「カオスな魅力を多くの人に伝えたい」 8月31日から3日間、洞春寺で「水の上芸術祭」
洞春寺(山口市水の上町5、TEL083-922-1028)を舞台に、冠婚葬祭すべての要素を取り込んだアートフェスティバル「水の上芸術祭」が開かれる。期間は、8月31日(土)から9月2日(月)まで。
今年1月、米紙ニューヨーク・タイムズによる山口市の魅力としても取り上げられた洞春寺および隣接する陶芸工房「水の上窯」。同寺は、深野宗泉住職の「来る者拒まず」の考え方により、多様な人が集う場となっている。互いが互いを気遣う、そこにしかないコミュニティもできており、「そのカオスな魅力を多くの人に伝えたい」と、昨年同寺に1カ月間滞在した大谷優実さんらが企画した。誰でも自由に参加できる。
アーティストによるグループ展(31日~2日)や飲食マルシェ(31日・1日)に加え、水の上窯・舛井岳二さんと明奈さんの結婚式(31日)、画家・石原英介さんらによるライブペイント(同)、餅まき(同)、鈴木悠心さんと髙山律子さんによるピアノ&ダンス(同)、「千の風法要」(1日)、「のっぽさんによるレモンダンスとベイビーお食い初め」(同)、ジャズギタリストの細井徳太郎さんのコンサート(同、有料)、ワークショップ「読経とコラージュ」(2日)などが予定されている。
スケジュール等詳細は、8月24日付本紙掲載広告や、インスタグラム(https://www.instagram.com/mizunoue_geizyutsusai/)で確認を。 ※台風10号の影響により、当初の予定から変更あり
令和の大仏
さらに、高さ約6メートルの「令和の大仏」の同寺への安置に合わせた「開眼法要」(大仏に魂を入れる儀式)も、31日午前9時から開かれる。
これは、コロナ禍の2020年に札幌で始まった「令和の大仏造立プロジェクト」の集大成だ。47都道府県を巡り、ワークショップを開催。コンクリート製の小さな仏像(10センチほど)に、自由に色を塗ったり紙などを貼り付けてもらったりし、オリジナル「ミニ大仏」を作るというもの。2年3カ月をかけて約1000体が集まった。それらを、木と鉄で製作された「大仏棚」に並べた形が最終形で、昨年1月と2月に札幌市のモエレ沼公園「ガラスのピラミッド」内に展示された。その後一度解体され、札幌市で保管されてきたが、同寺への最終的な安置が7月に決まった。
同プロジェクトは、現代芸術家の風間天心さん(札幌市)や前田真治さん(兵庫県尼崎市)らによる試みで、「みんながつくった小さな仏像が、大仏の血となり肉となる」という点が特徴だという。洞春寺でも31日と1日、「ミニ大仏ワークショップ」(有料)が実施され、制作した仏像は大仏棚に飾ることも、持ち帰ることもできる。最終的には、5000体の設置を目指しているという。