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「完全養殖でアニサキスリスクをゼロ化!」各地にある注目のブランドサバとは

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サバの刺し身(提供:PhotoAC)

大衆魚ながら近年は資源の減少が叫ばれ、またアニサキスのイメージも強いサバ。しかし近年、それらの問題をクリアする「ブランドサバ」がいくつも登場しています。

日本の天然サバが大ピンチ!?

我々の食卓を支える大衆魚の代表格・サバ。今でも日常的に食べられていますが、その少なからぬ割合が実は「外国産」です。

細い国産のサバ(提供:PhotoAC)

なぜ国産が利用されなくなったのか、それは資源量の急激な減少と、それに伴う小型化が著しいから。特にこれまで国産サバ資源の中核を担っていた太平洋のマサバ・ゴマサバ個体群の資源量は危機的状況で、水産庁は今年の7月に始まる2025年度漁期の太平洋サバ類の漁獲枠を前年度比8割減にすると発表しました。

また近年は漁獲しても「ローソク」と呼ばれるような細身で小型のものの割合が増えており、商品価値は低いといいます。

「養殖サバ」ブランドが各地で勃興

そんな状況のなかで、脂の乗った美味しいサバを食べたいという需要に応えるため、各地で「サバの養殖」が行われるようになっています。なかには全く別業種の大手企業が参入したり、陸上養殖のような高度で費用のかかる技術が用いられているブランドも。

有名なものに鳥取の「お嬢サバ」があります。これはJR西日本と地場の養殖業者のコラボにより生まれた完全陸上養殖サバで、自然の海と隔絶した環境で育てることで寄生虫症のリスクをなくし、また使用した海水を濾過・循環して作用することにより環境汚染を防ぐことが可能、といった点を売りにしています。

唐津Qサバの胡麻鯖(提供:茸本朗)

また他には佐賀の「唐津Qサバ」というブランドも有名です。こちらは人工孵化させた卵から育てる「完全養殖」のサバで、管理された餌を与えることで寄生虫のリスクをなくし、生臭みを感じさせない食味となっています。佐賀県を含む北部九州はサバの生食が盛んな地域であり、安全なサバの需要に応える形で生まれたものだといえます。

黒船も到来中

養殖以外にも、注目される「安全に生食可能な」サバのブランドがあります。それは「サバ・ヌーヴォー」。日本でも馴染みの深い「ノルウェーサバ」を、航空便で輸送したものです。

ノルウェーサバは標準和名をタイセイヨウサバという種類で、ノルウェーにおける徹底した資源管理により脂乗りが抜群に良いのが特徴です。そのため日本でも干物などで高い人気がありましたが、飛行機の速度を活かして鮮魚のまま運んできたものが「サバ・ヌーヴォー(日本語で「新しいサバ」)」です。

サバ・ヌーヴォーの寿司(提供:茸本朗)

現地で低温急速冷凍処理をしているため鮮度が保たれているだけでなく、寄生虫の殺虫も同時に行われており、安心して生食できるのが特徴。筆者も先日寿司で食べてみましたが、日本のサバでは経験がないほどの脂乗りでとても感動しました。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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