家を買うと決めたらまずやることは?購入までの流れや注意点を解説
いざ「家を買おう!」と決めたとき、何から始めればいいのかわからない方もいるでしょう。 住宅購入は、人生で最も大きな買い物のひとつ。だからこそ、後悔しないために、しっかりとした準備が不可欠です。
もし何も考えずに見切り発車してしまえば、予算をオーバーしたり、理想と違う家になってしまったりするかもしれません。
この記事では、家を買うと決めたらまず何をすべきか、具体的な手順と注意点をステップごとに解説します。ぜひ理想のマイホームを手に入れましょう。
家を買うと決めたらまずやること
マイホームの購入を検討する場合、家を買った後で慌てないためにも、買うと決めたらすべきことを事前に把握しておくことが大切です。
ここでは、家を買うと決めたらすべきことについて解説します。
購入のタイミングを決める
家を買うことを決めたら、まず家を購入するタイミングを決めましょう。購入するタイミングによって、購入にかかる費用やローンの契約年数が異なります。
また、年齢や年収はひとつの判断材料になるでしょう。
住宅ローンの返済期間は平均30年程度とされています。20代や30代であれば、定年あたりまでで完済できる見込みがあるため、35年ローンも組みやすくなるでしょう。しかし、40代以降になると長期のローンが組みにくくなる可能性があります。
建物別の年収に対する住宅ローンの目安は下表の通りです。
2023年度のフラット35利用者の平均世帯年収は661万円で、年収の4~6倍程度の住宅ローンを借りています。
注文住宅の所要資金は3,863万円、マンションは5,245万円と上昇しており、年収倍率も注文住宅が7.0倍、マンションが7.2倍と増加しています。住宅価格の高騰に伴い、住宅ローン借入額も増加傾向です。
世帯年収が600万円未満でも住宅ローンは組めますが、購入できる家の選択肢は狭くなります。その場合は、頭金を用意して住宅ローンの借入額を減らすことにより、審査に通りやすくなるでしょう。
購入予算を決める
家の購入予算は、住宅ローンの借入可能額を把握したうえで、決めましょう。年収により、借入可能額は異なるため、希望額が高いと審査に通らないことがあります。
また、借入額によって、毎月の返済額が大きく変わるため、無理のない資金計画を立てることが大切です。
住宅ローンの借入可能額の目安は、以下の計算式で求められます。
年収倍率(%)=住宅の購入額 ÷ 年収
住宅ローン以外に頭金となる自己資金をいくら用意できるかも、具体的な数字を出して考えましょう。
住宅の種類を決める
家を買うと決めたら、住宅の種類を検討しましょう。家にも戸建てとマンション、新築と中古物件、注文と建売住宅などがあります。それぞれの場合について、くわしく見ていきましょう。
戸建てとマンション
戸建てとマンションにおける、メリットとデメリットは下表の通りです。
戸建ては、騒音トラブルが少なく、不動産が資産になるというメリットがあります。一方で、セキュリティ面でマンションに劣り、維持管理を自分で行う必要がある点がデメリットです。
一方、マンションは管理会社に管理を任せられ、セキュリティ面で安心というメリットがあるものの、駐車場代が発生し、騒音トラブルが起こりやすいというデメリットがあります。
中古物件か新築物件か
戸建てかマンションのどちらを購入するか決まったら、中古物件か新築物件かを決めます。新築物件と中古物件のメリットとデメリットは下表の通りです。
中古物件は購入価格が低く、実際に物件を確認してから購入できるため、希望エリアで住まいを見つけやすい点が魅力です。しかし、修繕費が高額になる可能性や、旧耐震基準の場合があること、住宅ローン控除の控除額が少なくなる点がデメリットです。
一方、新築物件は、建物が新しく綺麗で最新設備が整っているのがメリットですが、購入価格が高いというデメリットがあります。
注文住宅か建売住宅か
新築の戸建ての購入を希望する場合は、注文住宅か建売住宅のどちらを選択するか決めましょう。
両者のメリットとデメリットは下表の通りです。
希望の土地に建築できるため、すでに土地を保有している方や、希望の間取りを反映させた住まいを望む方は注文住宅を選ぶと良いでしょう。
条件を決める
物件を建てる、または探す場合、土地と建物といった条件を決める必要があります。それぞれ選ぶ際の着目点について見ていきましょう。
土地
家を建てる際、さまざまな要素を踏まえて、慎重に土地選びをすることが大切です。以下の点を含めて、立地を選びましょう。
・交通のアクセス・商業施設や近隣施設の利便性・治安や子育て環境・実家までの距離
物件を見学する際は、入居後の不満を最小限にするためにも、建物周辺や駅までの道のりを歩いて確認してみることをおすすめします。
建物
