)、メコンオオナマズなどたくさんの魚種を狙えるフィッシングポイントである。その中でも、特にゲーム性の高かったトーマンの釣りについて紹介していこうと思う。
タイ「Pilot111」で怪魚トーマン釣り
今回の釣行は8月上旬の11日間。この時のタイは雨季に入っており平均気温29度と比較的涼しかった。といっても日中はやはり蒸し暑く、熱中症・日射病対策が必須だ。
初日、タイの朝は涼しく爽やかな空気をかもしだす。初めて目にするタイの管理釣り場「Pilot111」は広大で自然の香りに包まれていた。9つの大きな池で構成されていて朝イチは「あいさつ回り」と称して全魚種を釣ってみることに。
施設の入り口から一番遠い池に向かった。この池はトーマンの数が大半を占めており、少し大きなバイブレーションで狙えるとのこと。そのためルアーはHARDCOREソリッドバイブ(S)の85mmをチョイス。
タックルはピラルク釣りなどに使える少し強めの粘りのあるロッドにツインパワー5000MHG。ラインはPEライン2.5号を使用。
当日の状況
早朝の時間帯は、時折水面にトーマンのブレスがうかがえるような状況で活性は高い模様。
さっそく1投目。池の中心目がけてフルキャスト。いったん着底してから急速に巻き上げていく。トーマンは岸ギワを回遊することもあるので手前まで気を抜かずに狙う。
4投目に早速アタリが。ガツっという感触が手元に伝わってくる。感覚的には沖5mのブレイクに潜む魚の頭上を通すような感じだ。その後、数投重ねたがなかなかフッキングに至らない。
怪魚トーマンと初対面
そこでアタリがあったタイミングでルアーのアクションに変化をつけてみることに。
なんと、アタリ直後に軽くラインのテンションを抜いてみたところ魚がヒットした。その引きは強烈でドラグ音がしばらく鳴り止まなかった。手前3mまで寄せてようやく魚体が見える。婚姻色のエメラルド色が輝く麗しい魚体。お初にお目にかかるトーマンは想像を遙かに超える美しさであった。
ランディングをおこない、ルアーフックを外そうとした時、あることに気が付いた。トーマンのアゴ周辺がとてつもなく硬いのだ。これはフッキングが決まらないのも納得である。やはり外国の魚。日本の魚とは全く異なる特徴に驚かされた。
ポッパーで超高速リトリーブ
別日。朝イチからガイドさんに連れられ、前記した池へと向かう。この日はバイブレーションではなく90mmほどのポッパーを使用して釣ってみてほしいとのこと。最初にガイドさんの釣り方を見せてくれた。
その時驚愕した。ポッパーといわれ、ポッピングやストップ&ゴーといった単発的なアクションの繰り返しを想像していたが、着水後すぐに巻き上げ超高速リトリーブで誘っている。
見たことのない釣りに対する興奮を抑え、早速私もキャストしてみる。L‐ブルーバブルジェット90mmをフルキャスト。教わった通りに着水後高速リトリーブを開始した。ガイドさんいわく、繰り返し同じポイントにキャストして魚にルアーを見せ続けることで食ってくるらしい。
L‐ブルーバブルジェットにヒット
数投目で水面が割れた。その後に見えた赤褐色の大きな尾ビレ。キャストを増やしていくごとにバイトの回数も増えワクワクが止まらない。
その時が来た。水面にしぶきが立つと同時に手元にひったくるような感覚が伝わる。ジリジリと放出されるラインは止まらない。興奮冷めやらぬままランディングを完了。魚をじっくり観察してみる。大きな硬い口の上にはギョロっとにらむような大きな目、翠玉色の魚体はたまらなく美しい。釣り人生において一度は釣っておくべき魚だと感じた。
普段は味わえない国外での魚釣り。魚はもちろん文化も気候も日本とは180度異なる。そんな環境で釣りに挑んでみることで、釣りに対する新たな考え方やインスピレーションに出会えるのではないだろうか。
<週刊つりニュース西部版 総合学園ヒューマンアカデミー福岡校フィッシングカレッジ ソルトウォーター専攻2年 川平佳緯/TSURINEWS編>
Pilot111
この記事は『週刊つりニュース西部版』2024年11月15日号に掲載された記事を再編集したものになります。