宮前消防署宮崎出張所 建替完了 6月28日から運用 女性職員の当直想定
改修工事を進めていた宮前消防署宮崎出張所(有馬2の8の11)の運用が、きょう6月28日から始まった。女性職員の当直を想定した機能の見直しなど、時代に合わせた設計を採用。22日には地域住民向けの見学会が行われた。
宮崎出張所は1970(昭和45)年に建てられた、川崎市内最古の出張所の一つだった。市消防局は22年10月から建物の改修に着手し、このたび新庁舎が完成した。
宮前消防署によると、新庁舎は鉄筋コンクリート造の地上2階建てで、延べ床面積は約540平方メートル。温かみのある色合いと木目を生かした外観で、壁面のコンクリートには、天然木を使用して木目をかたどった。2階のバルコニーはSDGsカラーのデザインを採用して、持続可能な消防活動に向けた強い意思を表現している。
前回の建設から半世紀が経過した時代背景を考慮し、女性目線の見直しも図られた。市消防局は、69年2月に全国で初めて女性職員が誕生した地として知られる。今回の設計では、女性消防職員の当直勤務を想定し、トイレや仮眠室、浴室などが性別関係なく個別使用できるようにした。
運用開始に先立ち、地元住民約100組が新庁舎を見学。乗車体験には多くの親子が参加した。有馬町会の大島孝夫会長は「これを機に、より充実した消防活動に取り組んでもらいたい」と期待を寄せた。飯田康行宮前消防署長は「庁舎整備に際し、地域の皆様から深いご理解と多大なるご支援、ご協力をいただいた。署員一丸となって消防の使命達成に取り組んでいきたい」と地域への感謝と抱負を述べた。