建物といっても、マンションなら新築と中古、戸建てなら新築建売、注文住宅、中古住宅などのさまざまな選択肢があります。それぞれメリットとデメリットがあり、希望条件をすべて満たす住まいはないと考えましょう。
希望条件に優先順位をつけて、譲れない条件を明確にしたうえで、ライフスタイルと照らし合わせて考えてみてください。
購入の流れを知る
家の購入までの流れを知り、物件の引き渡しまでのスケジュールを立てて、見通しをつけておきましょう。
いつ引き渡してもらいたいかを明確にしておくことが大切です。そうすることで、家の引き渡しが延びて、仮住まいの家賃などの余計な費用がかかるといった事態を回避できます。
家を購入するまでの流れ
家を購入するまでのおおまかな流れは次の10ステップです。ひとつずつ見ていきましょう。
1.物件の情報収集をする
家を建てる場合、戸建て、マンション問わず、まずは情報収集をしましょう。住宅の相場感を知るために、どの地域にどんな物件がどの程度の価格で売り出されているかを見ます。
物件別の情報収集の手段は下表の通りです。
マイホームの購入は長期戦です。焦らず条件に合った地域や物件が見つかるまで、最低半年は情報収集をしてみてください。
2.モデルハウスや現地を見学する
次に、ハウスメーカーや工務店を決めます。インターネットで資料請求をする、注文住宅の展示場や新築のモデルルームなどに出向くなどしましょう。
1社だけを見て購入を決めた場合、悔やむことにもなりかねません。複数のハウスメーカーや工務店を比較すると、マイホームに対する譲れない条件が見えてきます。
コスト面だけでなく、性能やデザイン、使いやすい間取り、アフターフォローなど、じっくり複数を見比べて決めましょう。
3.購入する物件を絞り込み、商談を進める
間取りを見るだけでなく、モデルハウスや現地を見学して、実際に足を運んでみることも大切です。
日当たりや近隣の環境などは、図面上の間取りを見るだけではわかりません。実際に住んだ場合に必要な設備など、イメージを膨らませてみてください。
検討中に物件を取られる可能性もあるため、5つ以上は優良物件としてピックアップしておくと良いでしょう。
4.購入申し込みをする
何件か内見したあと、候補の中からひとつの物件に絞り込んだら、できるだけ早く不動産会社に購入の申し込みをしましょう。不動産の契約は早い者勝ちで、先に購入意思を示した人が購入する権利を得られます。
なかなか物件を絞り込めない場合は、自分の感覚に従うのも方法のひとつです。最後は感覚とデータの両方から絞り込んでいくと良いでしょう。
5.住宅ローン事前審査申し込みをする
購入申し込みをしたら、住宅ローンの事前審査を受けます。事前審査が通らなければ、本審査に進めません。
事前審査の結果は、数日後に金融機関から通達があります。住宅ローンの借入限度額を把握できる大切なステップです。
ただし、無理な金額を希望すれば、事前審査の結果に影響することもあります。余裕を持った資金を希望しましょう。審査が通過すれば不動産売買へと進みます。
6.売買契約を締結する
住宅ローンの事前審査が通ったら、不動産やハウスメーカーと売買契約を結びます。契約の前には「重要事項説明書」と「不動産売買契約書」の読み合わせ、記名と押印を行います。
不動産売買契約書は、売主と買主の債権債務の権利関係が定められたものです。2022年には法律改正により、不動産売買でも電子契約が可能になっています。内容に問題なく、双方合意に至れば、契約に進む流れです。
7.住宅ローンを申し込む
売買契約の締結後は、住宅ローンの本申し込みを行いましょう。住宅ローンを利用する場合「住宅ローン特約」を記載する都合上、すぐに本申し込みを行う必要があります。本申し込みでは以下の書類などを用意してください。
・本人確認書類(運転免許証や保険証など)・ローン申込書・実印・売買契約書・印鑑証明書(3か月以内には発行されたもの)・住民票(家族全員が記載されているもの)・給与証明書・源泉徴収票・住民税課税決定通知書
本申し込み後の本審査を通過したら、金融機関と「金銭消費賃借契約」を結びます。住宅ローンの審査が通過しなかった場合は契約解除になり、手付金や仲介手数料も全額払いもどしになるのが一般的です。
8.残金決済する
物件の引き渡しの前に行うのが残金決済です。残金決済とは、購入金額から頭金を除いた金額の支払いをすることです。住宅ローンを組んだ場合は、金融機関から不動産会社の口座に直接振り込むこともできます。
9.物件の引き渡しを受ける
契約の最終段階として、物件の引き渡しを行います。引き渡しで執り行われることは、物件の鍵の受け渡し、司法書士による不動産所有権の移転の登記、住宅の残代金や登記費用、仲介手数料の残金の精算などです。
引き渡しの際に以下のものが必要になります。
・印鑑・印鑑証明書・住民票・住宅用家屋証明書・本人確認書類(免許証やパスポート)・金融機関の預金通帳・銀行届出印
