Yahoo! JAPAN

自分も家族も追いつめられる「家族のために良かれと思って…」は要注意、という話。

saita

自分も家族も追いつめられる「家族のために良かれと思って…」は要注意、という話。

こんにちは!家事シェア研究家の三木です。今日は「ママの良かれ」が家族を追い詰めているかもしれない、というお話です。

がんばるほど、孤独になるママがいる

僕は仕事柄、色んなパパさんやママさんから家族の話を聞かせていただくことが多いです。
そうして話を聞きながらいつも思うのは、多くのパパ、ママは本当に毎日家族のことを想いながらがんばっているんだなということ。

stock.adobe.com

ただ、そのがんばりがちょっと行き過ぎちゃって孤独になってしまっているケースも、じつはよく聞くのです。

あるママさんは、十数年前。子どもが産まれてからヴィーガンにハマりました。お子さんがアレルギーを持っていたことから、栄養や健康についてたくさん勉強し、たどり着いたのがヴィーガンだったのです。

僕も詳しくないので詳細は省きますが、ヴィーガンは完全菜食主義とも呼ばれており、肉や魚介類だけじゃなく乳製品なども口にしないとのこと。これには家族が参ってしまった。「食」とはただ身体のために接種する行為ではなく、その人の生きがいや悦びにも直結します。関西から東京の大学へと入学した僕の友人は、「東京の醤油が合わない」と言ってはため息をついていました。(20年以上も昔の話ですが)

醤油の味でもため息が出てしまうのに、それまで普通に食べていた肉や魚、卵や乳製品がNGになればフラストレーションは溜まっていきます。

義父の誕生日パーティにもヴィーガンのお店をチョイスしたのだけど、野菜があまり好きじゃない義父はコース料理にほとんど手を付けなかったそうです。

また、「夫が、こっそり子どもを連れて焼き肉を食べに行ってたって知ったときは、なんで理解してくれないんだろうって⋯⋯」

よほどショックだったようで、涙ながらに語ってくれました。

じつは同じような話って、よく聞きます。食に関してだけじゃなく、片付けにハマって物をどんどん捨てることに家族がついていかなかったり、子どもの教育にのめり込んでしまって子ども本人を含む家族の誰も望まない受験戦争に、家族が疲弊してしまったり。

家族の”声”に耳を傾けて

そういう僕自身も、子どもが産まれたばかりのころに、妻の気持ちを置いてけぼりにしたままがんばってしまっていたことがありました。

当時すでにNPO法人tadaima!の活動を始めていた僕は、完璧なイクメン(当時は流行っていたんですよ)目指して、バリバリに家事をやっていました。母乳の出が思うようにいかない妻の身体を思って、なるべく高脂質にならないようにご飯は手作り。妻が安心して気持ちよく子どもと過ごせるように、常に部屋はピカピカに。もちろん育児で疲れている妻のために、ひとりでゆっくり眠れるように子どもと僕が2人で過ごす時間をできるだけ増やしたり。

なんの文句も出ない「完璧なイクメン」⋯⋯だったのだと思います。
でも、そんなのは僕の勝手な空回りでした。

stock.adobe.com

ある日妻は泣きながら「ご飯なんてお惣菜でいいし、部屋が汚くたっていいから、もっと”わたしと”一緒にいて欲しい」と言いました。

その頃の僕は、仕事から帰ってきたらすぐに家事育児。妻には1秒でも早くリラックスして寝てもらおうと奮闘していたのです。その結果、妻とコミュニケーションを取ったり、家族で一緒に団らんする時間がなくなっていました。

その結果、妻は孤独になり、僕もそれによって孤独に疲弊してしまっていたのです。
妻がちゃんとSOSの声を上げてくれたおかげで、僕は自分の行き過ぎた「良かれ」に気がつくことができました。

自分がいいと思っていることが、家族のためと思っていることが、家族からしてみたら少しズレてしまっているというのは、他人事ではなく誰にでもあり得るのだと思います。

だからこそ、ただ思い込みで「良かれ」をかんがえるのではなく、家族の声に耳を傾けてみることが大切なのです。

家族のためを思うなら、家族と対話するのが一番いい

stock.adobe.com

「良かれ」に翻弄されてしまう人の話を聞いていると(僕自身も含め)、家族の声が聞こえなくなっているケースがよくあります。
自分はこんなに調べて、知識があるけど、家族は何もわかってない。そう思ってしまうと、家族からの本当のSOSが入ってこなくなってしまいます。

家族のためを思うなら、家族の声に耳を傾けてみるのはとても大切なことです。

僕自身、そのことを忘れないようにしていきたいと思っています。
 

三木智有/家事シェア研究家

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. <半返しや内祝い>やり始めたの誰!?お祝いをもらったらお返しをする文化、いらなくない?

    ママスタセレクト
  2. 「王様のお菓子ランド」福袋の予約電話で発された「ある一言」の真意とは / 福袋2025

    ロケットニュース24
  3. 『刀剣乱舞』公式絵師・lackが一文字則宗を描く!監査官ver.の冬イラストに「ありがたきお年玉!」

    にじめん
  4. 王子公園にある「神戸文学館」で、企画展『阪神・淡路大震災30年 詩人が見た1.17』が開催されるみたい

    神戸ジャーナル
  5. 『8年間、野犬として過ごしてきた犬』と一緒に暮らした結果…愛に溢れた『1年後の光景』に涙が止まらないと298万再生「表情に感動」と絶賛

    わんちゃんホンポ
  6. 四郷町の古墳群や神社をウォーキング「第17回姫路古墳ロード歩こう会」 姫路市

    Kiss PRESS
  7. 能登半島地震から1年 それぞれの地域で「備える」 多摩・麻生の取り組みは

    タウンニュース
  8. 今も変わらぬ人の温かさ 葉山町一色在住 秋元シズさん

    タウンニュース
  9. ワンコが緊張していたら、そばにいた大型犬が…落ち着かせるためにとった『まさかの行動』が38万再生「優しすぎ」「本当に仲良しなのがわかる」

    わんちゃんホンポ
  10. <ワーママのトラウマ>同僚からの白い目「また休むの?」退職から半年後……ママの心境【まんが】

    ママスタセレクト