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駅西の「円弧デッキ」、朝明中学校の通学路問題など質疑、四日市市議会

YOUよっかいち

近鉄四日市駅西の「円弧デッキ」と駅東の円形デッキとの位置関係(議会での資料から)

 三重県の四日市市議会は2月26日、一般質問があり、近鉄四日市駅西に計画されている「円弧デッキ」の必要性、朝明中学校の生徒の通学路の改善問題、磁気テープのいわゆる「2025年問題」などについて質疑があった。

 この日は、公明党の荒木美幸さん、政友クラブの上麻理さん、笹井絹予さん、荻須智之さん、笹岡秀太郎さんの5人が質問に立った。

 上さんは、近鉄四日市駅東で工事が進む円形デッキ、そこから同駅や新しいバスターミナル「バスタ」、あすなろう鉄道駅につなぐペデストリアンデッキ、関連施設のエレベーターなどについて質問したが、特に、近鉄駅西の2階部分から、あすなろう四日市駅の西側へ弧を描くような形で計画された「円弧デッキ」について、「これは本当に必要なのか」と質問した。

 上さんは中央通り再編の事業費が建設資材の高騰や人手不足などでふくらんでいるため、コストを抑える努力も必要だとし、駅西に、直線よりもコスト高になるカーブのあるデッキが本当に必要なのか、考える必要があると指摘した。

 あすなろう四日市駅と近鉄四日市駅は、現在、近鉄駅南改札口とあすなろう駅を通路と階段で結んでいる。「円弧デッキ」は通路付近から弧を描くようにあすなろう駅方面に向かい、「円弧デッキ」の両端にはエレベーターも設けられ、体の不自由な人にも利用しやすいという。

 市側は、近鉄駅東側では円形デッキ完成後の直線デッキの建設でコストカットをしていく考えがあり、その後、「円弧デッキ」についても事業費などを説明すると答弁した。なお、市によると「円弧デッキ」については「ニワミチよっかいち」中央通り再編基本計画の中間とりまとめなどで2022年段階で説明されており、その後、完成した基本計画の中にも示されているという。しかし、「見たような気もするが、詳しい説明は受けていなかったのでは」と話すベテラン議員もいた。

 荻須さんは、大矢知地区の八風街道周辺、特に大矢知郵便局交差点の朝の混雑が激しく、小中学生の登校で危険な状況だと指摘してきたが、今年1月、市立朝明中学校PTAと朝明中学校コミュニティースクール運営協議会から、アンケートで保護者の91.8%が「通学路の安全性が確保できているとは思えない」と考えているとして、通学路を再度見直すよう森智広市長あてに要望書を提出しと指摘。市の考え方を質問した。廣瀬琢也教育長が答弁に立ち、関係先と相談、検討し、新たな対策が必要であれば予算も要求していく、などと見直しに向けての答弁をした。

 笹岡さんは、VHSなどの磁気テープの記録が2025年をめどに限界を迎えるとの「2025年問題」を取り上げ、市立博物館が早くからこの問題に取り組んできたことを紹介、市としても早めに対応することや、博物館に必要な資機材を導入し、近隣自治体を含め、市がリーダーシップを取って対応するのはどうかと質問した。市は、市民が所有する貴重な映像記録を残す意味も含め、どんな資料を残すべきか、市でも各部署で調査していく、などと回答した。

 荒木さんはコンビナートを抱える四日市の消防に無人走行の放水ロボットを導入することの検討を求めたほか、高齢者の終活支援ではパスワードなどが分からなくなると支障が出る「デジタル遺品」の問題、「エンディングプランサポート」の取り組みなどを取り上げた。笹井さんは、かつて日本が活躍した半導体分野での成功を、ふたたび実現できるよう、市としての取り組みや考え方を質問した。

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