司法書士への報酬は直接振り込みになるケースもあるため、そのための資金も残しておきましょう。
10.税金の手続きを行う
物件の引き渡しが済んだら、税金の手続きを行います。住宅ローンの控除を受けるためには家を購入した翌年に確定申告をしなくてはなりません。住宅ローンを組めたといっても自動適用されるわけではないため、注意してください。
確定申告は例年2月16日~3月15日と決められています。忘れずに行いましょう。
物件選びで失敗しないためのポイント
家を買う際は、次のポイントを押さえることで購入時のトラブルを未然に防ぎやすくなります。チェックしてみてください。
建売や中古物件は欠陥がないか調査する
建売住宅やリフォーム住宅の場合、物件を入念に調査しておくことをおすすめします。特に以下のポイントを重点的にチェックしましょう。
・法の適合性・耐震性能・建物のゆがみ・シロアリの被害・雨漏り
実際に暮らしはじめてから不具合に気付いた場合、修理する必要があります。建物の状態をしっかり調査し、不明な点があれば不動産会社や建築業者に問い合わせて、解決しておきましょう。
立地条件や土地の環境を調査する
交通アクセスや治安など、立地条件や土地の環境を調査しておきましょう。
インターネットや情報誌をチェックするだけでなく、実際にその場所に行ってみることが大切です。立地条件や土地の環境を調査することで、災害や近隣トラブルを回避できる可能性があります。
新居で安心して暮らすためにも、知らない土地なら何度か足を運び、事前にしっかり調査しておきましょう。
ライフスタイルの変化に対応できる間取りにする
購入する物件が、将来的に生活の変化を想定した間取りに対応しているかも大切なポイントです。
子どもが二人欲しい場合は、子ども部屋を二部屋確保する必要があります。両親が移り住む予定なら、空間を分けられる間取りが理想です。
ライフイベントが起きた場合を想定した間取りや動線にしましょう。
資金計画で失敗しないための注意点
家を買う際は、資金面も重要な要素になります。資金計画で失敗しないためにも、次の点を押さえておきましょう。
借りられるローンの限度額を把握する
住宅ローンを利用する場合は、自分の年収でどの程度借り入れることが可能なのかを把握しておくことが大切です。
ローンの限度額を知る方法として、以下の2つがあります。
・年収倍率から計算する:「住宅価格 ÷ 年収」5~7倍までが目安・返済負担率から計算する:「年間返済額 ÷ 年収 × 100」30~35%以下が目安
住宅ローンは普段の生活費やライフイベントに備えて、余裕を持たせて組むようにしましょう。
頭金の額を決める
住宅ローンの頭金とは、ローンを契約する際に物件の費用の一部を支払うことです。頭金の目安は、家の購入価格の10~20%とされています。
頭金を支払うことで、住宅ローンの借入額が減り、毎月の返済負担額を減らせます。また、
返済期間を短くすることが可能です。
しかし、頭金は現金一括で支払うため、手元の貯金がなくならないように注意しましょう。
ローンの返済は余裕を持った計画を立てる
住宅ローンを組む際は、無理のない返済計画を立てることが大切です。
返済計画を立てる際は、保険料や税金、メンテナンス費用など、住宅ローン以外の支出も考慮する必要があります。併せて、将来的な収入の変動や金利の上昇のリスクも含めて考えましょう。
購入費以外にかかる諸費用も想定しておく
家を購入する際は、諸費用や住み替え費用もかかります。諸費用とは、家の購入以外にかかる費用のことで、家の価格の5~10%が目安です。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
・仲介手数料・印紙税・登録免許税・司法書士報酬・不動産取得税
住み替えにあたっては、仮住まいの費用や引っ越し代、家具家電の新調費用もかかります。
まとめ:家を買うと決めたらまずやることを把握して家づくりを進めよう
家を買うという決断をしたら、新築、中古、戸建て、マンションなど、さまざまな選択肢の中からライフスタイルに合ったものを選ぶ必要があります。さらに、購入のタイミングを見極め、資金計画を立てることが大切です。
住宅ローンは、無理のない返済計画を立て、年収倍率や返済負担率を参考に借入額を決めましょう。家の購入までの流れを理解し、情報収集から契約、引き渡し、税金手続きまでスムーズに進められるように、しっかりとした準備が不可欠です。
家は人生で最も大きな買い物です。理想の住まいを手にするためにも、焦らず着実に準備を進めましょう。
運気の良い家にするためには、風水を取り入れるのがおすすめです。以下の記事でくわしくご紹介しているので、チェックしてみてください。
運気の良い家の特徴|風水に良いインテリアで運気を上げる方法8選 - リブタイムズ