ダメ出し=怒る じゃないけど、サッカー経験もないのに監督目線で子どものサッカーに口出しするのをやめさせる方法
感情に任せて怒るのはよくない、という意識は学校やスポーツ、各種習い事の現場でもだいぶ浸透しています。
理不尽に怒るのはダメだとわかっているけど、親である自分自身も「怒る」「叱る」の違いを教えてもらったこともないし分からない、でもほめて甘やかすだけでは社会でやっていく力がつくと思えない......。という不安の声もありますよね、
サカイクアンバサダーにご参加いただき、サカイクキャンプやスクールで大勢の子どもの指導にかかわっている、柏瀬翔太コーチに「怒る」と「叱る」、「褒める」について相談してみました。
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<<毎日怒りっぱなし......。「褒めるのが苦手」な親御さんに、今日からできる簡単な褒め方を伝授
■「チームを強くしたい」「困っている保護者に情報を共有したい」と参加
イイヅカさんは、小4のお子さんを持つお母さん。ご自身は食育の勉強を10年以上続け、周囲にも情報を共有するなど、子どものサッカーをサポートしているそう。
今回はご自身のお子さんの悩みではなく、チームの保護者で悩んでいる方がいたら情報を共有してあげたいとの思いで参加されました。
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■サッカー経験者じゃないのに監督目線の夫がダメ出し
お子さんが所属しているチームは、自分で考えさせることを主軸にしているため、コーチたちからも「お父さんお母さんは、ああしろこうしろとピッチの脇から言わないでください」と指示があるそうです。
現在ではその方針に賛同してわが子のサッカーを見守るイイヅカさんですが、それでも初めのころは「そうは言っても、ルールとか戦術とか色々知らないと勝てないじゃない」と思っていたそうで、試合中お子さんのプレーについてあれこれ言っていたそう。
また、「夫がJリーグの某クラブが大好きで。サッカー経験はないけど常に監督目線でプロの試合を見ていて、子どものサッカーにも口を出してしまうんです。」とのこと。
サッカー経験者やサッカーファンの親御さんの「あるある」な体験かと思いますが、言われる側の子どもが嫌がることを懸念していると教えてくれました。
感情的に怒鳴る、怒るといった行為ではありませんが、子どもにとってはダメ出しされた=注意された、怒られたと感じることもあります。いずれにしても自分を非難されたと感じるものです。
■子どもが素直に意見を言えるフラットな親子関係を築くのも、ダメ出し減少に効果的
それに対して柏瀬コーチは、「口出ししたくなる親御さんの気持ちも理解できます」と、保護者の感情に寄り添います。
そのうえで、こんなアドバイスを送りました。
「親側が気になったプレーも、子どもたちは一人ひとり考えてプレーしています。なので、言い方を変えることが大事かなと思います。『あの時はどんなことを考えてプレーしたの?』とか。
まずは子どもの意見を聞いてから『お父さんはこう思ったから質問したんだよね』と親の質問の意図も伝えると、お互いの理解が深まり、ダメ出しがなくなると思います。
プレーの指摘の前に、素直に意見を言いあえる親子の関係性を築くことが大事だと考えます」
親はわが子に関心を持ち、本音を言える関係性を作ること、たくさん話してお互いを理解することが大事だとアドバイスを送ると、質問者のイイヅカさんは、「相手の気持ちを考えた言い方になりそうですね。関係性を良くする、というのは納得です」と笑顔で頷いていました。
■モチベーションが上がらない子にどう発破をかける?
同じチームに所属していても、子どもによって目指す目標、やる気、モチベーションは様々。まして、中・高学年になると公式戦も増えたり、今まで同じぐらいだった子が一気に伸びたりして自分が成長していないように感じたり、親も子も熱量に差が出てくることも少なくありません。
イイヅカさんのチームでも、長年所属している子で、少し伸び悩んでいる子がいるのだそう。
スランプで自信がなく、最近では練習に行きたくないという日もあるのだとか。
親御さんはまじめで熱心ゆえに、自己肯定感が上がる動画を見せたり、もっと褒めればいいのか、もしくは発破をかけた方がいいのか悩んでいるので、いい方法があれば教えてあげたい、と要望をいただきました。
■大事なのはチームの雰囲気、指導者だけではなく親たちも協力しよう
それに対して柏瀬コーチは、「大事なのはチームの雰囲気」と断言します。
小学生年代では、同じ学年でも身長やスピードの差が大きい時期でもあります。中・高学年からチームに入ってくる子との競争も生じ、それまで出れていたポジションで出られなくなることを経験する子も。
ですが、JFAも推奨しているように小学生年代は全員が試合に出ることを優先する時期です。柏瀬コーチもそれを踏まえてこのようにアドバイスを送りました。
「試合に出るチャンスは必ずあると思います。その中でチーム全体が互いの良くない部分ばかりを指摘するのではなくチーム内で『目的に向かって、こうしていこう』と対策が立てられるといいですね。
試合なので当然勝ちたいですし、目的に向かって子どもたち同士、そしてコーチたちも声をかけることによって、調子の上がらない子どもも自然と『じゃあ、今度こんな動きをしてみようかな』と思うものです。
良くないところやマイナスな雰囲気が多くならないよう、チーム全体で前向きな声かけをすることが大事だと思います」
そしてこう付け加えました。
「もう一つ大事なのは、子どもやコーチだけでなく保護者同士が前向きな雰囲気で子どもたちとかかわっていくことも重要です」
■チームに行くのが好き ってやっぱりすごい
チームに所属したばかりの頃は、「きちんと教えてあげないと勝てないのでは?」といった考えもあったイイヅカさんですが、自分で考えさせるサッカーを通じて、小4の今子どもたちが年齢なりに自分たちのことができるようになり、その変化や成長を目の当たりにして「いいチームに出会えた」と実感していると語ってくれました。
そして、長い目で見たとき、目先の勝利より大事だと感じているのは、所属している子どもたちが「チームに行くのが楽しい」と感じている姿だそう。
「これだけサッカーが好きって、やっぱりすごい」と、嬉しそうに教えてくれました。
座談会のテーマである「褒める」「叱る」に関しても、本音を言える親子関係を築く意識を持ち続け、今後も食事や生活面でのサポートを誓っていました。
■ポジティブな声掛けの中で思い切り挑戦ができるキャンプ
好きだから頑張れる、というのはとても大事なこと。そして、頑張る気持ち、挑戦する気持ちを奮い立たせてくれるのは前向きな雰囲気です。
サカイクキャンプでは、ポジティブな声掛けで子どもたちが挑戦しやすい雰囲気づくりを行っています。
いいプレーはしっかり褒め、よくない言動は叱って諭す。たった3日でサッカーでも人間としても成長できるキャンプです。
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