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1泊2日で京王線を遊び尽くす!テーマパーク&運転シミュレータ付きの「KEIOトレインルーム」を大満喫【ユータアニキの鉄道散歩】

さんたつ

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みなさん、こんにちは。鉄道写真家の村上悠太です!  突然ですが、私、京王電鉄が好きでして。中学、高校と電車通学をしていたのですが、通学定期券の区間外にも関わらず、時々あえて京王線経由で帰り、当時は宅地開発前だった若葉台駅周辺で風を感じたり、地下化前の調布駅を愛でたりしておりました。若葉台駅で風を感じていた村上少年も気がつけば30代後半。上の息子は誰に似たのか鉄道が大好き、下の娘は鉃道も好きだけどどちらかと言えば体を動かしたり、動物が好きだったりと兄妹で好みもバラバラ。そんな時に味方になってくれるのが、京王線なんです!

京王プラザホテル八王子(けいおうプラザホテルはちおうじ)

家族で楽しめる!京王電鉄のテーマパーク『京王れーるランド』

座席指定制の「京王ライナー」で活躍する5000系。
多摩動物公園駅に着くとすでに「気になるもの」が見える。
駅ほぼ直結で京王線利用が便利。

まずご紹介したいのは『京王れーるランド』。こちらは見て触って体験して京王電鉄を感じつつ、乗りものの魅力を学べる京王電鉄のテーマパーク。他の鉄道系展示施設に比べて、小さな子連れにも理解しやすい表現で展示が構成されているのが特徴です。2024年3月にはリニューアルも実施され、さらに魅力がパワーアップしました。

駅のすぐ横がエントランス 。
本館、屋外展示場、ミュージアムショップもあるアネックスの3セクションで構成。

本館1階には京王線・井の頭線の「小型運転体験シミュレータ」やフォトスポット、HOゲージのジオラマ展示があり、特に6000系車両の本物の運転室を使用した「運転体験」は、昔、実際に運転士さんの教習用だったものを使用。しかも運転を教えてくれる先生は、誰もが本物の京王線を運転してきた方々で、運転室も先生もこの上なくリアルという、とっておきの体験ができちゃいます。

6000系を使った「運転体験」はレベルによって運転できる区間や種別が変わる。こちらは小学生以上が推奨で1回300円。
今活躍している形式の運転台を使った「小型運転体験シミュレータ」。ちびっこでも一人で体験できる。
京王電鉄の車両が行き交うジオラマ展示。1回100円で5分間、実際の運転台で操縦ができる。

そして、バス好きキッズに人気なのが、同じく1階にある「バス展示」。2012年まで京王バスで活躍していた小型バスに乗ることができます。もちろん、憧れの運転席も着席OK!  ウインカーも動作し、降車ボタンも押し放題!

乗れて、音が鳴って、ウインカーが光る! これにはみんな夢中。

奥には、こちらも本物の6000系車両を使用した「車掌体験」。車内放送やドアの開閉操作が誰でも体験できます。隣には5000系の前面部を使ったフォトスポットも。実はこれも一部が本物の車両部品で、万が一部品として必要になると実際に使用されるのですが、開館以来、まだ使用したことはないとのこと。

5000系のフォトスポット。
車掌体験も本物の車両で!
リニューアルで新設された「コレクションギャラリー」。

2階エリアは2024年3月のリニューアルで大きく内容が変わり、新登場の「プラレールペイント工房」では8000系をベースとした、ここだけの「京王ペイントトレイン」を使用して、自分だけの京王線プラレールを作ることができます。

自分だけのプラレールが作れる「プラレールペイント工房」1両1100円。
圧巻の「プラレールタワージオラマ」。
体を動かして遊べる「アスれーるチック」。
屋外展示には京王電鉄のレジェンドたちが集結。
「ミニ電車」は親子でも乗車できる。
『京王れーるランド』の渡辺良祐さん。

