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まちの「玄関口」きれいに 辻堂駅前で清掃活動15年

タウンニュース

清掃を続ける左から櫻井さん、佐藤さん、金子さん、岡田さん

通勤・通学でJR辻堂駅を利用している人は、毎朝同駅西口改札付近を清掃している高齢女性のグループを目にしたことがあるのでは。約15年にわたってほぼ毎日、活動を続けてきた4人。「私たち自身が楽しんできたからこそ、長く続いてきた」と笑顔を見せる。

4人は金子早苗さん(76)、佐藤智娃兒(ちえこ)さん(85)、岡田栄子さん(81)、櫻井眞琴さん(84)。いずれも茅ヶ崎市赤松町に住み「ご近所さん」として長い付き合いを続けてきた。

清掃が始まったのは2010〜11年頃。辻堂駅周辺で再開発が進み「まちが見違えるように明るくなったころ」(金子さん)だ。ある日「跨線橋から富士山がきれいに見える」と聞いて訪れた4人。タバコの吸い殻などゴミが散乱していることにショックを受け「誰からともなく、だったら自分たちできれいにしようという話になった」

こうして夏は午前6時30分から、冬は7時30分から約30分、三が日や風雨の日を除いて、ほぼ毎日続けてきた。

「寒さや暑さがきつい日もある」(岡田さん)が、支えは道行く人々からの声だ。「たくさんの人が『いつもありがとう』と声をかけてくれる。散歩中に仲良くなったワンちゃんも多くて、名前を覚えきれないくらい」と櫻井さんは笑う。

活動を始めた当初、タバコの吸い殻が多く、1人で30本ほど拾う日も。しかし「値上がりするたびに少なくなっている」という。東日本大震災の直後には募金箱の落とし物を発見したこともあった。また、10年ほど前は小銭や財布の落とし物も多かったが「最近はキャッシュレス化でほとんどない」と社会の変化も感じている。

仲間の危機救う

5年ほど前のある日。佐藤さんが「今日は体調が悪いから休む」と言ってきた。「その時の表情が気になった」という3人は清掃を終えると、再び家を訪ねた。そこで異変を感じてすぐに救急車を要請。佐藤さんはその後、脳梗塞を発症していたことが判明した。

麻痺が残り杖が手放せない生活になったものの、今も元気に清掃活動に参加している佐藤さん。「私にとっては最高のリハビリです」と笑顔を見せる。

「たまに仕事で清掃している思って『時給はいくら』と聞いてくる人がいる。けれど、お金のためだったらこんなに長くは続かなかった。朝の空気を吸って、掃除が終わったらみんなと大声で笑い合う。私たち自身が楽しいから続いてきた。だからできるだけ長く続けたい」と金子さんは話している。

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