港北署管内特殊詐欺 上半期7000万円の被害 オレオレ減も「預貯金」増加
港北警察署管内で今年6月末までに発生した特殊詐欺被害額が約7000万円に上ったことが、同署への取材で分かった。昨年同時期に比べると件数も被害額も減ったが、県内では特殊詐欺とは異なる「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」といった新たな手口による被害も確認されていることから、同署は警戒を強めている。
同署生活安全課によると、特殊詐欺の認知件数は6月末までに23件、被害総額は約7000万円。内訳は、オレオレ詐欺が9件、預貯金詐欺が9件、還付金詐欺が4件、その他が1件だった。昨年同時期に15件だった架空料金請求詐欺、同じく2件の被害があった融資保証金詐欺はどちらも0件だった。
被害総額約7000万円は、昨年同時期より約4700万円減った。オレオレ詐欺は約1440万円減ったが、預貯金詐欺は約280万円増。また還付金詐欺の件数は15件減ったが、被害額は約3000万円増え、約4990万円となった。
預貯金詐欺とは、自治体や税務署の職員などを名乗り、医療費などの払戻金があるからとキャッシュカードの確認や取替の必要があるという口実で自宅を訪れ、キャッシュカードをだまし取る手口の詐欺のこと。
還付金詐欺とは、自治体や年金事務所などの職員などを名乗る者から医療費・保険料の過払い金や、一部未払い金があるなどお金を受け取れる内容の電話がかかり、犯人の指示通りにATMを操作すると、実際には犯人側の口座にお金が振り込まれるという詐欺。
同課の高橋敏行課長は「絶えず繰り返されている手口だが、被害がなくならない。きっかけは全て電話から。自分の家にも詐欺の電話がかかってくることを想定し、不要な電話には出ないように」と呼びかけている。
SNSやアプリから
特殊詐欺以外にも、県内では今年、SNSなどで投資に勧誘する「SNS型投資詐欺」の被害が確認されている。また、マッチングアプリで知り合った相手に恋愛感情を抱かせて金銭を要求する「ロマンス詐欺」も横行しているという。「港北署管内ではまだ被害が確認されていないが、注意喚起していきたい」と高橋課長。
「旧紙幣回収」に注意
また同署では、新紙幣の流通に伴う新たな詐欺にも警戒を強めている。金融機関の職員を名乗り「紙幣が変わったので、古い紙幣の交換で自宅に伺います」などと旧紙幣をだまし取る手口などが予想されるといい、高橋課長は「そのような連絡があっても応じないように」と呼びかけている。