館内を案内してくれたのは、自身も運転士の経験を持つ『京王れーるランド』の渡辺良祐さん。

「ここを通じて京王線を好きになってくれたらうれしいですし、遊びにきてくれたお子さまと将来、いっしょに仲間として仕事ができたら幸せです」

京王れーるランド(けいおうれーるランド)
住所:東京都日野市程久保3-36-39/営業時間:9:30~17:30(17:00最終入館)/定休日:水(祝の場合は翌木)/アクセス:京王電鉄動物園線多摩動物公園駅すぐ

全天候型で楽しめる遊び場にカフェも!『京王あそびの森HUGHUG<ハグハグ>』

そんな『京王れーるランド』とあわせて周りたいのが、すぐそばにある『京王あそびの森HUGHUG<ハグハグ>』。元気いっぱい体を動かしたいならこちらもおすすめ! 全天候型の室内施設で、館内には高さ約12mを誇るネット遊具「ハグハグのき」や多摩産材を使った木製の遊具など、地域の特性を感じられるのもの魅力的。

天気を選ばずに元気いっぱいに遊べる。
あそび場にはエリアによって年齢制限が設けられており、小さな子でも安心して遊べるようになっている。

『京王れーるランド』にはレストランがないので、昼食やおやつ休憩をするなら『ハグハグカフェ』がおすすめ。カフェの利用だけなら、『京王あそびの森HUGHUG』への入館料なしで利用可能で、メニューも「親子で楽しめるように味付けの濃さの調整や辛いものなどは避けています」とのこと。

『ハグハグカフェ』は店内自体も遊び場のよう。
小エビとミニウインナーのナポリタン1280円は大人気。

また、店内は靴を脱いでくつろぐスタイル。小さな子って、よくテーブル下を「探検!」といってハイハイしちゃいますが、土足でないのでここなら安心。アルコールメニューもあるので、大人もちょっとした休日を楽しめちゃうのもうれしい!

1階にあるキッズトイレは京王バスと5000系。
清潔なおむつ替えスペースやミルク用のお湯なども完備。

京王あそびの森HUGHUG<ハグハグ>(けいおうあそびのもりハグハグ)
住所:東京都日野市程久保3-36-60/営業時間:9:30~17:30(17:00最終入館)、『ハグハグカフェ』は10:00~17:00LO(土・日・祝は~18:00LO)/定休日:水(祝の場合は翌木休)※臨時休あり/アクセス:京王電鉄動物園線多摩動物公園駅すぐ

京王電鉄に囲まれ、運転し尽くすここだけの夜を。「KEIOトレインルーム」

『京王れーるランド』と『京王あそびの森HUGHUG』で1日中遊んだら、「さあ、おうちに……」帰らないのが今回の最大のポイント。まだまだ京王電鉄に染まれる場所があるんです。

多摩動物公園駅から京王線に乗り込み、約20分。京王八王子駅から歩いて3分のところにある、『京王プラザホテル八王子』。ここに京王満喫デーの締めくくりに相応しい、とっておきの部屋があるんです。それが……

この「KEIOトレインルーム」!

1部屋だけしかないとっておきの室内には、駅にある本物の看板や子供用の制服、8000系をイメージしたオリジナルのベッドスロー。普段は一般向けには公開されていない「京王資料館」に収蔵されている貴重な品々にHOゲージ。本物のシートモケットを使用した座布団に、本物の乗務員鞄に詰め込まれたオリジナルグッズはお持ち帰りOKの「おみやげ」になっていて、いたりつくせり。

そしてこの部屋は12階に位置しており、眼下にはJR八王子駅が見渡せる最高の眺望!  時間帯によってはタンク車も見られるので、お見逃しなく!

部屋に入った瞬間にあらゆる「京王電鉄なモノ」が視界に飛び込んでくる。
オリジナルグッズはお持ち帰りOK! 内容は適時変更される。

そして、室内にはチェックインからアウトまで、好きな時に好きなだけ京王線新宿→高尾山口間(下り)を運転できる「運転シミュレータ」が設置されているんです!

