境内に“妖精の輪”? 社護神社の土俵にキノコ
秦野市堀山下の社護神社境内にある土俵に沿ってキノコが生え、リング状になっているのが5月11日に発見された。土俵上に群生するキノコは、まるで「フェアリーリング」のように見事な円を描いていた。
フェアリーリングとは菌類用語で「菌輪」。キノコの発生源から放射状に菌糸が発育して伸び、条件が揃うと円周上にキノコが並ぶことがある。芝生などに生えるシバフタケの菌輪がよく知られており、西洋では「その輪の中で妖精が踊る」と言い伝えられ、フェアリーリングと呼ばれる。
今回のものは土俵の藁上に生えているため、「パッと見すごく立派なリングに見えたが、フェアリーリングとは異なります」と、神奈川キノコの会の城川四郎前会長は話す。関東きのこの会の露木啓会長も「厳密には違う」としつつも、「キノコのリングと神社の境内、土俵の組み合わせは面白い。これはこれで珍しいのでは」と語る。
初の現象に驚き
発見したのは堀山下自治会の森谷(もりや)公美(まさみ)堀山下関子ども育成会長で、太鼓の練習の時に気づいた。土俵は山北町の室生神社の奉納相撲の予選用に作られていたもので、戦前まで続いていたこれが戦後に年1回の子ども奉納相撲に変わり、毎年9月に作り替えられている。
「たまにキノコが生えることはありましたが、長年見てきてこんな状態は初めてで驚きました」と森谷さんは話した。