【大相撲】横綱昇進最速ランキング、大の里はV逸でも昇進はあるのか?
2場所連続優勝なら所要13場所で最速横綱誕生へ
大相撲5月場所で大関・大の里が綱取りに挑戦している。先場所12勝3敗で3度目の優勝を果たしており、2場所連続優勝なら所要13場所で最速横綱昇進記録を大幅に更新することになる。
大の里は石川県河北郡津幡町出身。新潟県立海洋高から進学した日本体育大で学生横綱、アマチュア横綱となり、2023年に二所ノ関部屋に入門した。
2023年5月場所で幕下付け出しでデビューするとトントン拍子に出世し、西小結だった2024年5月場所で幕内初優勝。さらに9月場所で2度目の優勝を果たし、大関昇進を決めた。
幕下付け出しからデビュー7場所での優勝、9場所での大関昇進はいずれも歴代1位のスピード記録。もし、今場所も優勝すれば13場所で横綱昇進となり、輪島(21場所)、朝青龍(25場所)、大鵬(29場所)、曙(30場所)、白鵬(38場所)を一気に抜き去り、最速での横綱昇進となる。
V逸でも14勝なら昇進?
横綱昇進条件は「大関で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績」と定められており、今場所で大の里が優勝すれば文句なしに新横綱が誕生するだろう。
問題は優勝を逃した場合だ。これまでも「準ずる」という曖昧な規定がたびたび議論を呼んできた。最近の横綱昇進力士の直前3場所成績は以下の通りとなっている。
これまでも綱取りに挑む力士が現れるたび、話題に上がってきたのが貴乃花だ。横綱になるまでに7度も優勝しながら何度も昇進が見送られ、最後は2場所連続全勝優勝してようやく昇進が決まった。
逆に2場所連続優勝を達成しなくても横綱に昇進した例もある。稀勢の里は直前3場所合計36勝9敗で横綱に昇進。豊昇龍は大関昇進の目安とされている33勝12敗で横綱に昇進した。日本人横綱が待望されていたことや、照ノ富士の引退で横綱が不在になる懸念があったことなど、いずれも当時の様々な事情が絡んだと推測されている。
では、今回の大の里はどうか。モンゴル出身の横綱・豊昇龍は、横綱初場所となった先場所で5勝5敗5休。今場所も3日目で早くも土がつくなど横綱としての実績不足は否めない。角界の顔として、強い日本人横綱が欲しい状況であることは確かだろう。
大の里は1月場所で10勝5敗、先場所が12勝3敗で、今場所14勝なら合計36勝9敗となる。稀勢の里も同じ成績で横綱昇進しており、仮に大の里が優勝を逃しても14勝なら横綱昇進があるかもしれない。
豊昇龍は33勝で昇進したが、さすがに大の里は今場所11勝では見送られるだろう。地力があり、まだ24歳の若さを考えると昇進を焦る必要はない。12勝、あるいは13勝しても優勝を逃した場合は見送られるかもしれないが、いずれにしても議論を呼ぶのは間違いない。
スッキリと2場所連続優勝を果たしてくれれば一番スムーズではあるが、どうなるだろうか。同じ成績でも勝ち方や負け方が問われる可能性もありそうだ。
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記事:SPAIA編集部