京王愛あふれる社員さんが本気で作った特製の運転シミュレータ。宿泊中、自分だけの「運転席」になる。

こちらのシミュレータは、京王電鉄さんのこだわりの結晶で、映像は京王線の営業列車の運転台に撮影用カメラを固定し、平日・土休日共に、シミュレータで運行できるダイヤと同じ列車で収録。そのため、例えば、特急と各駅停車で、待避線がある駅などでは走行する線路がきちんと変わります。

各駅停車ならつつじヶ丘駅や府中駅などで側線側に入線する。
新宿〜笹塚の地下区間も美映像。

運転できるのは最新鋭の5000系。安全に列車を運行するための保安装置「ATC」も限りなく再現した本格派で、運転区間はそれぞれ5区間に分類され、各区間で運転できる列車の種別も変わります。

本格派というと小さな運転士さんには難しいかもと思うかもしれませんが、レベルも初心者向けから上級者仕様まで3段階になっているほか、このお部屋なら好きなだけ失敗したり、運転操作に慣れるまでゆっくり走ったりしても大丈夫!  繰り返し練習して、運転技術を磨くことができます。

画面横には運転をサポートする情報が表示される。レベルによって表示される情報が変化。

実際に僕も運転してみると、リアルな運転感覚はもちろんのこと、映像の美しさに感動!このシミュレータを製作した京王電鉄の担当者さんは運転士経験がないとのことで、その分「運転経験がある社員に繰り返し操作をしてもらい、ATCや停止位置などの精度を高めていった」そうです。

慣れてきたら残距離非表示、運転時間もギリギリな「マスター運転モード」に挑戦! 採点機能もありやり込み要素も十分。

地下の新宿駅を出発すると比較的直線の線形が続く京王線ですが、安全運転に欠かせないのが先ほどから話題に出てくる「ATC」というシステム。鉃道は信号を守って運転していますが、京王線では「赤・黄・青」といった信号機ではなく、運転台に「今出してもよい速度」を表示するATCというシステムが採用されています。

速度計のまわりの矢印がATC。停車駅に近づくと徐々に矢印が減っていくので、速度がATCの矢印を超えないようにブレーキをかけていこう。

さらに停車駅が近づくと、停車位置に向けて徐々にこの矢印が減ってゆくため、運転シミュレータで最も難しい「駅に止まる時のブレーキタイミング」がとってもわかりやすいんです!そして、やり込み派にはうれしい採点機能も搭載。

今後も「路線拡充やさらなるリアリティーを高めていきたい」とのことで、これからの進化にも注目です!

「こちらのお部屋はチェックアウトギリギリまで過ごされる方が大変多いです。ぜひ、新宿から京王線に乗って、シミュレータの予習をしながらお越しください」と笑顔で話す寺井佑太副支配人。

『京王プラザホテル八王子』の寺井佑太副支配人。

この運転シミュレータをやればやるほど、本物の運転士さんは天気やお客さんの乗り具合による加減速の変化や、単に制限速度や停止位置を守るだけでなく、乗り心地などたくさんのことを配慮しながら運転していることを、きっとみなさんも感じることができるはず。こうしたちょっとしたきっかけが、将来の夢を決めるかもしれません。

『京王プラザホテル八王子』の「KEIOトレインルーム」は公式サイト等から予約可能で、このお部屋限定の特典として大人2名で宿泊すると小学生までの添い寝が無料なので、家族4人で宿泊しても大人2名分の料金で宿泊が可能になっています。

小さな子供から大人まで、いっしょに夢中になって遊べる京王電鉄の沿線施設。1日中、いや、1泊2日で京王線を遊び尽くす、そんな休日はいかがでしょう?

京王プラザホテル八王子(けいおうプラザホテルはちおうじ)
住所:東京都八王子市旭町14-1/アクセス:JR八王子駅すぐ、京王電鉄京王線京王八王子駅から徒歩3分

取材・文・撮影=村上悠太 (C)TOMY 「プラレール」は株式会社タカラトミーの登録商標です。

村上悠太(ユータアニキ)
鉄道写真家
1987年に鉄道発祥の地、新橋で生まれ、JRグループと同い年。鉄道業界の役に立ちたい!をモットーに活動中。交通新聞社刊『鉄道ダイヤ情報』では「ユータアニキ」として日々、鉄道を支える「鉄道HERO」たちの取材を続ける。下町住まいの2児の父。

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