『アニメ「鬼滅の刃」 柱展 -そして無限城へ-』で触れる柱たちの素顔 没入感ある映像や圧巻の原画展示をレポート
2024年11月、東京・京橋に誕生したミュージアム、CREATIVE MUSEUM TOKYO。2024年11月2日(土)に開業したTODA BUILDINGの6階に位置する本施設は、大空間の展示室にてアニメ、マンガ、音楽等のポップカルチャーや現代アート、デザインなどの展覧会を開催し、隣接するミュージアムショップとミュージアムカフェにて、展覧会ごとにオリジナルグッズやオリジナルメニューを楽しむことができるという。そのオープニングとなる展覧会『アニメ「鬼滅の刃」 柱展 ーそして無限城へー』が、同会場にて2025年3月2日(日)まで開催中だ。本展は、アニメ「鬼滅の刃」初の“柱”にフォーカスした大規模展覧会。柱9人の魅力に様々な形で向き合い、それぞれの個性や想いに焦点を当て、柱の想いと共に無限城へと向かっていく展覧会となっている。
アニメ「鬼滅の刃」の世界へと没入
まずは会場入口にて、柱のイラストがデザインされたカード型の入場特典「柱札」を受け取ることができる(柱9人のうち1名をセレクト)。この柱札は展示エリアのいくつかの場所で使うことができるので、そのときまで大事にしまっておこう。
続いて案内されたのは、まっくらな暗室の空間「柱-結集」エリア。奥には行灯がふたつ、どうやら和室のようだ。もしかしてここは……と想像を膨らませていたところで映像の上映がスタート。鬼殺隊最高位の剣士である柱たち、水柱・冨岡義勇、蟲柱・胡蝶しのぶ、炎柱・煉獄杏寿郎、音柱・宇髄天元、霞柱・時透無一郎、恋柱・甘露寺蜜璃、蛇柱・伊黒小芭内、風柱・不死川実弥、岩柱・悲鳴嶼行冥が次々に目の前を舞う。躍動感ある映像に一気に引き込まれ、目まぐるしく変わっていくシーンに驚くばかり。入場早々、没入感が高まる演出を目の当たりにし、続く展示にも期待が高まっていく。
柱の個性を丁寧に深掘りしていく
次は、柱ひとりずつを紹介する巨大パネルの展示がずらりと並ぶ「柱-個性」エリア。それぞれ配置された映像やテキストからは、各柱のこれまで歴史や彼らが抱えている想いに触れることができ、キャラクターの解像度がより鮮明になっていく。
なお、ここで早速「柱札」の出番が。裏面のQRコードを読み取ることで、自身がセレクトした “柱札の柱” が他の柱を紹介する音声を聴くことができる。本展のために新たに録音した音声とのこと、ぜひ聴き逃さないようにしよう。
続く「柱-身体」のエリアでは、各柱の等身大パネルと、それに合わせて配置された日輪刀の柄部分を再現した展示に目を奪われる。壁に並んだ柱たちの体格差を見比べてみると、特に宇髄天元と悲鳴嶼行冥が想像以上に逞しいことに驚いた。
なお、ずらりと並んだ日輪刀の柄部分は実際に触れることができるので、柱それぞれの個性が際立つ1本を近くでじっくりと観察しよう。
同じエリアには、柱たちの名台詞が天井から所狭しと吊り下げられた「柱-言葉」も。奥にはQRコードを読み込む機械が設置されており、ここで「柱札」2回目の出番だ。QRコードをかざすと、目の前のモニターにセレクトした柱の名台詞が現れ、音声が流れる。一体どんな音声が流れるのか……会場でのお楽しみだ。
細やかな作業が伝わってくる原画の数々
続いて足を踏み入れたのは、白さが際立つ「柱-表情」エリア。約1,000枚の原画が展示され、各柱の表情に迫っていく。アニメ「鬼滅の刃」といえば特に作画が美しい印象があるが、実際に原画を一コマずつ見ていると、スタッフ陣が心血を注いで制作していることがはっきりと感じとれる。
それは「柱-躍動」エリアも同様で、連続するアクション原画は迫力満点だ。まるで柱たちが自分のすぐ近くを縦横無尽に動き回っていくかのような感覚になる。
「そして無限城へ」と迷い込む
そうして通されたのは展示のラストとなる「そして無限城へ」エリア。何もない四角い部屋に、ふわふわとした足元に気を取られていると、あの三味線の音が耳に響いて……。「柱稽古編」最終話、産屋敷邸から無限城への落下シーンが目の前に映し出される。プロジェクションにあわせて音が響き、床が揺れ、風を感じるのはまさに本展のハイライト。炭治郎や柱たちの切迫した雰囲気が来場者にも伝わり、我々も無限城へと誘われたかのようだ。
映像を終えて進んだ先では、なんと本当に無限城に誘われたように再現エリアが広がる。壁や天井は凸凹と立体感があり、行灯や階段などまさに先ほど見た映像の先に落とされたかのよう。炭治郎や柱たちもここを通って先に進んだのかと錯覚するほど、余韻が残るエリアだった。
隣接したショップ&カフェも楽しもう!
CREATIVE MUSEUM TOKYOでは、ミュージアムショップやカフェも見逃せない。ショップでは本展覧会のメインビジュアルを使用したキービジュアル プレミアムポスター(税込2,500円)やランダムマット缶バッジ(税込600円)ほか多数のグッズが販売されている。
さらにカフェではコラボメニューを提供。各柱にちなんだメニューが用意されている。
冨岡義勇の「鮭とチーズのクリームソースパスタと鮭と煮大根むすび」はチーズとクリームの風味が鼻をくすぐり、煉獄杏寿郎の「ラクサ風味パスタとさつまいもとミモレットチーズむすび(辛み)」は辛いもの好きにはたまらない一品。各パスタには柱をイメージした香りが付属しており、嗅覚からも楽しめるほか、おむすびはパスタのクリームに加えてリゾットにして楽しむこともできる。
また、ピンクを基調にした甘露寺蜜璃や、蝶のモチーフが多く散りばめられた胡蝶しのぶのメニューはビジュアルにも惹かれる。一息つくのにもピッタリなカフェにもぜひ足を運んでみては。
『アニメ「鬼滅の刃」 柱展 ーそして無限城へー』は、CREATIVE MUSEUM TOKYOにて、2025年3月2日(日)まで開催中。
※煉獄の「煉」は「火」+「東」が正しい表記となります。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
文・写真=笹本 千尋